2016年12月17日~18日に東京・秋葉原(ベルサール秋葉原 地下1階・1階・2階)で開催されたのが、ポータブルオーディオフェスティバル2016(PORTABLE AUDIO FESTIVAL 2016)こと”ポタフェス”。50000人を超える音楽ファンが秋葉原に集結し、当日は異様な熱気に満ち溢れていた。今回はそんなポタフェスの現地レポートを自由研究社・研究員がお届けする。
ポタフェス2016とは。見所は?
ポタフェスは毎年夏開催と冬開催があり、今年は下記日程で開催された。
- 名古屋 2016年5月29日(日) (終了)
- 大阪 2016年7月3日(日) (終了)
- 東京 2016年7月16日(土)・17日(日) (終了)
豪華な出展ブランド/メーカーの製品を視聴できる
出展ブランドは、言わずと知れた有名メーカーである、
- オンキヨー(ONKYO)
- audio-technica
- JVCケンウッド
- パナソニック(Panasonic)
- ソニー
- KORG
- AKG(アーカーゲー)
- JBL
- DENON
- Pioneer(パイオニア)
- Fostex
- MASTER & DYNAMIC
- BOSE
- YAMAHA(ヤマハ)
などを始め、B1では海外ブランドも多く出展していた。なかなか実店舗での販売がないブランドや、リリースされたての新製品を実際に触って、聴いて、体感できるのがこのイベントの最大の売りだ。その場で購入もできる製品もある。
豪華景品が当たる視聴キャンペーンも
初めてポタフェスに参加して驚いたのが、豪華景品が当たるイベントがあったことだ。エントランスを入って右奥のSENNHEISER(ゼンハイザー)ブースでは、視聴してアンケートに答えると抽選ができ、豪華景品が当たるキャンペーンを行っていた。
早速研究員Aも、視聴後抽選に参加した。抽選を待つ間、A賞のヘッドホンや、イヤホン、タンブラーが当たるひとが続出し、興奮が高まるばかりだったが、残念ながらクリアファイルをいただく結果となった。(十分かっこ良いので満足している)
お値打ち価格で製品を購入できる
エントランスで大きなブースを構えていた「eイヤホン」では、かなりのお値打ち価格で製品を購入することができ、開始直後から長蛇の列ができていた。お目当ての商品を予めチェックし、開場前には秋葉原に着いてゲットしよう。
アーティストやアイドルによるライブも
ポタ”フェス”というだけあり、アーティストによるライブステージも魅力のひとつ。FOSTEXとコラボしている 南波志帆さんや、緒方恵美さん、MASTER & DYNAMICとコラボしているINORANさんなど、ライブステージは盛り上がりをみせていた。
ポタフェスで、研究員が気になった10製品
超欲しい。THERMOSの真空ワイヤレスポータブルスピーカーVECLOS
正直、ポタフェスで一番驚かされたのがこの製品。
THERMOSと言えばタンブラーや水筒など魔法瓶のイメージが強いだろう。なんとそのTHERMOSが魔法瓶にも使用している”真空構造”を応用して作ったのが、ワイヤレスポータブルスピーカー「VECLOS(べクロス)」だ。
ボディ断面はこのように隙間があり真空状態となっている。薄いステンレス板をプレス加工・溶接し、継ぎ目のない真空構造を実現している。THERMOSだからこそできる技術だ。
折りたたみ式のスタンドで立てるとこんな感じ。外側のケースと中のスピーカーキャビネット間を真空にすることで、空気振動が伝わらず、不要な共鳴による干渉と振動の抑圧が排除され、広い音場感と明瞭度が高い原音再生が可能となる。
同時にボディも軽量となっている。この絶妙な角度も、良い。
コレは体感して初めて分かることだが、こんなに小さくて軽いのに、かなり音が広く響く。外出先や屋外でも、場所を選ばずクリアな音が楽しめる。自信を持っておすすめしたい逸品だ。
低音再生は苦手だが、ソフトジャズや歌ものなどは本当にこのサイズから鳴っているとは思えないサウンドを生み出す。現場ではNorah JonesのDon’t know whyを試聴できたが、あまりの響きに遠くからも人が集まってきたほどだ。
