テレビやスクリーンでの映画鑑賞に、PCやソニーPS4でゲームをするのに、またVR映像の鑑賞に、サラウンドヘッドホンの利用が人気です。有線型やワイヤレス型など様々な製品がリリースされているなか、おすすめのサラウンドヘッドホンをご紹介します。
目次
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サラウンドヘッドホンのメリット
面倒なスピーカーの配置が不要
サラウンドシステムに興味があるが、複数台に及ぶスピーカーの設置や配線、コスト感のために導入に抵抗感がある方。またサラウンドシステムがありながらも十分な音量で再生できない環境下にある方におすすめ。
サラウンドヘッドホンがあれば室外への音漏れや、リスニングポジションなどロケーションを気にせずにサラウンドサウンドを楽しむことができ、音と映像がマッチし、臨場感をもって映画の世界に没入できるだろう。
没入感あるゲームを楽しめる
またPS4やPCなどでFPS系のゲームを行う方にも最適だ。特にFPSではゲーミングヘッドセットとしても大きく効果を発揮する。
足音や物音による情報量が圧倒的に増え、これまでと違った、よりリアリティと緊迫感のあるゲーム体験ができるに違いない。
おすすめのサラウンドヘッドホン
SONY(ソニー) MDR-HW700DS
世界初の9.1ch対応を実現したSONYのMDR-HW700DS。
ワイヤレスで使用帯域もデュアルバンド(2.4GHz/5GHz)に対応しているので電波干渉の影響も回避しやすく帯域幅もあるため高音質伝送が可能。
シネマモードとゲームモードを切り替え可能でリスニング状況に合わせて最適なサウンドにできる。
デコーダーは様々な最新サラウンドフォーマットに対応しており、さらに4K映像のパスするーも可能で利便性の高さが光る。
ソニーの最先端の技術が詰め込まれた本機は、これから初めてサラウンドヘッドホンを手にする方にはグレードアップする方にも自身をもっておすすめできるモデルだ。
SENNHEISER(ゼンハイザー) RS175
非圧縮伝送によるピュアオーディオワイヤレスヘッドホン。
2.4GHz帯を利用した伝送でBluetoothとは異なり非圧縮で、ワイヤレスながらも高音質なゼンハイザーサウンドを楽しむことが出来る。
サラウンド機能は、対応フォーマットの仕様明記がないため完全なバーチャルサラウンドヘッドホンを求めてる方は注意されたい。音質を求める方へおすすめだ。
SONY (ソニー)ヘッドセット
PS4/PS3にワイヤレス接続し、最大7.1chのサラウンドサウンドを楽しみながら、スタイリッシュなフォルムに内蔵したマイクで音声通信も可能なソニー純正ヘッドセット。
有線でPS Vitaに接続することも可能だ。
手軽でソニーのデザインで統一感を得たい方はゲーミングヘッドセットとして本機を使ってみてはいかがだろうか。
Logicool ロジクール G430 サラウンドゲーミングヘッドセット Dolby 7.1
手頃な価格で7.1chが楽しめる、ゲーミングヘッドセットとしても人気のヘッドホン。普段ゲームをする人には絶対におすすめの機種だ。
細かなディテールを生む7.1サラウンドサウンドは、7つの個々のオーディオチャンネルと、深い低音を表現するローフリークエンシーエフェクト(LFE)を採用している。
高度なDolbyヘッドフォンソフトウェアが各チャンネルを正しい場所に配置し、ゲーム開発者が意図したとおりに360度のサウンドを再現。
Parrot Zik3
フランスのデザイナーによる美しいスタイルが魅力的なヘッドホン。カラーバリエーションも豊富だ。
シンプルさ極めたフォルムはワイヤレス充電機能まで備えている。
ノイズキャンセリングを搭載し美しい5.1chサラウンドサウンドに没入できることだろう。
Bluetooth接続可能なので接続可能なデバイスが豊富な点もうれしい。
Panasonic(パナソニック) RP-WF7
パナソニックのリーズナブルながらも本格的なサラウンドサウンドを体感できるRP-WF7。
最大7.1chのサラウンド再生に対応し、様々なサラウンドフォーマットに対応しつつもこの価格帯でのリリースを実現している点は流石Panasonicと言える。
厚手のクッションと軽量設計でメガネや3Dメガネをかけていても苦にならず、さらにノイズキャンセリング機能を搭載しているので、ストレスのなく3D音響に浸ることができる。
はじめてサラウンドヘッドホンを導入する方におすすめだ。
改良版RP-WF70との違いは?
