アウトドア用途や防災目的でソーラー充電器が人気を集めています。最近のモデルはスマホだけでなくタブレット、PCまで充電でき、コンセント以上のパフォーマンスを発揮するものもあります。そんな中でも特におすすめしたいソーラー充電器を厳選してご紹介します。
ソーラー充電器(ソーラーチャージャー)とは
屋外などポータブルシーンでスマホやバッテリーを充電することができ、モバイルバッテリーの役割を果たす、小型のソーラーパネルのこと。そのままポータブルソーラーパネルと呼んだりもする。
アウトドアや防災目的での利用を意識した設計になっていることが多く、防塵防水対応のものや、軽量化を重視したものが主流となっている。
おすすめのソーラー充電器
第1位:ANKER(アンカー) PowerPortSolar
ポータブルソーラーパネルの中でも国内外で最も人気のモデルの1つが、ANKERのPowerPortシリーズだ。
USBがデュアルポートであることがまず便利で、ものすごく軽い。出力も高く急速な充電が可能だ。少し出力の小さい15WタイプのANKER PowerPortSolarLiteもあるので、さらに重量とコストを抑えたい方にはそちらも同じくおすすめ。
いずれもコストパフォーマンスの非常に高いプロダクトとなっており同シリーズを第1位に掲げたい。
第2位:RAVPower 16W
わずか450gで16W出力を誇るRAVPowerのソーラーパネル。
従来モデルは倍近く重量があって、出力はあるのに重いのが難点だったが、改良版では出力も上がり軽量化も実現している。
同価格帯で比較すると、軽さではANKERのLiteに軍配が上がるが、出力では若干こちらが上回る。
重視する方によって選択は分かれるだろう。
第3位:GoalZero Venture30 Solar Recharging Kit
使い勝手で選ぶなら間違いなくGoalZeroのVenture30 Solar Recharging Kitが1番だ。
ソーラーパネルはNomad7 V2。7W出力で軽量、ケーブリングが容易なポケットも付いており、接続もUSB、DC12Vに対応しシガーソケットケーブル付属で使いやすい。
また日が陰るとチャージが止まって繋ぎ直しが必要な製品が多いなか、Nomad7は自動的にリセットが働く。
モバイルバッテリーはVenture30。耐衝撃設計で防水対応、さらにLEDライトもついていてアウトドアや防災用途での実用性が非常に高い仕様となっている。
オールインワンでソーラー充電環境を整えるなら、デザインも秀逸なGoalZeroのこのキットが全ての要件を満たしてくれるだろう。
第4位:Instapark Mercury 10
コストパフォーマンスを求めるならInstaparkのMercury 10がおすすめだ。
10Wという十分な出力と軽量設計で、汎用性の高いUSBポートも2つありとても機能的だ。
外側のポケットも余裕がありケーブルやアダプタ、スマホを収納できる。防塵防水の面で、これがメッシュではない点がNomad7と比べると有り難い。
純正のモバイルバッテリーがセットになったモデルもあるが、純正バッテリーはそこまで評価できるものではないので別のものを揃えよう。(それこそVenture30を)
第5位:YOLK Solar Paper
個性的なギミックとスタイリッシュなデザインが魅力的な薄型のソーラーパネル。
このソーラーパネルはマグネットで連結することでパネル面積を拡大でき、最大で15Wの出力を得ることができる。
接続は汎用性の高いUSBポート。そしてユニバーサル基板で頑丈な作りになっている。
また、別途チェッカーを用意しなくとも液晶パネルでアンペア値を確認できる点もすばらしい。
独創的なアイデアでユーザビリティと機能性、そしてデザイン性に富んだプロダクトなので、クオリティの高さを求める方にはぜひおすすめしたい。
唯一、他プロダクトと比べてコストパフォーマンスが低いのが難点だが、パネルが手軽に交換可能なので長く使い続けられることを考えれば投資としては悪くない。
第6位:BigBlue 28W
安さと安定感を重視するならBigBlueの28Wモデルもおすすめ。
416gと軽量な点もよい。
IPX4準拠防水なので、水しぶき程度は大丈夫だ。水洗いなど直接水に浸かる使い方は避けよう。
第7位: Solartab 5.5W
iPadを連想させるシンプルなシルエットが魅力的なタブレット型ソーラーチャージャー。
