レグザなどレコーダーやテレビ、PS4やXboxといったゲーム機、そしてPC向けと様々な外付けHDDが販売されていますが、中でも容量に対して低価格のコスパが良いおすすめの製品をご紹介します。ポータブル機や据え置き、ネットワーク接続機それぞれ取り上げおり、選び方まで解説しているので参考にしてみてください。
外付けHDDの選び方
タイプで選ぶ
外付けHDDには主に3つのタイプがある。
タイプ | 特徴 |
---|---|
ポータブル (USB接続) |
持ち運びに特化した利便性の高いタイプ。 USBバスパワー駆動が普通。 据え置きより読み書き速度が遅い。 耐衝撃性が高い代わりに割高。 |
据え置き (USB接続) |
容量と速度重視で家庭・オフィス用。 動かしづらいデメリットがある。 テレビやデータバックアップに向く。 |
据え置き (ネットワーク接続) |
USBでなくLAN接続するタイプ。 最も安全なデータ保存手段であり、最も利便性が高い。 複数人でデータ共有できるのが大きなメリット。 Wi-Fiで接続することも可能だ。 USB抜去でデータが飛ぶという心配もない。 |
おすすめはUSB接続のどちらか
上述のNASのメリットを活かすには、基本的にはNASキットと複数のHDDを買って自分でNASを構築しなければならない。
まず構築済みNASの多くは転送速度が非常に遅く、シングルHDDであるため安全なデータ保存はできない(例外はある)。
NASに詳しくない方は、USB接続タイプを選ぼう。
ポータブルにするか据え置きにするかは求める容量によって変わってくる。
容量で選ぶ
下表に主な用途毎の目安容量をまとめたので、これを参考に容量を決めてみよう。
目安 | 500GB | 1TB | 2TB | 4TB |
---|---|---|---|---|
写真RAWデータ 2000万画素 [25MB/枚] |
2万枚 | 4万枚 | 8万枚 | 16万枚 |
動画データ 1920×1080画素 [15Mbps] |
9.25時間 | 18.5時間 | 37時間 | 74時間 |
ハイレゾ音源 24bit/192kHz [5分/曲]350MB |
1428曲 | 2857曲 | 5714曲 | 11428曲 |
おすすめは1TBのポータブル
最近のノートPCは250GBや500GBといった以前より大容量のHDDを搭載しているのが普通になった。
それでも足りなくなって外付けHDDが必要になる様な方なら最低でも1TBは確保しておいた方がよい。500GBだとすぐに一杯になってしまう。
また基本的に容量が増えるほどポータブルは割高になる。
しかし1TB程度だと据え置きとポータブルの金額差が余り大きくないため、ポータブルを選んだ方が利便性も高くメリットを享受できる。大容量を得意とする据え置きも1TB程度だとあまりメリットを発揮しない。
機能性に注目
転送速度
現在外付けHDDで使われるUSB端子には実は2つのバージョンがある。
1つは昔から普及しているUSB2.0。もう1つは新バージョンのUSB3.0。
後者はデスクトップPCなどではUSB端子が青色になっており区別されている。
USB3.0になったことでこれまでの最大転送速度480Mbpsから、10倍の5Gbpsまで進化している。これはDVDを1秒で転送できる速さだ。
最近のパソコンならUSB3.0対応しているものが多いので、確認の上外付けHDDもUSB3.0対応モデルを選ぼう。
テレビ対応
通常、著作権保護のため外付けHDDはPCとテレビで兼用できず、さらに録画したテレビでしかそのHDDは使えなくなる。
これでは非常に不便なので複数のテレビでもデータを共有できる仕組みが策定されている。
USB接続HDDならSeeQVaultに対応していると、同じく対応しているテレビならどれでも録画を再生することができる。
NASであればDTCP-IPに対応していると、同様に他のテレビで観れたりBlu-rayに焼くことが可能になる。
テレビ用に転用する可能性があるならSeeQVault対応を条件に加えよう。なおテレビ用HDDを探している場合は次のエントリーも参考にしてみてほしい。
- テレビやレコーダーで録画を行う際、容量不足で困ったことはありませんか?そんなとき外付けHDDがあると便利です。そこで選び方、使い方などのよくある質問まで丁寧に解説しながら、おすすめの製品をご紹介します。PC用とはまた違い...
