作りたいものから選ぶ、おすすめ家庭用3Dプリンター特集2019

今回は、おすすめの家庭用3Dプリンターの特集です。作りたいものによって製品の選び方が異なるため、購入を検討しているのであれば価格帯はもちろん、使用できる樹脂やどんな製品があるのかなどを知っておいた方が良いでしょう。それでは、家庭用3Dプリンターについて、一つひとつご紹介しています。

3Dプリンターの価格帯はどれくらい?

家庭用の3Dプリンターは、2万円台~10万円以上と価格帯が幅広い。価格帯を決定付けているのが、造形方法の種類だ。(詳細は後述)

例えば、2万円台の安価な製品だと、熱溶解積層方式(FDM法)を採用している機種が多い。この方式は、フィラメントや本体が安価だが、積層痕が目立ってしまう。

一方、光造形方式(STL法)は、フィギュアの造形に用いられ、表面が滑らかで作品の完成度も上がる。しかし、本体価格は5万円を超えてしまう。

用途に応じてプリンターを選ぶことが大切だ。

3Dプリンターの選び方

造形方法と使える樹脂の種類

3Dプリンターを選ぶ際に最も重要なのは「できること」ではなく「作りたいものや使い道」に応じてプリンターのサイズや造形方法を選ぶこと。

まずは、造形方法の種類に応じた「使用できる樹脂」をみてみよう。

種類 使える樹脂 特徴
熱溶解積層方式(FDM法) ABS樹脂/PLA樹脂/ナイロン樹脂 材料が安い
断面の層が目立つ
プロトタイプに最適
光造形方式(STL法) エポキシ系樹脂/アクリル系樹脂 表面が滑らか
材料が高い
仕上がりまで時間がかかる
粉末焼結方式(SLS法) ナイロン樹脂/セラミック/エストラマー/ポリプロピレン/金属 堅牢性/耐久性高く作れる
表面がザラザラする
複雑な造形が可能
インクジェット方式 アクリル系/ABSライク/PPライク/ポリプロピレンライク/ラバーライク 滑らかで高速出力できる
耐久性が低い
粉末積層方式 石膏ベースパウダー/プラスチックライクパウダー/デンプンベースパウダー/セラミックベースパウダー カラー出力できる
材料が安い
耐久性が低い

フィギュアやオブジェを作るなら「アクリル系樹脂・ABS樹脂・PLA樹脂」

細かい表現が必要となるフィギュア作りには「アクリル系樹脂」、オブジェを作るのであれば「ABS樹脂・PLA樹脂」がおすすめされている。目的によって素材を使い分けることが、キレイに仕上げるポイントになるだろう。

ガンプラやプラモデル、鉄道模型を作るなら「石膏ベースパウダー」

粉末状の素材でカラーバリエーションが豊富なので、色付けが必要なガンプラやプラモデルなどの造形におすすめ。また、複雑な形状もしっかりと表現できる素材なので、鉄道模型を作ることも可能。手の込んだものを作りたい場合には、石膏ベースパウダーを使用してみると良いだろう。

インテリア配置、建築イメージ、スマホケースを作るなら「ナイロン樹脂」

産業用として使用されている素材だが、その中でも一番価格の安い素材となっている。耐久性の強い素材なので、インテリアや建築イメージの造形に最適。また、日用品としてはスマホケースの素材としても使用できるため、オリジナルのケースを造形できるのは嬉しい。

アクセサリーを作るなら「金属」

アクセサリー作りには、見た目がキレイな「金属」を素材としている。樹脂と比べて高級感も感じるため、指輪やネックレスのチャームを作るのであれば、素材に金属を使ってオリジナルのものを作ってみよう。

クッキー型を作るなら「ナイロン樹脂・PLA樹脂」

家庭用3Dプリンターでクッキー型を作る方の多くは、「ナイロン樹脂」「PLA樹脂」を使用している場合が多い。素材の価格が安く購入しやすいため、初めて使用する方はこのような素材を使った造形から始めてみると良いだろう。

おすすめの3Dプリンター6つを比較

フィギュア制作におすすめ|ANYCUBIC 光造形式 3Dプリンター JP-KBP006

出典:www.amazon.co.jp
ANYCUBIC
アニキュービック
JP-KBP006
家庭用3Dプリンター

手の込んだフィギュア制作をしたい方におすすめの家庭用3Dプリンター。光硬化レジンを採用していて、完成度の高き造形物の制作が可能。高さのある機器なので、フィギュア以外にも高さのある造形物を作成するにはピッタリの機器といえるだろう。