RP-WF7は、改良版としてRP-WF70という上位機種が発売されている。ほぼスペックは変わらないが、ニッケル水素樹電池使用可能、充電しながら使用可能、イヤーパッドの装着感向上といった違いがある。
価格は日によって違うので、これらを考慮した上で購入されるとよいだろう。
Panasonic(パナソニック) RP-HX550
DTSがヘッドホン用に開発した「DTS Headphone:X」という11.1chをサポートしたフォーマットに対応しているヘッドホン。
スマホなどの対応アプリで臨場感ある11.1chサラウンドサウンドを楽しむことができる。
ただし、5.1chなどの汎用なサラウンドフォーマットに対応していないため少々用途は特殊となるが、リーズナブルな価格でPanasonicの安定した音質のステレオサウンドと、スマホでの11.1chサラウンドを体感でき、かつデザインもスタイリッシュであるため、1台もヘッドホンを持っていないという方などにおすすめだ。
audio-technica ATH-DWL5500
audio-technicaの7.1chまで対応したサラウンドヘッドホン。
オーテクの得意とするフラットでナチュラルなサウンドを、サラウンドヘッドホンでは珍しい開放型のハウジングで再生することで、広い音場で臨場感溢れる立体音響を体感できる。
なお同ブランドの特徴と開放型である点から、重低音はあまり期待できない。
開放型が好みの方は、本機を試してみよう。
audio-technica ATH-DWL3300
メガネや3Dメガネ、VRヘッドマウントディスプレイを装着していてどうしてもヘッドホンが邪魔になるという方、オーディオテクニカはカナル型のコンパクトなサラウンドヘッドホンシステムを展開している。
またどんな体制でもヘッドホンがずれることはないので、深いソファ・クッションに頭部を沈めても問題ない。
高音質でより自由なリスニングを求める方、ATH-DWL3300を手にしてみよう。
ASUS Strix ゲーミングヘッドセット Strix 7.1
格安スマホメーカーとして有名なアスースが販売する本格サラウンドヘッドホン。
仮想7.1ch環境とは全く違うリアルな7.1chを体感したい人におすすめ。定位が良くクリアな音質も評価されている。
本気でゲームをすると、360度敵の足音が聞き分けられるほどの臨場感を楽しめ、ゲームの没入感が格段に上がることだろう。
2017年7月発売!ASUS ゲーミングヘッドセット ROG 7.1
2017年7月にアスーステックから発売された新製品。
左右に5基ずつ,計10基のスピーカードライバーを内蔵して,リアル7.1chサラウンドサウンド再生を可能にしているのが特徴のゲーミングヘッドセットだ。
リアル5.1~7.1chサラウンド対応のヘッドセットという点で購入する人が多い。
Astro Gaming A40 TR + MIXAMP Pro TR
PC/PS4/PS3対応のゲーミングヘッドセットとして人気なのがこちら。
定位と敵の来る方向や足音、戦場の臨場感が他のゲーミングヘッドセットと比べて優れている。特にFPS用途であれば買いの一品だろう。
PlayStation4 ワイヤレスサラウンドヘッドセット
PlayStation4やPlayStation3のサウンドを7.1chバーチャルサラウンドで楽しめるヘッドホンがこちら。値段もお手頃なので、こういった用途であれば間違いなくおすすめだ。
内蔵のノイズキャンセリングマイクを使って手軽にボイスチャットや、PS4のシェア機能を使った配信もできる。
サラウンドヘッドホンとは
リアルサラウンド
リアルサラウンドは、5.1chなら6本、6.1chなら7本、そのままスピーカーを置いて音を鳴らすことを言う。本数が多いほど音のつなぎ目が少なくなりリアリティが増す。
バーチャルサラウンド
