BOSEやソニーなど有名ブランドから高音質なワイヤレスイヤホンが次々と登場し、ランニング等スポーツ向け防水対応やサラウンド対応、マイク通話対応と高機能化が進んでいます。その中から人気のおすすめ機種をご紹介し、選び方や使い方を徹底解説します。
目次
Bluetoothイヤホン最新ニュース
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ワイヤレスイヤホンとは?
国際標準の近距離無線通信規格であるBluetoothや、ライセンスフリーの2.4GHz帯の電波などを利用した無線通信によってデジタル音声データを送受信する、ケーブル接続を必要としないイヤホンのことだ。
昔は赤外線やアナログ通信のレシーバーを使うものもあったが、今日ではBluetoothを採用しているものが殆どだ。多くはバッテリーを内蔵しており外部電源も必要としない。
ワイヤレスイヤホンのメリット
ワイヤレスによる一番のメリットはケーブルからの解放だが、具体的に次のようなメリットが挙げられるだろう。
- 電車などでケーブルが絡んだり抜け落ちて困ることがなくなる
- 複数の機器と接続し、切り替えることも容易
- カバンにプレーヤーをしまったままでよい
- タブレットなど大型デバイスでもプレーヤーとして使いやすい
- イヤホン端子の廃止されたiPhone7でも使える
- オーディオ機器の前からリスニングを中断せず自由に移動できる
- 手を使わずに通話ができる
おすすめのワイヤレスイヤホン
第1位:EARIN M-1
クラウドファンディングKickstarterで製品化に至り、世界で初めて完全ワイヤレスイヤホンをリリースしたEARIN。
デザイン界におけるオスカー賞とも称され、世界的に最も権威のあるデザイン賞の1つ「iFデザインアワード」や、「VGP」を受賞した革新的なデザインのプロダクトだ。
見た目だけでなくAACやapt-Xこーでっく対応と音質面も抜かりがない。音色はバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバー採用で繊細だ。
専用のカプセルが付属しているが、これはバッテリーを内蔵しており充電器も兼ねている。イヤホン自体の再生時間は最大3時間だが、カプセルに収納することだけで充電できる。
世界に認められたイヤホンを身に着けてシンプリストを極めよう。
第2位:Sol Republic SHADOW WIRELESS
ネックバンド型で圧倒的人気を誇るSolRepublicのベストセラーモデル。
かのMonsterCable社創始者の息子であるケビン・リーが設立したSol Republic。
タイトでキレのあるサウンド、そして優れたデザインが特長だ。
apt-Xコーデックに対応しており、カラーバリエーションも豊富。
これからネックバンド型Bluetoothイヤホンを導入したい方は、確かな音質とデザインの本機を手にしてみてはいかがだろうか。
第3位:Bang&Olufsen BeoPlay H5
名門B&OのBluetoothイヤホンだ。
ボディ背面にはマグネットを内蔵しており、使用しないときはくっつけると自動で電源オフとなる。
B&Oらしい美しく洗練されたデザイン、そしてギミックが特長だ。
aptX/AACコーデックに対応し、優れた定位感、クリアさが魅力的な高音質サウンドを実現している。
B&Oのこだわりある本機はより豊かなライフスタイルを提供してくれるだろう。
第4位:JBL EVEREST ELITE 100
老舗オーディオブランドJBLスピーカーの銘機「エベレスト」の名を冠する、同社Bluetoothイヤホンのフラグシップモデルだ。
ワイヤレスとは思えない程のクリアで解像度の高い音質が特長で、同社の培ってきた音響技術が詰め込まれている。
専用アプリをインストールすれば、ノイズキャンセリングの操作や周辺音の聴こえやすさの調整、イコライジングなど自分好みの使い心地にアレンジできる。
スタイリッシュなデザインで装着感も良い。
第5位:SONY MDR-EX750BT
ソニーの高音質通話が可能なワイヤレスイヤホン。
