この記事では、アールグレイティーとダージリンティーの違いは一体何なのか、どんな特徴があり、どうすれば美味しく飲めるのか、についてご紹介していきます。 是非、日々の生活の中で、取り入れてみてくださいね。
アールグレイとダージリンティーの違い
アールグレイとダージリンティーの違いについて、一言でまとめると、「フレーバードティーの種類か、紅茶自体の銘柄か」ということだ。
まず、アールグレイについて見ていこう。
「アールグレイ」はフレーバーティーの一種
(↑ちなみにこの紅茶は、お安く買えるのに美味しかった)
アールグレイは、そもそも紅茶の銘柄ではない。 フレーバーティーとは、乾燥した茶葉に、ドライフルーツや花びら、スパイスなどの「香り」を付けた紅茶のこと。
「香り」が付けてあるお茶、ということで、「フレーバーティー」なのだ。 フレーバーティーには、以下の様な種類がある。
- フルーツ系(アップルティー、ピーチティーなど)
- スパイス系(シナモンティー、バニラティーなど)
- チョコレート系(オランジュショコラ、フランボワーズショコラなど)
- ミックス系(クッキーティー、ラムレーズンティーなど)
実はこれらの種類と、アールグレイは同列ということになる。 アールグレイが日本に浸透しすぎていて、紅茶の種類と混同するのも無理ない。
フレーバーティー30種類を紹介している記事は下記。
>>フレーバーティー(フレーバードティ)30種類からおすすめを紹介!
お茶の豆知識:アールグレイの名前の由来は?
「ダージリン」は地方の名前を由来。一方、アールグレイは直訳すると「グレイ伯爵」という意味。
元々フレーバーティーは中国で古くからあり、その中国茶をグレイ伯爵が気に入り、類似品を作ったことから、アールグレイができたと言われている。 グレイ伯爵が好んだ「正山小種」は当時の中国でかなり高級な果物だった。 そのため「龍眼の香り」がすると言われて、高級な紅茶として扱われていたそう。
「ダージリン」は茶葉の銘柄
ダージリンは、茶葉の銘柄のことを言う。 ダージリンティーの「ダージリン」という名前は、インドのダージリン地方で収穫される茶葉であるという理由から、名付けられている。 日本で収穫されたお茶が、日本茶と呼ばれるのと同じだ。
お茶の豆知識:「アールグレイダージリン」という紅茶もある!
両者の違いは、紅茶の銘柄か、フレーバーティーの一種かということだ。そのため実は、ダージリンの茶葉を使ってアールグレイのフレーバーティーを作ることも可能。後述するが、「アールグレイダージリン」という紅茶もある。
「アールグレイ」の種類
ここからは、各茶葉を深掘りしていく。まずは、「アールグレイ」から。 実は、アールグレイは一種類ではない。 使用する茶葉や香り付けされるものによって、大きく6種類あるので、ご紹介したい。
アールグレイ
祁門紅茶を茶葉として用い、ベルガモットで香りを付けた、一番親しみ深いオーソドックスなアールグレイ。 どんなアレンジをしても、その香りを邪魔しない、シンプルな紅茶。
- カップ1杯の分量:2~3g
- 抽出時間:3分弱
- おすすめの飲み方:なんでも合う
アールグレイ・グランドクラシック
アールグレイという名前の元となった、古くに持ち込まれた中国紅茶を再現した紅茶。 燻製茶の独特の香りが特徴の、高級感あふれる味わい。
- カップ1杯の分量:2~3g
- 抽出時間:3分弱
- おすすめの飲み方:アイスティー
ブレックファースト・アールグレイ
濃い味わいが特徴的な比較的高価格帯の茶葉。 茶葉が細かいのが特徴で、しっかり濃い味が出るため、ミルクティーに良く合います。
- カップ1杯の分量:2~3g
- 抽出時間:2~2.5分
- おすすめの飲み方:ミルクティー
アールグレイ・ダージリン
前述した通り、茶葉の100%にダージリンを用いたものを、アールグレイダージリンと言います。 ベルガモットの芳醇な香りが特徴。ストレートや、アイスティーで飲むのがおすすめ。
- カップ1杯の分量:2~3g
- 抽出時間:3分弱
- おすすめの飲み方:ストレート
アールグレイ・オレンジペコ
セイロン茶葉のOP(オレンジペコーと呼ばれる細長い大型の茶葉)をベースにした紅茶。 飲みやすく、旨味が特徴的な紅茶。セイロンの優しい味わいがよく出ている。
- カップ1杯の分量:2~3g
- 抽出時間:3分弱
- おすすめの飲み方:アイスティー
フォンテーヌ
セイロンOPとキームン紅茶がブレンドしてある、アールグレイ。 爽やかで味わい深いので、アイスティーで香りを楽しみたい紅茶。
- カップ1杯の分量:2~3g
- 抽出時間:3分弱
- おすすめの飲み方:アイスティー
「ダージリン」の種類
ネパールと中国とブータンに囲まれたダージリン地方は、最低気温は0度に達することはなく、降雪が少ないエリア。 寒暖差が激しい気候が、独特の味わいを生んでおり、世界三大紅茶の1つとしても有名。
シーズンは3月中旬~11月と長期間に及び、一番美味しい季節は5~6月。時期によって味の違いを楽しむことができる
ダージリンティーの基本
ダージリンの茶葉はOP(オレンジペコー)と呼ばれる細長い大型の茶葉。 全般的にストレートがおすすめの飲み方で、抽出時間は長めにすると良い。
ファーストフラッシュ(一番摘み茶葉)