言わずと知れた名機。AKG Q701 オープン型ヘッドホン
AKGは開放型が凄く良い、という事前知識はあったものの、おすすめされるがままに何となく聞いてみたのがQ701。聞いた瞬間に「ここはコンサートホールか!」と突っ込みたくなるような、広い音場に息を呑んだ。
もちろん開放型なので音漏れは大きいが、密閉型では到底たどり着けない音のクリアさと広がりが数万円で手に入るのは凄い。
振動する!!Skullcandy CRUSHER
SKULL CANDYというと、ストリートな若者向けのイメージで、正直あまり購入の候補には入ることはなかった。しかし。「”振動する”ヘッドホン」という謳い文句につられて視聴すると、想像以上の楽しさだった。
写真にあるつまみ部分を上下させると、ヘッドホンに内蔵されたサブウーファーが振動する。気分を上げたいときにはぴったりの機能だろう。これは、是非試していただきたい。
MASTER&DYNAMIC MH40-SNV
エントランス突き当り横にブースを構えていたのが、MASTER&DYNAMIC。以前インターネットでデザインに一目惚れして以来、ポタフェスて実際に手に取れるのを楽しみにしていた。写真を見ても分かる通り、メタリックで高級感ある質感。そして一見重そうな見た目をしているが、実は装着感も良く聴き疲れしない。
Pioneer(パイオニア)stellanova
このスタイリッシュな五角形が、何に見えるだろうか。実は、ハイレゾ音源をシンプルに楽しめるワイヤレスユニットなのだ。USB-DACアンプ、ハイレゾ対応スピーカーと組み合わせることで、デスクトップシステムとしてハイレゾ音源を楽しめる画期的な製品だ。ハイレゾに興味のある方は要チェックだ。
SENNHEISER URBANITE XL Wireless
続いて視聴したのが、SENNHEISERの「URBANITE XL Wireless」だ。URBANITEシリーズで昨年発売されたワイヤレスモデル。Bluetooth伝送でも、解像度が高く、音のつぶ立ちが良い。スピード感のある楽曲でもビートを捉えてくれる。
SONY ウォークマン Aシリーズ NW-A36HN
ソニーはハイレゾ。ハイレゾはソニー。という認識程度で視聴してみたが、やっぱりハイレゾは良い。Walkmanを久しぶりに触ったが、昔のシリーズとは違い感度の良い液晶パネルと音質が際立つ。ハイレゾ音源を非圧縮でBluetooth伝送できるLDAC搭載の音楽プレイヤーとして、かなりコストパフォマンスが良い製品だろう。
FOSTEX TH7
FOSTEXのTH7は若干高域の定位が甘くぶれており、伸びが悪いのが気になった。しかし、1万円を切る価格にしては上出来だろう。FOSTEXらしいフラットなサウンドで、音場間も悪くはない、惜しい。
同じ形で南波志帆さんとのコラボレーションモデルも試聴できたが、こちらは同氏のリクエストに合わせてチューニングしたモデルらしく、格段にクオリティが良くなっていた。
高音はよく伸びるし、定位のぼやけはなくしっかりとまとまっており心地よかった。コラボモデルは限定販売らしく、同氏の「ヘッドホン付きCD」を購入することで入手可能だ。CD付きではなくヘッドホン付きである点は念を押しておこう。
編集後記~来年のポタフェスへの抱負~
いかがだっただろうか。はじめてのポタフェスを終えて、充実感と満足感で心がいっぱいだ。ここまでお読みいただいた皆さんに、ひとつためになる情報をお伝えして、終わりとしたいと思う。
初めての方へ:ポタフェスに持って行きたいもの(後悔先に立たず)
毎年2回、夏と秋に開催されるポタフェス。次回こそ参加したいという初参戦者の方は下記のものを用意しておこう。
- 音楽プレイヤー(必須である。iPhoneでは、せっかくの名機たちに申し訳が立たない。)
- 普段使いのイヤホン/ヘッドホン(是非聴き比べて違いを実感してほしい)
- 大きめのバッグ(ポタフェスでは、製品カタログ等が色々もらえる。リュックや手持ちカバンが必須だろう)
- 温かい飲み物やちょっとしたお菓子(冬は特に寒い。集中して視聴すると結構疲れるので、適宜会場の外でエネルギー補給をしよう)