通話時は、エコーキャンセレーションとノイズサプレッション、そしてさらに通常より広い帯域での通話を可能にする高音質化技術「HD Voice」を搭載しているため、周囲に騒音があっても快適な通話が可能だ。
音楽再生時のノイズキャンセリングは搭載していないので注意されたい。
ソニー独自規格のハイレゾ相当コーデックLDACにも対応しているので、対応デバイスであればBluetoothでもハイレゾ相当のリスニングが可能。
見た目より軽い装着感で、すっきとしたデザイン性。もちろん音質はソニーブランドらしいクリアサウンド。
音楽も通話も高品質に楽しめる愛機を探している方におすすめしたい。
第6位:BOSE QuietControl 30
BOSE発のノイズキャンセリングイヤホン。VGP2017で金賞受賞のプロダクトだ。
高いノイズキャンセリング効果と、BOSEらしいダイナミックなサウンドが特長で、ボーカルサウンドの伸びも優れており、ポップスなどの再生には最高だ。
ノイズキャンセリングはスマホのアプリから12段階で調整可能であり、自宅や通勤時などシーンに合わせて変えられる。
第7位:Skullcandy INK’D WIRELESS
全米No.1の売上を誇る「INK’D」シリーズのワイヤレスモデル。
ボーカルの抜け感が良く音圧感もあるのでロックサウンドがよく活きる。
軽量で小型ながら8時間の連続再生が可能な点が嬉しい。
そしてネックバンドは柔らかい素材で出来ており、丸めてポケットに入る。
これまでネックバンド式の収納に困っていた方を含めて、あらゆる方にストレスフリーで高音質なリスニング環境をもたらしてくれる。安価でコストパフォーマンスが良い点も評価したい。
第8位:JBL REFLECT MINI
老舗オーディオブランドJBLのスポーツ向けイヤホン。
Bluetooth接続で連続再生時間が8時間という安心の長さ。
それだけで優れたコストパフォーマンスを有していると言える。
さらに重量が約14gと、ワイヤレスイヤホンとしては圧倒的な軽量さを誇っている。
電池切れや重さを気にすることなく、集中してスポーツに取り組むことが出来るだろう。
IPX4準拠なので汗をかいても問題ない。
ケーブルは、ランニングなど屋外利用者には嬉しい反射材を利用しており、暗い中での視認性確保に役立つ。
もちろん、音質についてもこだわっており、ドライバーは5.8mmと広径で力強いサウンドを感じられる。
第9位:ELECOM LBT-HPC50MP
apt-X/AACコーデックに対応し、左右別々に電源を内蔵し、それぞれの音響条件を統一したことで定位・音像の正確性、音場の広がりを図っており、同社の工夫が凝らされている。
第10位:GLIDiC Sound Air WS-3000
小型で軽量なクリップ型のレシーバーを用いた、Bluetoothイヤホン。コントローラも兼ねているので操作性も高い。
低価格帯でBluetoothエントリーユーザーに最適だろう。手持ちのイヤホンを接続しても楽しめるはずだ。
番外編:audio-technica ATH-DWL3300
イヤホンなのに、しかもワイヤレスでサラウンドサラウンドを実現したATH-DWL3300を紹介したい。
本機は専用のデコーダー設置とレシーバーが必要だが、宅内でワイヤレスサラウンドシステムが手に入る。
メガネや3Dメガネ、VRヘッドマウントディスプレイを装着した状態での利用に適しており、視覚だけでなく音響も立体的に捉えられる。
またどんな体制でもヘッドホンがずれることはないので、深いソファ・クッションに頭部を沈めても問題ない。
テレビやホームシアターで映画やライブ映像など鑑賞する方は、サラウンド対応という選択をしてみてはいかがだろうか。
ワイヤレスイヤホンの選び方
通信方式は?
ワイヤレスイヤホンの主流はBluetooth通信だが、別の2.4GHz帯通信を利用したものもある。
古くは専用レシーバーを必要とする後者が多かったが、小型化が難しい機構・機能を搭載したイヤホンはその方式を採用しているものがある。
汎用性が高いのはBluetoothだが、外せない特殊要件があるならBluetooth以外も選択に入れてみるとよいだろう。
必要な機能は?
