エンジンオイルの交換を任せてしまっている人も多いかと思いますが、オイル選択は車種だけでなく、運転手の走り方や走る場所によって適切なものが違うため、自分で行ったほうが良いかもしれません。そこで今回はエンジンオイルの選び方やおすすめ製品をランキング形式でご紹介します。
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エンジンオイルの選び方
エンジンオイルを選ぶなら「品質規格(グレード)」「粘度」「ベースオイルの種類」の3つはおさえておきたい。適切なものを選べばそれだけ快適なドライブになるだけでなく、エンジンの寿命にも影響するだろう。
品質規格(グレード)
API規格 | ILSAC規格 | 内容 |
---|---|---|
SH | GF-1 | 1993年以降の車に対応 SHより以前のSGに比べ、スラッジ防止性・高温洗浄性がアップ。 |
SJ | GF-2 | 1996年以降の車に対応 SHより蒸発性・せん断安定性がアップ。 |
SL | GF-3 | SJより省燃費性の向上・排出ガスの浄化性能、オイル劣化防止性能がアップ |
SM | GF-4 | SLより浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐磨耗性がアップ。 |
SN | GF-5 | SMより省燃費性能の持続性・触媒保護性がアップ。 |
エンジンオイルの品質規格には、「米国石油協会(API)」「SAE(アメリカ自動車技術者協会)」「アメリカ材料試験協会(ASTM)」が定めるAPI規格と日米の自動車工業会(ILSAC)が定めるILSAC規格がある。
APIはアルファベット順に、ILSAC規格は数字が大きいほど性能が良い。API規格に関しては、SHより以前のSA~SGもあるが、これらに相当するILSAC規格は存在しない。
主流は「API規格:SN」か「ILSAC:GF-5」の最上位となるので、ハイグレードを選ぶのが無難。
API規格とILSAC規格のどちらかを優先する必要はないので、どちらかの表記で高性能なら問題ない。
品質規格(グレード)を上げるメリット
エンジンオイルはエンジンを保護する意味合いが強く、年々より良いものが登場している。
エンジンオイルの品質規格(グレード)が良ければよいほど、様々な負荷に耐えやすくなっていくので、「車が速くなる」というより「エンジンが長持ちする」「エンジンが壊れにくくなる」というイメージでよいだろう。
そのためコスト面で問題ないなら最も良いグレードを選ぶべきだし、よりよいグレードで困ることなどないし無駄にはならない。
粘度
粘度 | 特徴 |
---|---|
低粘度 | 寒さに強い 燃費がいい 始動性がよい |
高粘度 | 暑さに強い 高速性能が良い 耐摩耗性が良い |
粘度に関しては、低粘度と高粘度でどちらが高品質ということではなく、特徴が違う。
低粘度であればあるほど寒さに強く、燃費がいいし、始動も早い。反対に高粘度であれば暑さに強く、高速走行が安定し、耐摩耗性が良い。
たとえば製品に5W-30と書かれていた場合左側の数字である5が低温時の粘度、右側の数字が高温時の粘度となる。
寒冷地(東北や北海道)に住んでいる場合は、やはり低粘度タイプの5W-30くらいが良いし、九州南部や沖縄などの温暖な土地は、10W-40程度の高粘度なオイルが好ましい。
寒すぎず暑すぎずの場合は好みによるのだが、ファミリー使用なら燃費の良い低粘度よりのほうが良いかもしれない。反対にスピードを求める場合、モータースポーツの趣味がある場合は、高粘度よりのほうが良いだろう。
ベースオイルの種類
種類 | 特徴 | タイプ |
---|---|---|
化学合成油 | 潤滑性能が高く高耐久な高級品。冬場に強い。 | モータースポーツ向け |
部分合成油 | 化学合成油と鉱物油を合成した油。 鉱物油の弱点を補ったバランスタイプ。 |
運転頻度の多い人向け 高速道路をよく利用する人向け |
