オーディオはプレイヤー、アンプ、スピーカーを高品質にすればかなりいい音になりますが、実はスピーカーケーブルも大事。せっかく良いスピーカーをかってもケーブルが微妙だともったいないです。そこで今回はスピーカーケーブルの選び方をご紹介します!
目次
スピーカーケーブルの選び方
スピーカーケーブルの選び方はアンプやスピーカー、ヘッドホンなどを選ぶよりもっと単純だ。
基本的に材質と構造、太さの3点で大半が決まるので、これらをおさえておけばOK。
材質
材質/特徴 | 高音 | 低音 |
---|---|---|
銅 | 苦手 | 得意 |
銀 | 得意 | 苦手 |
複合(銅と銀) | 普通 | 普通 |
無難に選ぶなら、銅
銅製のスピーカーケーブルは最も普及しているポピュラーなタイプ。不純物の多い少ないで値段が変化し、不純物が少ないほうが高価になりやすい。
不純物が多いTPC(タフピッチ銅)は音質が良いとは言えないが、低音域の表現力は高くなる。
一方でOFC(無酸素銅)はTPCよりも酸素の割合が非常にすくなく、純度が高い。TFCより高価で高音粋の表現力がよく解像度も良い。
OFCよりもっと不純物を取り除いた6N-OFCは更に高価で、OFCより豊かで高音域の表現力が高い。
銅は全体的には低音重視で高音に弱い傾向にあり、純度が高いほど弱点をカバーしているような印象。
高音重視なら、銀
銀も銅と同じく、純度によって値段が左右し、純度が高いほうが高価で、銅よりも高音の表現力が高く、低音はすこし苦手な印象にある。
銅よりクセがあるので、「銅より銀のほうが高いからいい音なんでしょ!」と思って購入すると低音に不満を感じたりする。
綺麗なハイトーンボイスや艷やかな声を聞きたい人向け。
昔はもっと癖の強いケーブルだったのだが、銀ケーブル特有の過剰な高音表現は抑えられており、高音域においては良い部分だけが目立ちやすいが、安物の銀ケーブルはいまもひどい。
バランス型なら、複合(銅と銀)
銅と銀をまぜた複合ケーブルは銅の「低音は得意だが高音は苦手」という特徴と銀の「高音は得意だが低音が苦手」という特徴を合わせ、バランスをとっている。
非常に高価で高級品となるのだが、作り込み方で音色が随分と違うので、材質だけで音質を予想しにくく、使ってみないことにはわからないのがデメリット。
銅と銀の他には銅とアルミという製品などもある。
結局どれが良いの?
どの材質が良いかは好みもあるのだが、一般的にそこそこ高級で普及しているのはOFC(純度の高い銅)となる。
銀は割とマニアックで、銀の特徴をわかっていて購入するようなイメージなので、初心者にはあまりおすすめできない。(高い割に好みでない可能性がある)
構造
スピーカーケーブルが並行型かツイスト(ねじっているタイプ)かで割と音色が変わる。ねじることで電気抵抗やノイズのカット率が変わるからだ。
平行型
プラス線とマイナス線が平行にくっついているタイプ。
構造が単純なので個性を出しやすく、製品によって特徴も違うが全体的にはくっきりとした音がなる。
皮膜を剥がしやすい上、メンテナンスや配線のしやすさは抜群に高いので、初心者向け。
ツイスト型
2本の線をねじってツイストしているタイプ。電気抵抗の上昇を抑える効果とノイズを抑える作用があり高音が減衰しにくくなる。
音のバランスがよく、音が安定していてシンプルに高音質になるので、最初からツイスト型に挑戦するのもあり。
4芯型
プラスとマイナスが内部で2本ずつあるタイプ。ツイストよりさらに音がマイルドで低音もしっかり鳴る。
スターガット型とも呼ばれ、重厚感が出る高級品として知られているが、構造上かなり複雑なので上級者向け。
初心者が安易に手を出すと、あまりの配線のしにくさにストレスが貯まるかもしれない。
太さ
スピーカーケーブルは太ければいいというものでも、細ければいいというものでもない。
太いと高音が減衰し、低音がとがる傾向にあり、細いと振動に弱く、音質がザラつく。そのため初心者の場合は細くも太くもないノーマルな太さが良い。