自身の利用シーンを想定して、どのような機能が必要か考え、優先度をつけてみよう。
防水機能
軽いジョギングからランニング、さらにはスイミングなどスポーツシーンでは汗や雨など水滴がつきもの。
水滴や洗浄が必要となる場合は防水仕様のモデルを選ぼう。
製品のスペックを確認し、防塵防水の国際標準規格「IP」コードの記載から防水性能を判断することができる。
「IP56」などの表記で表されるが、「IPX6」といった様に始めの数字にXが表示されているものは防塵検査はされていないものとなる。
最低でも、汗や水しぶきに耐えるIPX4以上のものを選んでおくと安心だ。
完全に水に浸かる可能性のある方は、迷わずIPX8準拠のモデルを選ぼう。
保護等級 | 内容 |
---|---|
IPX0 | 特に保護がされていない |
IPX1 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) |
IPX2 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) |
IPX3 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) |
IPX4 | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) |
IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
IPX7 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
▲ 出典:Wikipedia
通話機能・コントローラ
通常ヘッドホン接続中に電話がかかってくると、自分はスマホのマイク部を口に近づけ語りかけなければいけない。
この事態を防ぐためには、内蔵マイクを搭載しておりハンズフリー通話対応のものを選ぶ便利だ。その際、簡単に音楽再生と通話機能を切り替えられるか確認しておこう。
また、通話を行いたい場合は、CSR社の規格であるCVC6.0(ClearVoiceCapture6.0)*というエコーキャンセル規格に準拠しているものを選ぶと安心だ。
*6.0は執筆時点で最新バージョン
通話におけるノイズキャンセリングだが、これは一般に言われるノイズキャンセルとは異なる。
自分の発した声が、相手方のマイクで拾われ、自分のスピーカーに返ってきて反響する現象を「音響エコー」と呼ぶ。通話を前提としたマイク付きイヤホンにおいては、ノイズキャンセリングの中でもこれを防ぐためのエコーキャンセル機能を搭載しているものが望ましい。
通話性能を確認する場合は、エコーキャンセル機能搭載の表記をチェックするか、CVC6.0準拠の表記をチェックすると良いだろう。
なおCVC6.0の主な機能は次の通りだ。
- 自動音量制御
- 送受信イコライザー
- ノイズ快適化
- ハウリング制御
- 非線形処理
- 音声適応イコライザー
- 省電力機能
- 補助ミキシング
- 周波数強化による音声明瞭化
ノイズキャンセリング機能
ノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスイヤホンも最近では存在する。
ただ、ノイズキャンセリング機能は、専用にプロセッサーが必要となるためイヤホン内部にはその機構が収まらない。
ネックバンドの一部であったり、ペンダントとしてなど、イヤホン外部にノイズキャンセリング機構を搭載し、重量も増すので、すっきりとした見た目や軽量さを求めるならトレードオフとなるだろう。
サラウンド対応
5.1ch、7.1chなどサラウンドサウンドをイヤホンでも体感したいというニーズもあるだろう。
数は非常に少ないが、サラウンド音声データのデコーダーとイヤホン間を無線にした機器もある。
デコーダーの設置が不便でなければ選択肢に含めて良いだろう。
イヤホンは少ないがヘッドホンは幾つかサラウンド対応モデルが出ているので別記事「有線型からワイヤレス型まで。おすすめのサラウンドヘッドホン8選」の紹介内容も参考にされたい。
音質は求める?
Bluetoothのコーデック
Bluetoothを利用するワイヤレスイヤホンの場合は「コーデック」を確認しよう。
親機であるPCやスマホから、子機であるイヤホンへBluetoothでデータを転送する際、データの圧縮が行われている。
その圧縮方式をコーデックと呼び、コーデックによって圧縮率・遅延時間が異なり、標準のSBCは圧縮率も高く音質が悪い。
どんなに子機側で高音質コーデックに対応していても、親機側が準拠していなければ使用できないので、しっかりと親機のスペックも再確認しよう。
最近はapt-X HDというハイレゾ相当音質のコーデック対応機器が増えている。できるだけ高音質のものを選ぼう。(apt-X HDは大衆向けDAP・スマホでは普及率が低い)
コーデック | 内容 |
---|---|
AAC | iTunesでお馴染みの高音質圧縮方式。Apple社製品は勿論全て対応している。Apple以外でも対応している機器は多い。 |
apt-X | CD音源に近い音質での転送が可能なコーデック。英CSR社開発。 |
apt-X HD | apt-Xのハイレゾ対応版。英CSRが新開発。対応機器が増えつつある。 |
LDAC | 96kHz/24bitのハイレゾ音源対応。ソニーが開発し、ソニー機器同士限定の規格。 |
SBC | Bluetoothの規格上で必須項目なので、全ての機器に対応しているが、圧縮率が高く音質は悪い。 |
▲ Bluetooth対応コーデック一覧
どんなスタイルで使う?