鉱物油 | コストパフォーマンスが良い。 低温流動性・酸化安定性・粘度温度特性が悪い。(※) |
運転頻度の低い人向け 近所の買い物や週末の買い出し程度 |
ベースオイルの種類は化学合成油100%なら高性能、鉱物油は安価なノーマルタイプといった印象。その中間に両者を合成した部分合成油がある。
化学合成油100%
化学合成油100%は一般的なファミリー使いにはオーバースペックといえるほど高性能で、モータースポーツ向きとなっている。クルマ好きでスペック向上に喜びを感じる方もベストな選択だろう。
鉱物油
鉱物油はコストパフォーマンスが良い。低温流動性・酸化安定性・粘度温度特性が悪いという弱点(※)があるが高VI鉱物油というそれらを補ったタイプもある。
部分合成油
部分合成油は化学合成油と鉱物油を混ぜたもので、毎日のように車を運転する人、長距離ドライブや高速道路をよく使う人にむいているので、一般使いにおいてのハイグレードなモデルともいえる。
まとめ
コスト面は気にしない、とにかくエンジンによいオイルを選びたいというのであれば、(モータースポーツとは無縁でも)化学合成油100%をおすすめしたい。コスト面以外でのデメリットはないし、品質への信頼性が高い。
一方で3種類の中では鉱物油が最も低いグレードにみえるが、最も普及しているのは鉱物油であり、鉱物油を選んだからと言って車に大ダメージを与えるわけではない。特に最近のは鉱物油のデメリットを克服しようとしているオイルが目立つので、「鉱物油=悪い選択」ではない。
個人的には部分合成油も捨てがたい。コストと性能のバランスが良いので手を出しやすいし、一般使いならこのオイルで困ることはないだろうと考えるからだ。
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エンジンオイルおすすめランキング
1位 CASTROL(カストロール) エンジンオイル EDGE 5W-40
人気と信頼性の高いCASTROLの化学合成油。API規格でSNクラスとなっており、全体的に高水準にまとまったハイクラスのモデル。
粘度は5W-40となっており、バランスが良く使い勝手が良い。癖のない高級品といったイメージなので、強いこだわりがない限りは最もおすすめ。
2位 Mobil(モービル) エンジンオイル モービル1 5W-30
Mobil(モービル) の化学合成油で、API規格でSN規格とこちらもハイクラスのモデル。
CASTROLのEDGEより若干粘度が低くなりやすく、燃費の良さに寄せた印象がある。
3位 Mobil(モービル) エンジンオイル モービル1 0W-20
Mobil(モービル) の化学合成油で、API規格でSN規格とこちらもハイクラスのモデルで、こちらは上記のモデルよりさらに柔らかい。
寒冷地はもちろん、始動性と燃費が良いので、ファミリー使いに優しいエンジンオイルといえるだろう。
4位 Honda(ホンダ) エンジンオイル ウルトラ LEO 0W20
Honda(ホンダ) 製のAPI規格でSN規格の低粘度オイル。低燃費性能と持続力が売りの製品となっており、エンジンと同時開発したものなので、HONDA車とは特に相性がいい。
5位 CASTROL(カストロール) エンジンオイル POWER1 10W-40 (2輪向け)
CASTROLの部分合成油で2輪向けのオイルとなる。コストパフォーマンス、信頼性から非常に人気が高く、小~中排気量の高回転・高性能4サイクルバイクに最適。
エンジンオイルの交換はいつ?
エンジンオイルの交換サイクルは車の使い方にもよるが、基本的には1年に1回という認識が強い。毎日のように車に乗っていて、酷使させているなら半年に1回くらいがベストだろう。
エンジンオイルの劣化によるデメリットは様々だが、エンジン音がうるさくなったり、燃費が悪くなってきたと感じるならエンジンオイルを交換すべきなのかもしれない。
エンジンオイルは車の心臓を保護する大事な役割をもつので、あとで後悔しないように気にかけてあげよう。