また、精度の高い造形物を作りたい方も、こちらの製品をぜひ使用していただきたい。

造形方法 光造形式
使える樹脂 エポキシ系樹脂/アクリル系樹脂
特筆機能 高解像タッチパネル採用で操作が簡単
出力サイズ 約115mm/65mm/155mm

高性能なのに安い|JGAURARO 3dのデスクトップ・プリンター A3

出典:www.amazon.co.jp
JGAURARO
ジャガローロ
A3
家庭用3Dプリンター

高性能なのに安いことで人気の家庭用3Dプリンター。機能性はなんと10万円クラスの機器に匹敵するといわれていて、5種類のフィラメント(素材)に対応している。

自由な造形を楽しむことができるため、安くていろいろなものを作ることができる機器を探している方にはおすすめだ。または、DIYが好きな方へのプレゼントにもピッタリの製品といえるだろう。

造形方法 熱溶解積層法式
使える樹脂 PLA樹脂/ABS樹脂/ナイロン/木材
特筆機能 5種類のフィラメントに対応
出力サイズ 200mm/200mm/180mm

印刷性能が高い|QIDI TECHNOLOGY 新世代3Dプリンター X-one2 QD3-02

出典:www.amazon.co.jp
QIDITECHNOLOGY
QIDIテクノロジー
QD3-02
家庭用3Dプリンター

印刷性能が高いことで人気を集めている家庭用3Dプリンター。組み立ての必要がないため、購入後からすぐに使用できるのは嬉しい。

手頃な価格で購入できるため、入門機として家庭用3Dプリンターの購入を考えている方にはおすすめだ。使用できるフィラメントも豊富なので、こちらの製品を使って自分がイメージするものを作ってみてはいかがだろうか?

造形方法 FDM方式
使える樹脂 ABS樹脂/PLA樹脂/PVA/HIPS
特筆機能 印刷性能が高い
出力サイズ 150mm/150mm/150mm

格安で購入するならコレ|XYZプリンティング ダヴィンチ miniMaker 3FM1XXJP00J

出典:www.amazon.co.jp
XYZプリンティング
エックスワイゼットプリンティング
3FM1XXJP00J
家庭用3Dプリンター

必要最低限の機能が搭載されていて、格安で購入できる家庭用3Dプリンター。シンプルなデザインが特徴的で、気軽に物作りを楽しみたい方におすすめされている製品だ。

操作方法も簡単なので、子供と一緒に物作りを楽しむこともできるだろう。もちろん、個人での使用にもおすすめなので、DIYを始めてみたい方はぜひこちらの製品を使って、自分がイメージするものを作ってみよう。

造形方法 熱溶解積層法式
使える樹脂 PLA樹脂
特筆機能 必要最低限の機能が搭載、格安で購入できる
出力サイズ 150mm/150mm150mm

小型サイズで置き場に困らない|スマートライフ研究所 The Micro S0046-4

出典:www.amazon.co.jp
スマートライフ研究所
スマートライフ研究所
S0046-4
家庭用3Dプリンター

小型サイズで置き場所に困らない家庭用3Dプリンター。重量も1kgと他の製品に比べてかなり軽量なので、持ち運びにも便利なところが魅力的。

また、シンプルなデザイン性が注目を集めていて、丸みを帯びた正方形に可愛らしいポップなカラーが人気となっている。物作りが好きな方にプレゼントすれば、きっと喜んでもらえる製品だろう。

造形方法 FFF方式
使える樹脂 ABS樹脂/PLA樹脂/カメレオンPLA/ナイロン樹脂
特筆機能 コンパクトサイズで置き場所に困らない
出力サイズ 113mm/109mm/116mm

メンテナンスに困らない|FLASHFORGE 3Dプリンター 700355100638

出典:www.amazon.co.jp
FLASHFORGE
フラッシュフォージ
700355100638
家庭用3Dプリンター

アフターサービスや機器の修理など、国内で対応してもらえる国産家庭用3Dプリンター。ほどんどの製品は海外でのメンテナンスとなるため、国内で対応してもらえるのは嬉しい。

また、性能も高く精度の高い造形物の作成もできるため、手の込んだ作品を作ることも可能。物作り初心者から上級者まで幅広いユーザーにおすすめされているため、興味のある方は購入を検討してみてはいかがだろうか?

