薄型が進むテレビで高音質な音を楽しむにはサウンドバー(シアターバー)がおすすめです。バータイプでありながら5.1ch以上のサラウンド再生にも対応したものも多く登場しています。今回は選定のための比較ポイントを踏まえた上で、おすすめの機種をご紹介します。
目次
サウンドバー最新ニュース
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サウンドバーとは
サウンドバー(シアターバーとも呼ぶ)は、文字通りバー(棒)の形状をしたスピーカーのことだ。
棒状の形状の中に、サブウーファーなど複数のスピーカーを搭載しており、主にホームシアターやテレビの視聴用途で使われる。
実際に複数本のスピーカーを設置するサラウンドシステムの代替手段ともなっている。
サウンドバーのメリット
サウンドバーの最大のメリットはそのシンプルさにある。具体例としては次の様なメリットが挙げられるだろう。
- 設置が容易で手軽
- 複雑な配線が不要
- シンプルでデザイン性が高い
- 普段使いもしやすい
- 敷居の高かったサラウンドサウンドが手に入る
- 複数本のスピーカーを買うよりも比較的安価
手軽な2.0chサウンドバー
スリムでリーズナブルな入門機
TaoTronics TT-SK15
リーズナブルな価格で壁掛けも可能なホームシアターシステム。
40Wと出力もパワフルで、サウンド再生は有線でも無線でも可能。
コスパも利便性も高いので、これからちょっと導入してみようと考えている方におすすめ。
おすすめの2.1chサウンドバー
コンパクトで設置しやすい。ベストバイはBOSE
BOSE Solo5
BOSEのテレビ向けコンパクトサウンドバー。他機種と比べかなり小型で、シンプルなデザイン性も相まって、設置に不自由がない。
コンパクトながら、低域から高域まで非常にパワフル。サラウンド対応ではないが、空間の広がりが感じられる迫力あるサウンドだ。
シンプルなデザインが好みで、サラウンドへこだわらず、テレビの音をグレードアップさせたい方はベストだろう。
ソファの下でも設置
非常にスリム&コンパクトなデザインで、壁とラックの隙間やソファの下など自由度の高い設置が可能。
サウンド面はニーズの高いハイレゾ(DSD 5.6MHz/2.8MHz、PCM 192kHz/24bit)に対応。
Bluetoothも高音質コーデックLDACに対応しており、対応する製品であればハイレゾ相当の音質でワイヤレス再生が可能となる。
壁掛けOKで柔軟な設置
Panasonic SC-HTB10
設置角度を0度、30度、80度と90度に変更でき、どんな場所でも設置できる。指向性の自動調整もでき、テレビの前など狭いスペースにも設置可能なのが人気。
特に0度の平置きだと、テレビの正面に設置しても視聴の邪魔にならない。さらに壁掛けもできてしまう優れものだ。
そしてiPhoneやAndroid、PCから好きなサウンドを再生できる、Bluetooth接続機能まで搭載。
テレビ視聴用途とオーディオ用途の兼用を考えている方には、ケーブル配線の必要がなくなり大変うれしい。
バーチャルサラウンド音場で高音質の迫力サウンド
SONY HT-CT380
音質重視の方におすすめのスピーカー。BluetoothはAACフォーマット対応、有線なら、ハイレゾ音源の再生にも対応している。
本体とサブウーファーはワイヤレス接続可能。子供やペットのいる家庭でも配線ケーブルの配置で悩まず、事故の心配がない。
そして、ソニー独自のバーチャルサラウンド音場で、後方にスピーカーを置かずに、サラウンド再生可能。部屋の形状・大きさに依存せず高音質が楽しめる。
超コンパクト。気軽にサラウンドを楽しみたい方は
Panasonic SC-HTE80
テレビの下に設置可能な超コンパクトタイプの本体に、フルレンジユニットとサブウーハーが内蔵してある。
また、ワイヤレスBluetooth対応のため、配線回りもすっきりしたまま、気軽にサラウンド感を楽しめることで人気だ。
さらに上を求めるなら
BOSE SoundTouch 300 soundbar
部屋に合わせて自動的に音質を最適化できる、バーチャルサラウンド対応のサウンドバー。
DLNAに対応しているので、ネットワークオーディオプレーヤーなどから、Wi-FiやBluetooth経由で簡単にSpotifyなどのストリーム音楽を再生できる。
小音量でも音のバランスが崩れにくく、コンパクトサイズでもあるので、集合住宅でBOSEの深みのあるベースサウンドを楽しみたい方にはベストマッチだ。
ワイヤレスの快適さ
JBL CINEMA SB450
4K Ultra-HDの入力・再生ができ、高音質かつパワフルで臨場感のあるサウンドを楽しめるシステム。
Bluetooth対応なので、スマホやタブレットからも手軽にサウンド再生が可能だ。