ネックバンド型
現在ワイヤレスイヤホンで主流の型式だろう。
ヘッドホンやヘッドバンド型と違い髪型が崩れる心配もない。
またケーブルを首の後ろに回すので、通常のイヤホンのように絡まる心配も少ない。
優れた装着感なのだが、バッテリーやコントローラ、マイクがどこに搭載されているかによって重さのかかり方やバランスが変わってくるので、購入時はその点も確認しておこう。
スポーツ型
スポーツシーンでの利用を想定している方は、スポーツ向けに最適化されたモデルを選択しよう。
多くは防水防汗仕様であったり軽量設計、そしてネックバンドもしくはヘッドバンド形式で激しい運動時もしっかりとホールドするデザインとなっている。
安全のためにあえてインイヤー開放型設計になっているモデルも多く、この点でも、主流であるカナル型を採用している通常ユースのイヤホンよりおすすめだ。
スポーツ特化のワイヤレスイヤホンは別記事「ランニングなどスポーツにおすすめのBluetoothイヤホンをご紹介」でも紹介しているので参考にされたい。
完全ワイヤレス型
一切のケーブルから解放されたいコードレス派の方におすすめだ。
ワイヤレスイヤホンの中では最小の型となり、小型設計を優先する方にも最適。
最近では有名ブランドからも製品が登場してきており、音質や機能面でも他の型に引けを取らない。
ペンダント型
無線通信用のレシーバーとイヤホンが別々となった、初期から存在する型式だ。
多くはレシーバーにバッテリーやコントローラー、アンプなどを内蔵しており、有線のイヤホンを接続して使う。
有線イヤホンは大抵は取り外し可能なので、手持ちのお気に入りの有線イヤホンを使うこともできるというメリットがある。
ペンダントとケーブルが邪魔になるデメリットはあるが、好きなイヤホンをワイヤレス化できるメリットも大きい。
バッテリーの仕様は?
連続再生時間
宅内でも外でも頻繁に充電が必要となるとストレスになる。
重量とのトレードオフになるが、バッテリー容量の多いものは音圧も高く長時間再生できるので、自身の利用時間をイメージしてスペックを確認しておこう。
bluetooth4.0対応イヤホンで省電力化を謳っているものも在るが、再生時間には殆ど影響していないので気にする必要はない。
充電時間
外ではなかなか電源を確保できない場合が多いので、急速に充電できると嬉しい。宅内でも電池切れの際に、リスニングを中断しているストレスを軽減するにも充電時間は短い方がよい。
充電方法
ワイヤレスイヤホンは、その形状によって様々な充電方法がある。
microUSBケーブルで接続して充電するものや、専用のドックに設置してワイヤレス充電できるもの、または小型のものはケース兼充電ドックに収納することで充電を行うものなどがある。
充電しながらでもリスニングしたい方は、ケーブル形式がおすすめだが、一度の使用時間があまり長くない方はドック式のものが便利だ。
イヤホンの構造に注目してみよう
イヤホン形状はどれがいい?
耳の穴に引っ掛けるタイプをインナーイヤー型、イヤーピース(イヤーチップ)を耳の穴に挿し込むタイプをカナル型と呼ぶ。
スポーツシーンなど遮音性が事故につながる場合、閉塞感を感じ耳が疲れる場合など装着感を優先する場合はインナーイヤー型が良いだろう。
低音を求めるなら遮音性に長けたカナル型がおすすめだ。
カナル型にイヤホンがずれにくいという特性もあるが、それでもスポーツ時など気になる場合は、SHURE(シュア)掛けという耳かけ方式があり、ケーブルを耳の後ろに回して引っ掛ける付け方をするため外れにくい。
なおゴム・シリコン製チップのサイズが合わず、耳の疲れを感じる方は、同じく遮音性の高い、低反発素材のイヤーチップも試してみると良いだろう。
低反発ポリウレタン製のイヤーチップ。
サイズが合わないという課題を解決するだけでなく、完璧なフィット感でこれまで聴こえなかった音が聴こえるようになり、低音も一層響くという音質面での効果も高い、一度使うとやめられないプロダクト。
密閉型か開放型どちらにする?
再生部位の背面に穴が開いている(iPhone純正イヤホンなど)は開放型だ。逆に閉じているものは密閉型だ。
音を外部に放出する開放型は閉塞感がなく自然な音の広がりを楽しめる。中高域の音場感を優先するなら開放型は良い選択だろう。
ただ反響を利用して低音を響かせることができず、ヘッドホンと異なりドライバ口径で補うこともできないため、低音を求める場合は密閉型を選ぼう。音漏れが少なく屋外での利用にも適す。
ドライバーの構造は?