バーチャルサウンドとは、一言で言うと、少ないスピーカー数で”多くのスピーカーで鳴らしたかのような音”を出す技術だ。例えば、2.1chや3.1chなど、前方に置いたスピーカーだけで、5.1chや7.1chスピーカーを表現する。
“音源の方向がわざと間違って聞こえるように”音を前方のスピーカーから出し、聴覚の錯覚で後方から聞こえるようにする。
サラウンドヘッドホンの仕組み
サラウンドヘッドホンは、ヘッドホンを使ってバーチャルサラウンドを実現する技術だ。詳しい説明は専門書など参考にされたいが、ここでは要点についてのみ触れておこう。
HRTF(頭部伝達関数)
人間の耳は普通のマイクが捉える音とは違う音を聴いている。
実際には耳輪や耳たぶ、身体の各部で複雑に反射・回折の影響を受けた音波を鼓膜で感知し、音源の位置や距離を把握している。これにより、左右の耳と音源間の距離による音量差や時間差に加えて、周波数特性にも影響が出るため、原音とは異なる特性が生まれる。
この音源から左右の耳に到達するまでの音の特性をHRTF(Head Related Transfer Function)と呼ぶ。我々の耳は2chであるにも関わらず、この特性を認識することで日常で3Dサウンドを得ている。
なお当然、人によってHRTFは異なる。
バイノーラル(BINAURAL)収音・再生方式
バイノーラル収音・再生方式とは人間の頭部や肩を再現したダミーヘッドや、そのシミュレーターを用いて、実際に鼓膜に届く状態の音を記録、そしてそれを再生し、まるでその場に居合わせたかのような臨場感を再現する方式だ。
発想としては、人の耳で実際に聞こえた音を、そのまま人の耳で直接再生すればリアルなサウンドになるはずだという想定が基となっている。
サラウンドヘッドホンとはすなわち、汎用的なHRTFによる距離と方向の情報を含んだ2chサウンド(バイノーラル信号)を再現しているヘッドホンである。(今日製品化されているものではこれが主流だが研究開発分野では立体音響技術はこれだけではない。また個人特有のHRTFによるバイノーラル信号がより一層リアルであるとされる。)
スピーカーとの違い
スピーカーと異なり反響を利用することが出来ず、同様の音源を再生するとバイノーラル録音環境と同じ無音室に居るときの様な不自然な感覚に陥る。
そのためヘッドホンでのサラウンド再生においては擬似的に残響感を生成している。
また5.1ch、7.1chサラウンドシステムなどではチャンネル数だけスピーカーを設置しスピーカー間同士をステレオシステムの仕組みで音の虚像を作り出し仮想的につなぎ合わせてリアリティを出しており、チャンネル数が増えるほど虚像で補完する割合が少なくなりよりリアルサウンドへと近づくようになっている。
サラウンドヘッドホンの多くがこれらのサラウンドシステムの仮想化に対応しているが、これは各チャンネルから聴こえてくる音をそれぞれHRTFでバイノーラル信号に変更し、リアルサラウンドのようにチャンネル間の隙間を音の虚像で埋めて360度のサラウンドを実現しているため、仮想サウンドからさらなる仮想サウンドを二次的に生み出していることになる。
プロセッサーを用いるのが主流
HRTFとその時間応答である頭部インパルス応答(HRIR)の演算処理や、残響生成処理は非常に負荷が高く、多くのメーカーはヘッドホンと併せて専用プロセッサーを製品に同梱している。
専用プロセッサーは手持ちのAV機器と接続し、リアルサラウンド向けに録音された各種デジタルサラウンドフォーマットの音源などを、ヘッドホン用のサラウンドに変換するデコーダーの役割を担いながら、複数台のヘッドホンへ広帯域でのデータ伝送を実現し、かつ複数の接続ポートを有したものはAV機器のスイッチャーとしての役割も兼ねている。
専用プロセッサーをハードウェアとして持たないサラウンドヘッドホンもあるが、これは別途ソフトウェアでのプロセッシングを実行する必要があり、ソフトウェアがOSやハードウェアに対応する場合にのみ使用できるタイプである。
サラウンドヘッドホンの選び方
対応サラウンドフォーマットは?