サブウーファーとサウンドバーはワイヤレス接続なのでセッティングしやすいのが特長。
4K×ハイレゾ
SONY HT-CT790
4K HDRパススルーに対応した、ハイレゾ対応サウンドバー。
壁掛けもできる薄型フォルムでありながら、ハイレゾ再生、またハイレゾ相当のBluetoothリスニングを可能とするハイスペックマシンだ。
VGP2017ライフスタイル部門受賞プロダクト。
おすすめの5.1chサウンドバー
最新のバーチャル3Dサラウンド体験を
YAMAHA YAS-107
最新のバーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」に対応した同社YASシリーズのニューモデル。フロント、リア、左右だけでなく上下の音場も再現するのが特徴。
またHDMI端子は4K/60p3映像伝送、HDR映像伝送 、HDCP2.2に対応しており、Ultra HD Blu-rayなどの高画質コンテンツも立体感ある音場で楽しめる。
1箇所への設置で高音質5.1chサラウンドが実現、ヤマハ
YAMAHA SRT-1500
本製品は、壁面の音の反射を利用する”フロントサラウンド”というバーチャルサラウンドシステムを採用。1箇所に置くだけで5.1chサラウンドが楽しめる。
それを実現しているのはボディ中央にある、8個の2.8cm口径ビームスピーカー。指向性をもった音波が壁面に反射し、リアルなサラウンド効果を体感できる。
0.2chによる迫力ある重低音と、伸びのあるクリアな中高域が心地よい、予算なあえばかなりおすすめしたい製品だ。
・4Kフォーマット対応のHDMI端子を装備
・Wi-Fi(無線LAN)接続にも対応
・専用アプリはネットラジオ再生にも対応
・Bluetooth対応(iPhone/Android/PCなどマルチデバイスから再生可能)
・Apple社のAirPlayにも対応
・底面には2個の8.5cm大口径サブウーファーを左右に内蔵
・フロント両端には4cmx10cm口径のL/Rスピーカーを搭載
フロント/リアが選択可。振動軽減で騒音対策にも。パイオニア
Pioneer HTP-SB760
バーチャルサラウンドで、フロント/リアスピーカーを選べる仕様のバータイプスピーカー。NFC/Bluetooth対応で、気軽にワイヤレスを楽しめる。
迫力はそのままに振動軽減するマナーモードがあり、騒音対策にもなる。ドルビーTrueHD/DTS-HDのロスレスサウンドに対応で高音質に楽しめる。
おすすめの7.1chサウンドバー
7.1chサウンドバーは、ヤマハの2機種が正解
YAMAHA YAS-203
ヤマハ独自「AIR SURROUND XTREME」7.1chバーチャルサラウンドで、コンパクトなバータイプながらも、サラウンド感のあるサウンドを生み出す。
サブウーファーの2ユニットでワイヤレス対応。
YAMAHA YAS-101
サブウーファーを内蔵のフロントサラウンドタイプ。
ワイヤレス伝送「AirWierd」技術により、高品位な音質に加え音声遅延もない。本体と8ウーハーで構成され、コンセントを差し込むと、自動的に連携して音を出す。
サウンドバーの選び方
サラウンド対応かどうか
サウンドバーはサラウンド音源の再生に対応したものと、そうでないものがある。
DVDやBlu-ray、ゲームなどのサラウンド音声を再生したい場合は、サラウンド対応のサウンドバーを選ぼう。
サラウンド効果を求めない場合は、音質やサイズなどを優先してもよいだろう。
対応サラウンドフォーマット
サラウンド音源にはいくつかフォーマットがあるので、対応しているサウンドバーを選ぼう。ここでは一例を紹介したい。
サラウンドフォーマット | 意味 |
---|---|
DolbyDigital(AC-3) | DVDを始め多くのコンテンツに採用されており最大5.1ch対応 |
DTSデジタルサラウンド | DTS社開発でDolbyDigitalより高音質だがDVDでは対応が限られBlu-ray向き |
DolbyDigitalSurroundEX | 6.1ch再生まで対応したフォーマット |
DTS-ES | こちらも6.1chに対応 |
DolbyDigitalPlus | Blu-ray等次世代メディア向けでBlu-rayでは最大7.1ch対応 |
DTS-HD | 上のDD+と同等 |
DolbyTrueHD | Blu-rayでは最大7.1chで、16チャンネル以上に対応したロスレス圧縮音声での伝送を可能にした高品質形式 |
DTS-HD Master Audio | ロスレス圧縮を採用 |
DolbyProLogic II | 5.1chとステレオ2cを相互変換でき、IIxは7.1ch、IIzは9.1ch再生に対応 |
DTS Neo:6 | 2ch音声なら全て5.1〜7.1chとして再生可能 |
▲ 主要サラウンドフォーマット
対応チャンネル数は?