ドライバーには幾つか駆動方式があり、代表的なものとして「ダイナミック型」「バランスドアーマチュア型(BA型)」「コンデンサ型」と3つのタイプがある。
駆動方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ダイナミック型 |
|
|
バランス度・アーマチュア型(BA型) |
|
|
コンデンサー型 |
|
|
▲ 各駆動方式のメリット・デメリット
イヤホンの場合は出力の制約があるため基本的にダイナミック型かBA型となる。
ドライバーとは音を出す機構のことだ。
帯域ごとにドライバーを分けてワイドな帯域を持たせている製品もある。
BA型イヤホンは特に低音域の弱点を補うために複数ドライバーを設けることが多い。
分け方としては主に、高域と低域の「2ウェイ」、高域と中域と低域の「3ウェイ」がある。全く世界が変わるのでBA型はマルチドライバーを選ぶことをおすすめする。多いものでは6ドライバー搭載のものもあり、定位感や音像の表現力の劇的変化を味わうことができる。
ドライバー構造が複雑化するほど値段が高くなり、音色の多様性も増す傾向にあるので予算と相談されたい。多くの場合はダイナミック型の選択になるはずだ。
ワイヤレスイヤホンの注意点
電波干渉を受ける
Bluetoothや2.4GHz通信のイヤホンは同じ2.4GHz帯の通信帯域を利用して接続する。
2.4GHz帯はライセンスフリーの国際標準帯域なので、電子レンジなどこの帯域を利用する機器が溢れかえっており、これはWi-Fiにおいても現在最も使われている。
同じ周波数帯を使う限り電波干渉は確実に引き起こされ、そそのノイズによりデータロスが発生するので音質は劣化する。
そのためワイヤレスイヤホンを使う際は、できるだけ干渉源のの少ない所で使用することが望ましい。なかなか機器同士が繋がらない場合、電波が密集している可能性もある。
なお携帯電話のキャリア通信は1GHz以下を利用しており干渉に影響しないので安心されたい。
距離の制限がある
ワイヤレスでデータ通信を行う状態は互いに通信可能な距離に位置しており、間に防電磁性の遮蔽物が存在しないことが条件となる。
Bluetoothの場合は一般的には離れたとしても10m以内が再生圏内だと考えておこう。classによって変化はあるが、近距離無線通信規格に長距離を期待するのは間違っている。
Bluetoothのバージョンの真実
Bluetoothバージョンが高いほど高性能で、下位互換性があるという情報を見かけるが、それは全くと嘘であるので注意されたい。
Bluetooth4.0は、それまでの3.0とは別モノで下位互換性はない。
Bluetooth4.0のBLE(BluetoothLowEnergy)仕様は省電力通信を実現しているが、これはBLE対応機器同士での話だ。なお通信帯域が狭く高音質コーデックの伝送は非現実的。実際はデュアルモードといって下位バージョンを一緒に組み込んで動作させているだけである。
つまりあまりバージョンを気にする必要はないので、高ければ良いという情報を鵜呑みにしないよう注意されたい。
ワイヤレスイヤホンの使い方・接続方法
独自の2.4GHz帯通信を行うモデルは、それぞれ固有の操作方法があるが、自動接続のものからボタンによる相互認識を必要とするもの様々だ。
ここでは主流であるBluetoothタイプのイヤホンについて接続方法を解説したい。
Bluetoothは「ペアリング」と言って、スマホやPCとイヤホンを互いに認識し無線接続してからでないと利用できない。
Bluetoothヘッドホン側に搭載されてるBluetoothペアリング用のボタン(多くの場合はボタン形式だ)を押すと、スマホやPC側でヘッドホンを認識できるようになる。
iPhoneでは次のように行う。
▲ Bluetooth接続画面
①のボタンをタップしiPhone上のBluetoothをオンにする。
②の欄にヘッドホン名が表示されるので名前をタップすると接続状態に移行する。(ここではオーディオテクニカのヘッドホンに接続を行おうとしている)
万が一接続できない場合は、Bluetoothが正しくオンになっていない、またはヘッドホン側でペアリング動作が正しく起動していない(ペアリング状態をLEDで知らせてくれるモデルも多い)、そして電波があまりにも混雑している若しくは遮蔽物があるという可能性がある。
稀に充電状態ではペアリングをしなかったり、有線接続時はペアリングしないという仕様のものもあるので、接続状態も見直してみよう。
最後に
いかがだろうか。今日ワイヤレスイヤホンは星の数ほど製品が存在、どれを選んでよいか迷ってしまいがちだ。
ここで紹介した製品や選び方が、自身の選定条件を整理し、製品を比較検討するための参考となれば幸いだ。
これを機会にぜひお気に入りのワイヤレスイヤホンを見つけて、ケーブルから解放されたストレスフリーなリスニング環境を手に入れてほしい。