DVDやBlu-ray、ゲームなどでサラウンド音声に対応していても、それには幾つか種類が存在する。サラウンドヘッドホンがどのフォーマットの音源を再生できるのがスペックを確認しておこう。以下一例を挙げておく。
サラウンドフォーマット | 意味 |
---|---|
DolbyDigital(AC-3) | DVDを始め多くのコンテンツに採用されており最大5.1ch対応 |
DTSデジタルサラウンド | DTS社開発でDolbyDigitalより高音質だがDVDでは対応が限られBlu-ray向き |
DolbyDigitalSurroundEX | 6.1ch再生まで対応したフォーマット |
DTS-ES | こちらも6.1chに対応 |
DolbyDigitalPlus | Blu-ray等次世代メディア向けでBlu-rayでは最大7.1ch対応 |
DTS-HD | 上のDD+と同等 |
DolbyTrueHD | Blu-rayでは最大7.1chで、16チャンネル以上に対応したロスレス圧縮音声での伝送を可能にした高品質形式 |
DTS-HD Master Audio | ロスレス圧縮を採用 |
DolbyProLogic II | 5.1chとステレオ2cを相互変換でき、IIxは7.1ch、IIzは9.1ch再生に対応 |
DTS Neo:6 | 2ch音声なら全て5.1〜7.1chとして再生可能 |
▲ 主要サラウンドフォーマット
対応チャンネル数は?

サラウンドヘッドホンは、サラウンドスピーカーと同様に5.1ch、7.1ch、さらにそれ以上のチャンネルの再現に対応しているものがある。
なおこのch(チャンネル)についてだが、スピーカーの設置数によりch数が異なる。サブウーファーは増えると0.1ch増える。
chが大きいほど、音源間の距離が近くなり、自然なサラウンド感と迫力あるサウンドになる。
チャンネル | スピーカー配置 |
2.0 | フロント左右2本 |
2.1 | 2.0+サブウーファー(重低音のみ再生) |
3.1 | 2.1+フロントセンター(人の声) |
5.1 | 3.1+リア左右2本 |
7.1 | 5.1+リアセンター2本 |
▲ チャンネル数とスピーカー配置の関係
ワイヤレスか有線か?
スピーカーを配置しないロケーションフリーの特徴をブラッシュアップして、ワイヤレスタイプのモデルが多いが、音質はどうしても有線に劣るため有線を選ぶ方も多いだろう。
音質や充電、コードによる場所の制限が気にならない方は有線も検討に含められたい。
それらが気になる方はワイヤレスを選ぶとよいだろう。
ケーブル着脱によってワイヤレスと有線のどちらも使えるものもあるので、そうしたモデルを選んでおくと柔軟性があり安心だ。
無線時の連続再生時間・充電時間は?
ワイヤレス型のヘッドホンはバッテリー駆動式となっているので、その持ち時間や充電時間をチェックしておこう。
あまり連続再生時間が短いものでは頻繁に充電が発生し、せっかくのリスニング中にストレスを感じてしまいかねない。充電時間についても、使用不可となる時間が生まれてしまわぬよう自身の利用時間・頻度を考慮して確認しておこう。
用途は?
主に映画鑑賞とゲーム利用があるだろう。
映画とゲームではそれぞれ音の向き不向きがあり、それぞれの用途に特化したヘッドホンや、用途別にモードを切り替えられるヘッドホンが存在する。
自身の利用用途に合わせて対応した音色の用意があるヘッドホンを選ぼう。
またゲーム用であればゲーミングヘッドセットとして、マイク付きのサラウンドヘッドホンも流通があるので、そうしたモデルを選ぶと別途マイクを用意する必要がなくストレスがないだろう。
サラウンドヘッドホンの注意点
サラウンドヘッドホンの多くがプロセッサーを利用し、その間はワイヤレスで接続できるものが主流となっている。
その多くが2.4GHz帯を利用するが、これは多くのWi-Fi通信やBluetooth通信、電子レンジなど家電製品で利用する電波の周波数帯域と重複しており、電波の発生源が多い場合には確実に電波干渉が発生しデータロス、即ち音質劣化が発生する。
使用時には無線LANルーターの至近距離で使うなどは避けよう、ノイズを拾ってしまう。
最後に
いかがだろうか。
今日ではサラウンドヘッドホン以外でもサラウンドエミュレーターソフト・ハードも流通しており立体音響体感手段は様々存在するが、サラウンドヘッドホンはなかでも特に敷居が低く、専門知識がなくても使うことができ、再生機器をあまり選ばず利便性が高い。
VR時代に突入し、3D映像と音声のマッチングのニーズは高まる一方だ。サラウンドヘッドホンを手にして各種デジタルサラウンド音源を楽しみながら来る3D時代へ備えよう。