サラウンド対応しているサウンドバーは2.1ch、5.1ch、7.1ch、さらにそれ以上のチャンネルの再現に対応しているものがある。
なおこのch(チャンネル)についてだが、スピーカーの設置数によりch数が異なる。サブウーファーは増えると0.1ch増える。
chが大きいほど、音源間の距離が近くなり、自然なサラウンド感と迫力あるサウンドになる。
チャンネル | スピーカー配置 |
---|---|
2.0 | フロント左右2本 |
2.1 | 2.0+サブウーファー(重低音のみ再生) |
3.1 | 2.1+フロントセンター(人の声) |
5.1 | 3.1+リア左右2本 |
7.1 | 5.1+リアセンター2本 |
▲ チャンネル数とスピーカー配置の関係
サラウンド方式で選ぶ
前述のチャンネル数の数だけ実際にスピーカーを配置する方式をリアルサラウンド方式と呼ぶが、サラウンド対応のサウンドバーにおいてこれを再現する方式は、バーチャルサラウンドとフロントサラウンドと2種類存在する。
バーチャルサラウンド
バーチャルサウンドとは、一言で言うと、少ないスピーカー数で”多くのスピーカーで鳴らしたかのような音”を出す技術だ。例えば、2.1chや3.1chなど、前方に置いたスピーカーだけで、5.1chや7.1chスピーカーを表現する。
仕組みを端的に言うと、”音源の方向がわざと間違って聞こえるように”音を前方のスピーカーから出し、聴覚の錯覚で後方から聞こえるようにしている。人間は同じ音が大きく聞こえると、近づいてくると錯覚する、そんな原理だ。
もちろん、バーチャルサラウンドは完璧ではなく、スピーカーの位置によって、上手くサラウンド感が出ないこともある。手軽にサラウンドを楽しみたい人向けだ。
フロントサラウンド
フロントサラウンドもバーチャルサラウンドと同様、スピーカーの音を変化させるが、大きく違うのは「壁面反射」を使う点だ。視聴位置に左右されないため、フロントサラウンドの方がサラウンド感が強い。
スタイリッシュに設置できる上、最近ではテレビメーカーの純正スピーカーがこの形式を採用しているなど、主流になりつつある。
接続方法
主流であるHDMI入出力端子を備えているか確認しよう。4Kテレビに接続する場合は、HDMI端子も4K対応である必要があるため、対応フォーマットにも注意されたい。
ゲーム機やオーディオ再生機器と接続するなら光デジタル端子や、アナログ端子も備わっているか確認しておくと、幅広い用途で使えるだろう。
また、BluetoothやWi-Fiなどワイヤレス接続ができると、iPhoneやAndroidなどモバイルデバイスの複数接続が容易となるため、対応機種を選ぶのも良いだろう。
機能・仕様
昨今ではハイレゾ対応も重要な要素だ。ただし、ハイレゾ音源を再生されたい場合は、どのフォーマット(FLACなど)が再生可能か確かめておこう。
再生周波数帯域がどれほど広いかがハイレゾ再生では重要となる、30kHz〜40kHzをカバーできると嬉しい。
設置・配線はできそうか?
サウンドバーの多くがテレビの全面に配置、もしくは壁掛けなどを想定して高さを低く、そして薄型に設計されている。
自身のテレビモニターやスクリーンの高さに十分な余裕があり設置しても、視聴の妨げにならないか寸法のチェックはしっかりしておこう。
また接続端子の位置などを確認し、実際の配線イメージを予めしておこう。HDMI端子など無理な角度に曲げてしまうと負荷により破損しかねない。
最後に
ここ数年でバータイプのスピーカーでも高音質を楽しめる時代になった。
リアルサラウンド方式には立体感で及ばないかもしれないが、それでも音質は良く、設置の容易さというメリットも考慮すればリアルサラウンドと等しく選択肢に入るだろう。
ワイヤレスモデルも多く普段使いのスピーカーとしても使えるサウンドバーで、サラウンドデビューしてみてはいかがだろうか。