防水スピーカーは、ケーブル接続に向かずBluetoothによるワイヤレス型が主流です。ソニーやBOSEなど大手ブランドもウォークマンやスマホ対応の高音質機種を生産しており流通製品は多種多様です。今回はその選び方とおすすめ機種をご紹介します。
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防水スピーカーとは
本来スピーカーは電気回路を有しており水への接触は厳禁だ。
この弱点を克服しスピーカー内部に水が侵入しないように設計され、多様なシーンで音楽の再生を可能としたのが防水スピーカーだ。
防水スピーカーがあれば、ビーチやプール、または霧や雨がつきもののアウトドア、宅内であればお風呂場で使うなど、多くのユーザーニーズを満たすことができる。
もちろん通常利用もできるためポータブルスピーカーとして1台防水スピーカーをもっていれば、いつでもどこでも音楽や動画、アプリのサウンドを楽しめる環境を手に入れることができる。
Bluetooth対応とは
Bluetoothは国際標準規格であり、スピーカーがBluetoothに対応していると、同じく対応しているデバイス簡単に接続してデータ送受信を行うことができる。
Bluetoothはスピーカーだけでなくヘッドセットやキーボード、マウスなど様々な機器の接続を実現する規格であるため、対応デバイスが非常に多い。
現在のほとんどのスマホ/ノートPC、さらにポータブルオーディオプレーヤーが対応しており、簡単にワイヤレスのリスニング環境をつくることができる。
おすすめのBluetooth対応ワイヤレス防水スピーカー
OUTDOOR TECH
まずは最近アウトドアシーンで注目されているOUTDOOR TECH社のスピーカーを紹介したい。
タフな設計とユニークでスタイリッシュなデザインは普段使いするにも魅力的だ。
BIG TURTLE SHELL
ビーチやプールパーティー。そしてキャンプ、BBQまで。最高の音響環境をフィールドにもたらしてくれる。
無指向性スピーカーなので、亀の甲羅のようなユニークな構造から、360°全方位に臨場感溢れるサウンドが響く。
アウトドアでは必須とも言える、IPX6準拠の防水仕様で、さらに耐衝撃性にも優れている。
約16時間連続再生と大容量バッテリーを備え、充電器としても動作する。
そして110dBという車のクラクション並の超大音量再生が可能。
マイクを内蔵しているのでハンズフリー通話やSiriの起動も可能だ。
ポテンシャルが計り知れないオールラウンダーBIG TURTLE SHELLは、アウトドア好きには必ず手に入れてほしいポータブルスピーカーの1つだ。
Buckshot
Buckshotはさらにユニークな手のひらサイズの防水スピーカーだ。
サーチライトのようなデザインで、自転車やザックに簡単に取り付けることができる。
IPX5準拠の防水性と耐衝撃性も兼ね備えており、アクセサリー感覚でどんな所にも取り付けられる。さらにハンズフリー通話にも対応している。
クロスバイクに取り付けて海辺を走る楽しさを想像してみよう。
JBL FLIP3
名門JBLのFLIP3は設計に技術を要するパッシブラジエーター内蔵で、低音に迫力あるスピーカーに仕上がっている。
中高域はJBLらしいクリアーさで、嫌味のないサウンドが心地よい。
そして前作FLIP2から進化を遂げ、IPX5準拠の防水仕様となっている。
少々の水しぶきでは故障せずタフなアウトドアユースに耐える。連続再生時間も約10時間(3.5時間充電)と、屋外利用に十分なバッテリー容量をもっている。
出力は8Wx2本とポータブルスピーカーとして申し分ないパワーで大音量の再生が可能だ。
また嬉しいことにノイズキャンセリングされた高音質ハンズフリー通話にも対応している。音楽再生中の着信応答は通話ボタンひとつで簡単にハンズフリー通話に切り替わり、電話会議などにも最適だ。
無骨でソリッドなデザインと、豊富なカラーバリエーションで自分らしいモデルがきっと見つかるだろう。
万能でかつJBLの高音質サウンドが手に入る本モデルは、どんな方にもおすすめだ。
SONY(ソニー) SRS-XB2