おすすめのスピーカーケーブルランキング
1位 MONSTER CABLE スピーカーケーブル
純度の高い銅(OFC)を採用した高級なスピーカーケーブル。低音に強い印象だが高音が貧素というわけではない。
単に音質が良いというだけでなく、ケーブルの耐久度や柔軟性の評価が高く使い勝手が良い。しかも平行型なので扱いやすく初心者にもおすすめ。
2位 Amazonベーシック 14ゲージ スピーカーワイヤー [99.9% 無酸素銅]
アマゾンベーシックシリーズの純度の高い銅(OFC)ケーブル。アマゾンベーシックは基本的にちょっと良いものをかなり安く売っている傾向にあり、こちらもケーブルの質が良い割にリーズナブルで使いやすい。
アマゾンベーシックは値段をみると「安物なのかな?」と思ってしまうが、中身はかなり高品質なので、下手なスピーカーケーブルよりずっと良質。
3位 Amazonベーシック 16ゲージ スピーカーケーブル
アマゾンベーシックシリーズの複合(銅とアルミ)タイプのスピーカーケーブル。やはりこちらも値段の割に高品質で非常に良くできている。平行型だがノイズは少なく、全体的にバランスが良い。
ちなみにケーブルに+と-の識別ラインがあり、どちらがどちらか見分けもつけやすい。
4位 BELDEN スピーカーケーブル 9497
ベルデン定番のツイストスピーカーケーブル。材質は銅だがツイストタイプのおかげで高音域もしっかりと表現できているバランスの良い製品。特に尖った点がないので、良くも悪くも気になる点が少ない。
9497はファンの間では黒と赤のツイストと鳴るビジュアルからウミヘビなどと呼ばれている。
ちなみにベルデンはアメリカ(シカゴ)のオーディオケーブルメーカーで、100年以上歴史のある老舗。オーディオケーブルメーカーというもの自体、オーディオマニア以外には一般的ではないので知らない人も多いかもしれないが、業界ではかなり有名なメーカーなので安心だ。
5位 ZONOTONE 6NSP-Granster
銅製のケーブルだが、様々な純度の銅(6NCu(超高純度銅)HiFC(高機能純銅線)PCUHD(高純度無酸素銅線)OFC(高純度無酸素銅))をツイストで混ぜ込んでおり、高音と低音の両方をしっかりと表現できている。
質を考えるとかなりリーズナブルでコストパフォーマンス抜群。
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ケーブルの長さはどれくらい必要?
一番大きな落とし穴はステレオならLとRでそれぞれ必要になるので、スピーカー2個分のケーブルが必要になるということ。
またギリギリで買うとケーブルの長さを調節しにくいしメンテナンスも難しくなるので、少し余裕があったほうが良い。
たとえばスピーカーを2.5メートルずつ繋げたいなら10メートルくらいあれば安心して配線していけることだろう。
ちなみにスピーカーは左右の距離を話したほうが表現力が高くなるので、純正ケーブルより長いケーブルを購入して更に離してみるのもいい。
スピーカーの純正ケーブル(付属ケーブル)って良いケーブルなの?
純正ケーブルが良いものかどうかは、メーカーや購入したスピーカーのグレードによるが、高価なスピーカーでも付属のケーブルは安価な物が多い。
そのため、ケーブルを交換して音質が悪くなったというケースはすくなく、むしろ大体は高音質になることだろう。
ただ銀ケーブルなどの個性の強いケーブルにすると、音色がガラリと変わってしまう可能性もある。
スピーカーケーブルは経年劣化で悪くなる?
スピーカーケーブルの皮膜で覆われている部分は悪くなるということは殆ど無い。ただ接続部分のむき出しになっているところは、やがて錆びてきて音が小さくなったり音色に狂いがでたりする。そうなったときは、錆びている部分を切断して、もう一度向いて錆びていない部分で接続すればいい。
これを知っていると知っていないでは大違いで、音質が悪くなったのはスピーカーが壊れたせいだと勘違いする人も多い。