13,000mAhという大容量バッテリーが内蔵されているので、iPhoneを複数回充電できる。
重さはあるが、デザインも秀逸なおすすめのチャージャーだ。
第8位:ALLPOWERS 21W
USB1ポート当たり最大4.8Aの急速充電が可能。
軽量機種ではないので、トレッキング等のアウトドアアクティビティには向かないが、コンパクトに折りたためるのでキャンプやBBQなどでは活躍が期待できる。
ソーラー充電器の選び方
変換効率で選ぶ
セル変換効率とモジュール変換効率
まず知っておきたいのはこの2つの単語だ。
ソーラー電池は複数の小さなセルを組み合わせたパネルで出来上がっている。
この1つ1つのセル単位での変換効率を「セル変換効率」と呼び、フレームなどを含めたパネル全体面積当たりの変換効率を「モジュール変換効率」と呼ぶ。
セル変換効率の方が、余分な面積が含まれていないので数値は高くなる。
大手メーカーが新記録を発表したり、スペック表に記載するのは「モジュール変換効率」の方だ。
一方、マイナーなメーカーの中には「セル変換効率」を強調して宣伝する者もいる。
例えば中国メーカーSUAOKIの単結晶シリコン方式ソーラー充電器は、独自技術による変換効率25%を謳っているが、幾ら何でも高すぎる。(※商品紹介ではありませんが参考のためAmazonに遷移します)
補足するが、2017年1月現在、同じ単結晶シリコン方式のモジュール変換効率は世界最高でも24%台に留まっている。
モジュール変換効率の目安は?
一般には20%前後あると十分にハイスペックであると考えておこう。ポータブルソーラーチャージャーの場合は18%前後のものが多いだろう。
その辺りの数値を基準に変換効率の高さを比較するとスムーズだ。
出力で選ぶ
例えば10Wの発電能力を持つソーラーパネルが5Vの出力だとすれば、最大で10W÷5V=2Aの電流値になる。
もしミドルクラスの5,000mAhのバッテリーを満充電するなら、1時間程度要する計算になる。
ワット数や電圧(多くは12Vや5V)、出力電流を確認して、高速充電できるものを選ぼう。
ソーラーパネルだから充電が遅いということはなく、むしろコンセントよりも早い場合もあるのだ。
重量で選ぶ
当然ながら重量は軽ければ軽いほど良い。
ただどうしても機能性や出力とのトレードオフにはなる。
500g前後までが許容範囲ではないだろうか。
1kgに近いものは流石に持ち運びは困難だろう。
機能性で選ぶ
接続方式は何があるか
充電ポートは様々な形状があり、メーカー独自のものもあるが、最も汎用性の高い「USBポート」を備えていると嬉しい。
外部バッテリーとセットになったものは、外部バッテリーがタブレットやPC向けに高出力用ポートまで搭載してくれているとなお良い。
バッテリーは内蔵か外部利用か
多くの人はバッテリーを内蔵していないソーラーパネルと外部バッテリーを接続して利用する。
これは日中デバイスを使っている間に、ソーラーパネルと外部バッテリーを放置しておき、夜間に外部バッテリーとデバイスに繋げて充電するという使い方を実現するためだ。
小型でバッテリー一体型のソーラーパネルもあるが、ソーラー出力はどうしてもその面積の大きさに比例するので、パネル面積の小さいバッテリー内蔵型は天候の差が大きく出てしまう。
フックが付けられるか
パネルにリングがあることは思いの外重要だ。
リングがあればフックやカラビナを使ってロープに通して吊り下げることができる。
キャンプでタープの隣にもう1つロープを張って、そこで充電を行うという使い方ができる。
またリュックに取り付けて歩きながら充電することもできる。
災害時の手回し充電器の利用について
非常用にソーラーパネル単体を用意する方がいるが、出来れば外部モバイルバッテリーも両方併せもっていた方がよい。
緊急時に早急に充電できるのはモバイルバッテリーだ。充電されている分の電力は確実に供給できる。
それに対してソーラーパネルは、充電に時間がかかる上に、もしかすると天候が悪い、あるいは屋内で陽が差し込まず充電が出来ない可能性がある。
ではソーラーパネルはいつ必要か。それは非常事態が長引いた場合だ。
避難が長期に及んだ場合はデバイスやモバイルバッテリーそのものを充電するのに役立つ。
最後に
電源の確保が難しいキャンプやトレッキングといったアウトドアシーンや、非常事態に役立つソーラー充電器。どの家庭でも1台もっていると安心だ。
以前に比べて格段に低コストかが進み入手のハードルが下がったので、これを機会に導入してみてはいかがだろうか。