φ42mm口径のフルレンジスピーカーユニットを搭載し、このサイズからは想像もつかない高い音圧を実現。
そしてパッシブラジエーター構造とExtra Bassボタンにより、サイズを超えた重低音サウンドを楽しむことができる。
BluetoothはSBCに加え高音質なAAC、さらにはハイレゾ相当のLDACにも対応しており、対応機器でワイヤレスながらも高音質な再生が可能だ。
防水性能はIPX5相当。アウトドアやプールサイド、バスルームでの利用も可能だ。
ANKER SoundCore Sport XL
人気のSoundCoreシリーズの防水モデルだ。
なんとIP67準拠の防塵防水性能を誇っており他社の防水スピーカーよりさらにタフな使用に耐える。
15時間の連続再生を可能にする大容量バッテリーは、スマホの充電も可能。
そしてハンズフリー通話にも対応しているため、砂浜に放り投げたSoundCoreSportを介して日光浴をしながら通話を楽しむといった使い方もできる。
リーズナブルな価格でこのスペックを求めるなら、SoundCore Sport一択だろう。
JBL CLIP2
IPX7準拠という高い防水性能を誇るJBLのポータブルBluetoothスピーカー。
巻取り式の3.5mmイヤホンケーブルも装備し、Bluetooth非対応機器も接続可能。
ビルトインのカラビナ(クリップ)で好きなところにセットできる。
カバンに提げて仲間と音楽をシェアするのもよいだろう。
さらにハンズフリー通話も可能なので、浴室内にセットして入浴しながら電話をするのもJBL CLIP2なら容易いことだ。
これだけコンパクトでありながらも、パッシブラジエーター搭載で低音はサイズに似合わずパワフル。
ポータビリティを重視する方にはおすすめのモデルだ。
Bluetooth対応ワイヤレス防水スピーカーの選び方
Bluetooth(ブルートゥース)対応の防水スピーカーを選ぶ際は、次に挙げるポイントを1つ1つチェックしながら検討するとスムーズだ。
各項目の優先度は人それぞれであるため、自身の主な利用シーンをまずイメージして、何を重要視すべきか踏まえた上で判断していこう。
防塵・防水性能で選ぶ
防水スピーカーも実はその性能に違いがある。
確認方法として、防塵防水の国際標準規格「IP」コードから性能を判断しよう。
この規格は「IP56準拠」などと表記されるが、「IPX6」といった様に前半が「X」で補完されているものは防塵検査はされていないものとなる。
最低でも、汗や水しぶきに耐えるIPX4以上のものを選んでおくと、水拭きなどもできて安心だ。水中に潜る方は迷わずIPX8準拠のものを選ぼう。
保護等級 | 内容 |
---|---|
IPX0 | 特に保護がされていない |
IPX1 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) |
IPX2 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) |
IPX3 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) |
IPX4 | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) |
IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
IPX7 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
▲ 出典:Wikipedia
ビーチやアウトドアなど防塵性能も必要となってくる場合は両保護等級をカバーするものを選ぶとよいだろう。
音質で選ぶ
スピーカーのスペックは?
Bluetooth防水スピーカーを選ぶ際も、こだわるのであればスペックを見ておこう。次に挙げるような点をチェックしておこう。
スピーカーユニットが正確性の高いフルレンジか
スピーカーユニットが表現力の高いマルチウェイか
キャビネットの容量があるか
出力音圧レベルは十分か
Bluetoothの対応コーデックは?