おすすめの外付けHDD
I-O DATA カクうす HDPX-UTC1K
ロングセラーのカクうすシリーズの最新モデル。
USB Type-C ケーブルも含まれており、新型Macbookユーザーは変換なしで使うことができる。またMacユーザーであれば無料のHDD暗号化ソフトも利用可能だ。
美しいマットな質感の薄型アルミボディで、ウルトラブックなどにぴったりのデザイン。本当に薄くて軽いので筆者は本製品を愛用している。ただしLEDは少々明るい。
BUFFALO ミニステーション HD-PLF1.0U3-BB
肌触りの良い質感と、ロゴを主張しないスタイリッシュなメッシュデザインで人気のBUFFALOのHDD。
カクうすよりは2mmほど厚く14mmだが、それでも十分薄型。
大手メーカー製品としては破格のコスパであり、男女兼用デザインなので女性にもおすすめ。
WesternDigital WDBYFT0040BOR-WESN
国内でも随一のシェアをもつWesternDigital社なので安心の品質のHDD。暗号化やパスワードロック機能も好評価。
カラーバリエーションも豊富で個性的な1台を持ちたい方にもおすすめ。1TBから展開があるので容量よりデザインに惹かれる方も要チェック。
BUFFALO HD-PSF4.0U3-GB/N
ポータブルの場合はセキュリティだけでなく物理ダメージからの保護も気になってくる。4TBもの大容量となると尚更だ。
そんなときは耐衝撃性に重点が置かれた本機がおすすめ。
暗号化やパスワードロックにも対応しているので、大事なデータを持ち運ぶのにぴったりだ。
Transcend TS2TSJ25M3E
大手HDDメーカートランセンドの、米軍軍事水準の落下テストにクリアーした高性能な耐衝撃HDD。
持ち運んでの現場仕事などが多い方には非常におすすめの製品。
TOSHIBA CANVIO BASICS
TOSHIBA純正で、同社のREGZA(レグザ)との親和性の高い製品。
もちろん他のテレビでも利用可能だ。
テレビ用ポータブルを探している方には、コストも安くておすすめ。
I-O DATA EX-HD2CZ
録画用途を考えている方におすすめの、動作確認済テレビの多い据え置きHDD。
LEDランプがなく視聴を妨げない洗練されたデザインが魅力的。
PC用HDDとしても勿論おすすめ。
WesternDigital WDBWLG0020HBK-JESN
公式にXBoxOneをサポートする外付けHDD。
ゲーム機だけでなくTV録画にも対応している。
シンプルな縦置きなのでPC用途でも邪魔にならない。
Logitech LHD-ENA010U3WS
WesternDigital社のHDDを採用し、その他製造は日本国内で行っている安心の国産製品。
本シリーズは1TB〜6TBまで展開があり、幅広いニーズに応えてくれる。
ファンレスの静音設計なので、寝室での利用などにもおすすめ。
BUFFALO HD-LC2.0U3/N
圧倒的人気を誇るBUFFALOの据え置きHDD。
コスパも良く、コンパクトでデザイン性も良いのでインテリアに映える。
Seagate SGD-NX020UBK
世界的シェアを誇るSeagateの据え置きHDD。
テレビ録画対応など機能性もさることながら、破格のコスパが最大の特長だ。
コストを抑えたい方には一番おすすめの据え置き製品。
ELECOM ELD-XED020UBK
WEB限定化してコストを抑えたELECOMの格安HDD。
nasne(ナスネ)やWii U、多数のテレビと動作確認済み。
I-O DATA HDL2-AA2
構築済みNASの中では人気の高いモデル。
NASキットの方がおすすめだが、どうしてもNASが良いが自信がないという方は、こうしたHDD内蔵モデルを選ぶのもいいだろう。
デュアルコアCPU搭載で116MB/sの転送速度なのでホームNASとしては十分なスペック。
I-O DATA AVHD-AUTB
テレビ用に最適な24時間連続録画に対応したAV機器向け外付けHDD。
パナソニック 「ディーガ」に搭載されているハードディスクと同等品を採用し、高い信頼性をもつ。
デザイン性も高く、テレビラックに置いてもインテリアを乱さない。
WesternDigital My Book Duo
6TB〜20TBまでのラインナップを揃えたシリーズ。
HDDは同社のRedシリーズを使用しており、耐久度も抜群だ。
それでも万一のHDD故障に備えてRAIDも組めるので安心。
USB 3.1 Gen 1に対応し、Type-C端子をデフォルトで装備している。次世代機器で高速にファイルバックアップを行いたい方には有力候補。
よくある質問
耐衝撃は必要?