造形方法 光造形式
使える樹脂 PLA樹脂
特筆機能 アウターサービスや修理を国内で対応してもらえる
出力サイズ 140mm/140mm/140mm

3Dプリンターのよくある質問

造形サイズと積層ピッチとは?

造形サイズとは、3Dプリンターを使って作ることができるものの大きさのことを示している。積層ピッチとは、造形するときに積み上げる1層あたりの樹脂の厚みを表している。よく完成品のクオリティや質感と勘違いされるが、これらは積層ピッチが関係しているというわけではない。

X/Y/Z軸回転速度・精度とは?

正確に造形するための機能で、作るものの高さや横幅、厚みを持たせるもの。一度ズレてしまうとそのまま造形されるため、失敗しないためにも正確に調整する必要がある。ちなみに、自動的に修正する機能はついていないようだ。

ヒーティッド/ベッドとは?

さまざまな素材となる樹脂を使用するための大切な機能。そのため、多様な樹脂を使用するのであれば、ヒーテッド/ベッドのある家庭用3Dプリンターの購入がおすすめだ。また、造形に失敗しづらくなるといったメリットもある。

オートキャリブレーションとは?

手動の場合は約15分の調整時間がかかるヘッドの調整を、機器が自動で行ってくれる機能だ。この調整には感覚に慣れている必要があり、初心者の場合はエラーを起こすことがある耐め、自動で正確に調整してくれるのは嬉しい機能だ。

LCD/LEDディスプレイ搭載のメリットは?

非搭載の製品よりも使い勝手が良く、機器のトラブル回避する一時停止機能や、異なるカラーの樹脂に変更することが可能。また、プリンターとしての機能を安定させるため、造形に失敗する回数を減らすことができる。

業務用大型の3Dプリンターのほうが汎用性が高い?

大型の3Dプリンターは汎用性が高いように思われがちだが、目的に合ったサイズを造形できる機器を選ぶことが大切だ。ちなみに、大型機器で大きなものを一発で造形しようとした場合、必ず反りが発せいするといわれている。

そのため、大型機器を使って1回で作るのではなく、いくつかのパーツに分けて、細かく造形した方が良いかもしれない。つまり、大型機器だから汎用性が高いという考えは、正しいとはいえないだろう。

スライスソフト(スライサー)って?

立体のデータを何層にも分けて薄く輪切りにし、使用する樹脂の量がどれくらい必要なのかを判断するソフトのこと。また、場合によってはヘッドを動かすための情報として、「G-code」というコードを作る機能を持っている。効率良く造形するためには、必要不可欠なソフトといえるだろう。

3Dプリンターでアイデアを実現するのに必要なもの/知識って?

自分のアイデアをデザインしたり造形したりするには、まずは建築データ作成に利用されるような3DCAD等、3Dモデリングができるソフトが必要。その他に、プリンター付属のソフト(CURA)などインストールすべきソフトはあるが、専門知識は必要ない。

工程としては、CADでモデリングしたデータをCURA等に読み込ませて、3Dプリンターで印刷させるという流れ。CADさえクリアできれば意外と簡単なので初心者でもできる。

まとめ

家庭用3Dプリンターは、自分が想像するものを作ることができる機器なので、世界に1つしかないオリジナルの作品を生み出すことができる。購入する際は造形の目的に合った機器を選び、作るものに合わせて素材を準備する必要があるだろう。

または、初心者の場合は、組み立て不要で操作方法が簡単な製品を選ぶのもおすすめだ。初めから高機能な製品を使用しても、上手く使えなければ意味がないので、初めて利用する方は使いやすい製品を選んでみよう。

しかし、自分が思い描くものを3Dプリンターを使って実現するためには、CADの知識が必要になる。これさえマスターすれば誰でも簡単に使用することができるので、機器を購入するのであれば、まずはCADを学んでおくと良いだろう。ぜひ家庭用3Dプリンターを使って、自分だけのオリジナル作品を作ってみてはいかがだろうか?

引用元:
最終更新日:2019/01/23