音楽プレーヤーなどの親機から、子機であるスピーカーへBluetoothでデータを転送する際、データの圧縮が行われている。
その圧縮方式をコーデックと呼び、コーデックによって圧縮率・遅延時間が異なり、標準のSBCは圧縮率も高く音質が悪い。
どんなに子機のスピーカー側で高音質コーデックに対応していても、親機が準拠していなければ使用できないので、しっかりと親機のスペックも再確認しよう。
可能ならapt-X/AAC以上に対応していることが望ましい。最近はapt-X HDというハイレゾ相当音質のコーデック対応機器が増えている。できるだけ高音質のものを選ぼう。(apt-X HDは大衆向けDAP・スマホでは普及率が低い)
コーデック | 内容 |
---|---|
AAC | iTunesでお馴染みの高音質圧縮方式。Apple社製品は勿論全て対応している。Apple以外でも対応している機器は多い。 |
apt-X | CD音源に近い音質での転送が可能なコーデック。英CSR社開発。 |
apt-X HD | apt-Xのハイレゾ対応版。英CSRが新開発。徐々に対応機器が増えている。 |
LDAC | 96kHz/24bitのハイレゾ音源対応。ソニーが開発し、ほぼソニー機器同士限定の規格。 |
SBC | Bluetoothの規格上で必須項目なので、全ての機器に対応しているが、圧縮率が高く音質は悪い。 |
▲ Bluetooth対応コーデック一覧
ハイレゾ音源再生対応か?
近年ハイレゾ音源再生が身近なものとなっている。
通常音源よりのおよそ倍ほどの周波数レンジで情報が記録されているハイレゾ音源の再生には、対応する再生周波数帯域をもっているスピーカーが必要となる。
もしハイレゾ音源を再生するなら、ハイレゾ対応機器の一般的な最大再生周波数帯域である30000~50000Hzの再生に対応していることを目安としよう。
またハイレゾロゴマークによる品質保証で選定するのもよいだろう。
ハイレゾロゴ(ハイレゾマーク)とは、以下のような特徴がある。
- 日本オーディオ協会から認証を受けたメーカーが生産した製品に付くマーク
- 40kHz~の周波数帯域の再生性能を持つアナログ系機器のみに付く
- 厳しい音質の審査に通過したもののみに付く
大手メーカーでもデザインの都合上マークを取得していないスピーカーもあるので目印として認識していいただきたい。
音量で選ぶ
防水スピーカーでも、例えばプールパーティーやビーチでの利用などある程度の音量がなければ興ざめといったシーンもあるだろう。
そんなときは大音量のモデルを選ぼう。
内蔵アンプの出力W(ワット)数が大きい方が基本的には大音量となる。
また同じ電力でも能率(dB=デシベル)によって音量が異なり、より高能率のものを選ぶとよい。
指向性の有無で選ぶ
スピーカーには有指向性のものと無指向性のものがある。
有指向性のものは、スピーカーユニットが向いている方向に対して音声が出力され、その製品固有の聴取角度が存在し、その角度から大きく外れたポジションでリスニングすると、十分な音量を感じられない、また正確な音を把握できないと言った状態になるが、その代わり適切な聴取角度内であれば優れた表現力を発揮する。
無指向性のものは有指向性のものに比べ正確性に劣るが、均一に360度同じ音を出力できるという特性をもつ。
個人で一定の角度でリスニングする使い方が想定される場合は有指向性のスピーカーを、複数人で様々な位置で同じ音を共有する場合は無指向性のスピーカーを選ぶとよいだろう。
大きさで選ぶ
Bluetooth対応防水スピーカーは、一般にポータビリティを重視して小型であることが多い。
ただスピーカーは大きさに比例して低音再生能力が上がる、という不変的な特性がある。
同程度のスペックで、かつサイズが許容範囲であるなら大きい方を選んでおくと、より強い低音が手に入るだろう(各社の努力によりこのデメリットを補った高い低音再生性能をもっているものもあるので、目安として考えられたい)
バッテリー性能で選ぶ
防水スピーカーは電源に接続せずとも使えるよう、必然的にバッテリー駆動方式が採用されている。
その他の接続方法で選ぶ
防水性能が求められるシーン以外ではBluetooth対応機器以外でも接続したいといったこともあるだろう。
次のような接続方法への対応状況も確認しておくと、利用シーンのスケールにも対応できてよいだろう。
- Wi-Fi再生対応か(DLNA対応)
- AppleのAirplay対応か
