PCを自作したり、パワーアップさせたり、パーツを選べるパソコンショップで注文するならCPUクーラーを侮ってはいけません。CPUクーラーはパソコンの心臓ともいえるCPUに寄り添うパーツなのでこだわっていきましょう!そこで今回は初心者向けのCPUクーラーの選び方をご紹介します。
CPUの選び方【基本】
CPUソケットとサイズは必ず確認
CPUファンは装着するCPUと規格があってないなければならない。この相性はどうにもならないので、必ず自分のCPUと合うか確認しよう。
また、大型CPUファンは他のパーツがつけられなくなったりする可能性がある。スリムケースの場合はそもそも取り付けられない可能性もあるので、サイズもしっかり確認するべきだ。
空冷式と水冷式どちらを選ぶか
CPUの主流と言えば空冷式で、水冷式は少しマニアックな扱いとなる。水冷式の方が強力に冷えるが、システムが大掛かりになり、メンテナンスも必要となる。
よく「水冷式なら超静穏になるのでは!」と思う方がいるが、結局はラジエーターにファンが付くので、静穏性能に特化したパーツではない。
静かにしようと思えば出来るが、水冷式のメリットは強力にCPUを冷やせる事だ。
初心者におすすめなのは、空冷式。
安いし、取り付けるのも交換するのも楽。メンテナンスはエアダスターで埃を吹き飛ばせばいいだけだからだ。
エアフローを意識しよう
空冷式のエアフロータイプはトップフローとサイドフローがある。
その他、変わったタイプもあるが、初心者が手にするのはこのどちらかだろう。
トップフロー
トップフローはCPU冷却後の空気をマザーボードに吹きかけるので、マザーボードも冷やしてくれる。ただし、CPU冷却後の空気は元々暖まっているので、適切に空気を排出するように空気の流れを意識しないとPCケース内に熱がこもる。
PCケースの後方に排気ファンがあるとして、前方の方にも暖かい風がながれて停滞しやすいので、前面ファンをつけて風の流れを作ったり、工夫しよう。
サイドフロー
サイドフローはCPU冷却後の暖まった空気を、背面ファンに向けて流していく。暖まった空気を即排出するというシンプルなシステムだ。
ただし、空気を直ぐに出してしまうので、CPU以外のパーツの熱が逃げにくい。
ケースファンを増やすなどして、冷却のバランスを整えよう。
トップフローとサイドフローどっちを選べばいいの?
正直言うと、トップフローとサイドフローどちらがいいかは好みの問題となる部分が大きい。
ただ、トップフローの方が種類が多く、小型サイズも豊富にあるので、どんなケースにも合わせやすい。
性能云々は別として、CPUクーラーが大きいとケースに干渉したり、他のパーツがつけられなくなったりするので、小型のトップフローのほうが気が楽かもしれない。
また、どんなに高性能なCPUクーラーでも結局はCPUのためのものなので、背面ファン(排気ファン)は絶対として、前面ファンもあるに越した事は無い。
CPUクーラーおすすめランキング
サイズ 超天 SCCT-1000
存在感のある中型クラスのトップフローCPUクーラー。サイドフロー型で人気の高い虎徹のトップフローバージョンとして知られる。
ファンをフル回転させても静かなのに、熱がよく逃げてしっかり冷え、PCゲーマーも満足の高品質なクーラーと言える。
サイズ 虎徹 MarkII SCKTT-2000
サイドフロー型のよく冷えるCPUクーラー。サイドフローの中では小柄な方で、他のパーツと干渉しにくい。
前バージョンから高評価だったが、こちらのバージョンになって取り付けやすさが抜群にあがったので、初心者も安心。
アイネックス [ Intel&AMD用 ] 薄型CPUクーラー CC-02
高さのない薄いCPUクーラー。スリムなPCでも搭載しやすく、静穏性と冷却性能も良いので全体的にバランスが良い。
ただし薄い分、横幅が大きいので、他のパーツと干渉しないかサイズを測ろう。
サイズ 侍ZZ リビジョンB SCSMZ-2100
そこそこ小型で静かなのにかなり冷える頼もしいトップフローのCPUクーラー。
INTEL純正のファンよりヒートシンク(ハーモニカ状の部分)が大きいので、熱がよく逃げる。
クーラーマスター Vortex 211Q
CPUケースやCPUファンなどを多数販売する大手メーカー「CoolerMaster 」のトップフローCPUクーラー。
リテールクーラー(INTEL純正)と似たようなサイズ感&取り付け方法だが、リテールより確実にパワーアップさせられる。
静かで良く冷えて、サイズ感も手ごろ。
意外と重要!しっておきたいCPUクーラー知識
ヒートシンク(放熱フィン)の材質
ヒートシンク(放熱フィン)はファンとCPUの間にあるハーモニカ状の金属部品の事を言う。
アルミ製と銅製のものがあり、銅の方が熱伝導率が良いがとても重い。
全銅、アルミと銅のハイブリット、すべてアルミなどあるが、全銅は重過ぎるので、ハイブリットタイプやアルミ製がポピュラー。
CPUファンは交換できる
殆どのCPUクーラーは、8cmか10cmのファンが付いている。そして基本的にこのファンは簡単に交換できる。
静穏性の高いファンにすれば静かになるし、高速回転するファンにすれば良く冷える。
ただし、あまりに静穏重視のファンだとパワーが足りない可能性があるので、むやみに純正のファンよりパワーの無いファンにすることはおすすめできない。
エアフローを前方下から後方上に
空気は暖かいほど上に行く。そのため排気ファンはなるべく上の方が良い。たいして冷たい空気は下にいくので、吸気ファンは下の方が良い。
また、背面に排気ファンをつけるのが鉄則なので、PCケースにおいて前方下から冷たい空気を吸い込み、後方上から暖かい空気が逃げていくようなイメージが基本となるだろう。
ちなみにファンの中で最も埃がたまるのは前面の吸気ファン。吸い込むためのファンなので近くの埃をドンドン吸い取ってしまうため、定期的に掃除しよう。
CPUクーラーのお掃除
CPUクーラーのフィンを直接ゴシゴシと拭いたりするのはご法度。PCの心臓部に直結しているパーツなので下手に負荷をかけると壊れれしまう。
CPUファンのお手入れは、「汚れを拭く」というより「埃の除去」なので、エアダスターで吹き飛ばしてしまえば良い。
CPUグリスにもこだわりを
CPUクーラーとCPUの間にぬるCPUグリスは、CPUからCPUに熱を逃がすための伝導率を大きく左右する。
新品のCPUクーラーには通常はグリスが付属しているので、あえて買う必要はないが、最初からより良い物に変えてしまう手もある。
CPUグリスをケチると、折角こだわったCPUファンの性能を100%発揮できない可能性があるので、どうせ変えるなら質のいいものを選んだ方が良い。
シリコンやセラミック、シルバーなど色々あるが、初心者におすすめなのはシルバーグリス。
熱伝導率が非常によく高性能な上、塗りやすいので失敗がすくない。
ただしシルバーグリスはCPUグリスのなかでも高級品なので、値段が少々お高い。
シルバーグリスが難しいなら、高性能なCPUグリスやナノグリス(ナノパウダー入りのシリコングリス)などでもよい。
ちなみに塗りやすさを決めるのはグリスの粘度。泥みたいに硬そうなのは、高性能だとしても塗りにくいのでベテラン向き。