ある程度の高さからの落下テストを繰り返しているものがあるならそれが望ましい。
というのも本来HDDは非常に衝撃に弱いものだからだ。昔のHDDなら片側を1cm程度持ち上げて落とすだけで壊れていた。
実はHDD内部では非常に細い針(ヘッド)が磁気ディスクを高速で読み書きしているのだが、その隙間はタバコの煙の粒子よりも狭い。
耐衝撃技術が高くなって意識しないようになったが、本来非常に繊細な機器なのでポータブルの場合は特に衝撃を与えないように注意して使ってほしい。
フォーマットって?
HDD上のファイルを読み書きする際、PCは「ファイルシステム」というルールに基づいて操作を実行する。
世界で共通のファイルシステムを使うことで、同じようにファイルを扱い管理できるようになっている。
時代とともにファイル容量の増加やセキュリティ強化の需要が高まり、ファイルシステムも様々なものが登場しており、代表的なものではNTFS、FAT32、exFATなどがある。
外付けHDDのスペック表にフォーマットが記載されているのはこれの事で、どのファイルシステムにフォーマット(初期化)されて出荷されているかを意味している。
手持ちのPCがそのファイルシステムに対応していなくても、PC側で好きなファイルシステムに再フォーマットできるので特に心配は要らない。
回転速度?
HDDの読み書き速度を決めるのは実はUSBのバージョンだけではない。HDDの回転速度も重要な要素だ。
HDDは円盤なので回転が速いほど多くの情報を読み書きできる。回転数は1分当たりの回転数を示したrpmという単位で表現される。
一般的には2.5インチHDD(ポータブルHDD)だと5,400rpm、3.5インチHDD(据え置きHDD)だと7,200rpm程度が普通だ。
中には10,000rpmを超える製品もある。
回転数の観点から、基本的に据え置き機の方が速度面は有利になる。
寿命がある?
ハードディスクは機械なのでいつかは壊れる。
ハードウェア界では機械がどれくらいで壊れるかを示す値として、MTBF(平均故障間隔)を利用する。
これは システムの稼働時間 / 故障回数 で算出される値だ。要するに1回壊れるのに何時間かかるか、ということ。
だいたいHDDのMTBFは1万時間程度とされており、これは1日8時間使ったとして3年半動く計算になる。
あくまで平均であり目安でしかないので、1年で壊れることもあれば5,6年持つこともあるだろう。
テレビ録画など24時間耐久で使用するときは特にこの寿命―MTBFを意識するとよい。
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最後に
どんどんHDDの価格は下がっており以前よりも入手しやすくなった反面、動画や音楽のデータ容量は増す一方で、まだノートPCやゲーム機内蔵HDDがそれに追いついておらず、すぐ容量の上限に達してしまいがちだ。
特に、高速起動のためにPC本体にはSSDを採用することが主流となっているのもその要因のひとつだ。
PCの速度を落とさないためにも、利用頻度の低いデータは外付けHDDに保存していくのが最も時代にあったスタイルだろう。(クラウドという手もあるが)
そうした背景から今日必要不可欠とも言える外付けHDDを選ぶにあたって、本記事が参考になれば幸いだ。