ファーストフラッシュとは、3月中旬から4月下旬にかけて、最初に摘まれる茶葉。 3~4月はまだ気温が低いため発酵が進まないため、コク・渋み共にきつくないのが特徴。
また、この時期の茶葉は、まだ緑色をしており、収穫量は少ない。 お茶を淹れると、淡いオレンジ色になり、爽やかな青い味が特徴的。ストレートティーで、ファーストフラッシュ独特の青い香りを楽しんで頂きたい。
- 香り:とても強い
- コク:普通
- 渋み:普通
- 水色:とても薄い
セカンドフラッシュ(二番摘み茶葉)
セカンドフラッシュとは、ファーストフラッシュの後、約3週間の休眠期を経て収穫される茶葉。 5~6月という虫害が多い時期のストレスを経て収穫されるので、茶葉はしっかりしており、美味しく、かなり品質が良いのが特徴。
茶葉は若干緑を含んでいるが、おおよそ茶褐色。お茶を淹れると、明るいオレンジ色になる。
- 香り:とても強い
- コク:普通
- 渋み:強い
- 水色:やや薄い
オータムナル(秋摘み茶葉)
オータムナルとは、10~11月の雨季が終わり乾燥期に収穫される茶葉。 ファースト・セカンドフラッシュとは特徴が異なり、茶葉の外観は完全に緑が消えて茶色。
お茶を淹れると、赤みがある深いオレンジ色となる。味のバランスが良く、のどごしも良いのが特徴。
- 香り:やや強い
- コク:普通
- 渋み:普通
- 水色:普通
アールグレイとダージリンティーの効能
アールグレイの効能/効果
アールグレイには、ベルガモットと呼ばれる柑橘系果実の香りが付けられている。 ベルガモットには、主に以下の5種類がある。
- カタグロナ
- フェミネロ
- メラローサ
- ピコラ
- トルローサ
このベルガモットには様々な効能・効果があります。
リラックス効果がある
ベルガモットは、アロマオイルとして使われる、人気の芳香果実。 香りを楽しんだり、もちろん紅茶を飲んだりすることによって、神経をリラックスさせることができる。
のどの痛みに効果がある
ベルガモットはかつて、天然のうがい薬として利用されたり、口内炎が出来た時の消毒薬として使われていた。 紅茶時代にも抗菌作用がありますがそれに加えて、ベルガモットが持つ栄養素によって、のどの痛みに効果がある。
心臓病の予防に効果がある
ベルがもってに含まれる「HMGE」と呼ばれる酵素に、心臓病予防の効果が期待されている。 紅茶に含まれる「紅茶フラボノイド」「タンニン」などに加えて、悪玉コレステロールを減少させてくれる、強い味方。
ダージリンティーの効果/効能
ダージリンティーの効果/効能をご紹介。
ダージリンティーに含まれる成分
ダージリンティー(紅茶)に含まれる成分は、以下のようなものがあります。
- フッ素:歯のエナメル質を強くする、虫歯予防などに効果あり
- テアニン:紅茶の旨味や甘みを生み出すアミノ酸の一種。リラックス効果も
- タンニン:カテキンとも呼ばれる。活性酸素の害から細胞を保護する。 血液さらさら効果がある。
- アミノ酸:紅茶の旨味や甘味をもたらす成分。リラックス効果もあり。
- カリウム:筋肉の収縮や弛緩を助ける。便秘解消にも。老廃物輩出
- カロテン:抗酸化作用があるが茶葉をそのまま使用するときにしか効果がない
- ビタミンB群:皮膚の病気やこう得ない円を防いだり、疲労回復、ストレス解消
- カフェイン:新陳代謝や皮下脂肪の燃焼、美肌やダイエット、疲労回復
ダージリンティーの効能
- 食中毒の防止:カテキンの効果で、消毒殺菌できる。大腸菌の繁殖を防ぐ。 エピガロカテキンガレートは協力な殺菌力で予防もしてくれる。
- 虫歯防止:フッ素、カテキンの効果。フラボノイドは口臭にも良い。
- コレステロール血圧を下げる:紅茶フラボノイド、タンニンによる効果で生活習慣病予防
- 胃腸を整える:カフェインとタンニンによる効果で、胃液を多く分泌させる。消化機能活性化も。
- 糖尿病 肥満予防:カフェインやタンニンによる効果で、脂肪のエネルギー代謝を促進。
- 老化防止:カテキン、ビタミンの効果で、肌の老化防ぐ。 抗酸化作用もあり、新陳代謝も促進。
アールグレイとダージリンティーのアレンジ
紅茶を淹れるアイテムについては、下記記事を参考いただきたい。
>>おすすめ紅茶ティーポット&選び方
>>おすすめ耐熱ガラスティーポット特集
>>おすすめシュガーポット/ミルクポット特集
>>おしゃれさを格段に上げる、おすすめ電気ケトル特集。
基本のアレンジ
自宅でもすぐできる、一般的かつ基本的なアレンジをご紹介。 いつもやっているアレンジの仕方でも、きちんとした手順を踏むこと、より美味しくなる。
レモンで美味しくアレンジするコツ
カフェなどでも、レモンが入っていることがある。 実は、ただレモンを入れるだけと思いがちですが、一手間で、美味しくなる。
- 紅茶はストレートで、やや薄めに淹れる
- レモンの皮は剥いておく
- カップにレモンを入れて軽く揺すって、出す
以上が、ポイント。 黄色い皮を剥くことで、皮の油分と紅茶のタンニンの反応によるエグみを和らげられる。
ミルクで美味しくアレンジするコツ
ミルクティーも、ポイントを守ることで、美味しく作ることができます。
- 牛乳は常温で使う
- 紅茶をメインにしたいときは、ティースプーン3杯位に留める
- 砂糖はグラニュー糖にする
以上がポイント。