- 防水のUSB、アナログ端子を持つか
なお物理端子は防水性向上のために排除されてあることが多く、特に光デジタル端子などはほぼ装備している防水スピーカーはないので注意されたい。
機能性で選ぶ
通話機能の有無
スピーカーにスマホを接続中に電話がかかってくると、相手の声はスピーカーから聴こえるのに、自分はスマホのマイク部を口に近づけ語りかけなければいけない。
この事態を防ぐためには、内蔵マイクを搭載しておりハンズフリー通話対応のものを選ぶ便利だ。
その際、簡単に音楽再生と通話機能を切り替えられるか確認しておこう。
通話音質の良さ
通話を行いたい場合は、スピーカーがCSR社の規格であるCVC6.0(ClearVoiceCapture6.0)*というエコーキャンセル規格に準拠しているものを選ぶと安心だ。
*6.0は執筆時点で最新バージョン
通話におけるノイズキャンセリングだが、これは一般に言われるノイズキャンセルとは異なる。
自分の発した声が、相手方のマイクで拾われ、自分のスピーカーに返ってきて反響する現象を「音響エコー」と呼ぶ。通話を前提としたマイク付きイヤホンにおいては、ノイズキャンセリングの中でもこれを防ぐためのエコーキャンセル機能を搭載しているものが望ましい。
通話性能を確認する場合は、エコーキャンセル機能搭載の表記をチェックするか、CVC6.0準拠の表記をチェックすると良いだろう。
なおCVC6.0の主な機能は次の通りだ。
- 自動音量制御
- 送受信イコライザー
- ノイズ快適化
- ハウリング制御
- 非線形処理
- 音声適応イコライザー
- 省電力機能
- 補助ミキシング
- 周波数強化による音声明瞭化
MicroSD(NFカード)再生対応か
スピーカーの中には、スマホなどからの接続以外に、MP3など音楽データが保存されたMicroSDカードを挿し込んで、その中身を再生してくれるプレーヤー機能を有したものもある。
風呂場などスマホの持ち込みが困難な場合、MicroSDカードプレイヤー機能を有するものを選ぶとよいだろう。
なお、TFカード対応、TFチップ対応などと表記される場合もあるが、MicroSDカード対応と同義と捉えてしまって問題ない。
これはMicroSDがもともとその前身であるTF(TransFlash=トランスフラッシュ)カードの仕様を引き継いたものであるため、その名残だ。
NFCチップ搭載か
国際標準規格であるNFC(Near Field Communication)規格準拠チップを搭載していると便利だ。
NFC対応スピーカーは、NFCチップを搭載した対応の携帯電話などを近づけるだけで簡単に接続を完了してくれる。このとき携帯電話は切ったままで操作する必要はない。
スピーカーとのBluetoothペアリングが面倒と感じる場合、そして手持ちのデバイスがNFC対応である場合は、NFC対応スピーカーを選ぶと利便性が増すはずだ。
なお、おサイフケータイなどもSONYのFeliCaというNFC準拠規格の1つなので、同社の「かざすマーク」がついている携帯電話は基本的にNFC対応と考えていただきたい。
Bluetooth対応防水スピーカーの注意点
距離の制限がある
Bluetoothでデータ通信を行う状態は互いに通信可能な距離に位置しており、間に防電磁性の遮蔽物が存在しないことが条件となる。
水平を保ち距離をとり、且つほとんど電波干渉のない環境であれば実は30〜50m、場合によってはもっと距離が離れてもペアリングし続けることもあるがこれは、一般的には離れたとしても10m以内が再生圏内だと考えておこう。
電波干渉を受ける
Bluetoothは2.4GHz帯の通信帯域を利用して接続する。
2.4GHz帯はライセンスフリーの国際標準帯域なので、電子レンジなどこの帯域を利用する機器が溢れかえっており、Wi-Fiにおいても現在最も使われている。
同じ周波数帯を使う限り電波干渉は確実に引き起こされ、その際データロスが発生するので音質は劣化する。
そのためBluetooth機器を使う際は、できるだけ干渉源のの少ない所で使用することが望ましい。
なお携帯電話のキャリア通信は1GHz以下を利用しており干渉に影響しないので安心されたい。
最後に
いかがだろうか。Bluetooth対応防水スピーカーはアウトドアやお風呂といったシーンではもちろん普段使いもでき、1台もっておくといつでもどこでも音楽を楽しめるためとても便利だ。
これを機会にお気にリの防水スピーカーを見つけて、いつでも音楽に触れられる環境を手に入れよう。