耳かけ型イヤホンはスポーツ向けのBluetoothワイヤレス対応モデルや、SHURE掛けが出来る高音質モデルまで様々な製品が販売されています。ここではヘッドホンではなくイヤホンタイプを中心に、おすすめのモデルをご紹介し選び方まで詳しく解説します。
耳かけ型イヤホンとは?
タッチノイズが軽減される
耳掛け型イヤホンは、耳の上部を利用して安定感を高めることを目的とされたイヤホンだ。メリットはケーブルの揺れやタッチノイズが軽減されること。
(耳にイヤーパッドを被せるオンイヤータイプのものは、耳かけ型ヘッドホンとして知られる)
耳掛け型イヤホンの2タイプ
イヤーハンガーを利用するイヤホン
イヤホンに付いたハンガーを耳の上部に掛けて、イヤホン本体を固定するタイプ。ケーブルを耳にかけるよりも、ホールド感があり、耳への違和感も少ない。
ケーブルを耳に掛けられるイヤホン
ケーブルを耳の後ろに回すことができるタイプのイヤホン。耳にかけずにも使用できるし、イヤーハンガータイプよりも大げさにならず自然な見た目になる。
おすすめの耳かけ型イヤホン(イヤーハンガータイプ)
ニーズの高いワイヤレスモデルをピック
Beats(ビーツ) Powerbeats2 Wireless
<最もトレンディなブランドの1つ>
Beatsファンなら見逃せないスポーツイヤホン。
デュアルドライバで同ブランドらしいパワフルさ引き出している。
デザイン性を求める方におすすめだ。
audio-technica(オーディオテクニカ) SONICSPORT
<歌ものなどを中心に聴くなら>
オーテクらしいはっきりとした中高域が特徴。
周辺の音が聴こえるように工夫されたイヤピースが付属している。
再生時間が4時間なので、ジムやジョギング向き。
Panasonic (パナソニック)RP-BTS30
<咄嗟の充電でも大丈夫>
たったの15分充電で約70分の再生というクイック充電仕様が嬉しい。
イヤーフックによる固定と、調整可能なバンドで、フィット感も抜群。
Klipsch R6 Bluetooth
<高音質ワイヤレス>
Klipschの自信作。
ワイヤレスながら同ブランドらしい高音質で、23.5gという軽さも魅力。
コーデックはAAC、aptXに対応し高音質を追究している。
ワイヤレスでも音質にこだわりたい方におすすめ。
SONY (ソニー)MDR-XB80BS
<スポーツにハイレゾワイヤレスを>
SBC、AAC、aptX、LDACコーデックに対応し、ハイレゾ音源を再生できる高音質イヤホン。
スポーツシーンにおいても重低音の効いた高音質サウンドを求める方におすすめ。
LDAC対応WALKMANを持っている方ならKlipschよりもこちらがベスト。
音質を求める方に有線モデルをピック
audio-technica(オーディオテクニカ) TH-EC707
<抜群の装着感>
わずか12gという超軽量ボディに、可動式イヤーフックで抜群のフィット感をもたらしてくれる一品。
低価格ながらきちんとオーテクの音質を保っており、解像度の高さや高音の伸びが光る。
オーテクなので低音は余り得意でないので、歌ものなどメインに聴く方におすすめ。
CREATIVE Aurvana Air
<コスパ最強の耳かけ型イヤホン>
CREATIVEは安価なオーディオ製品を多く輩出しており、品質の均一さには欠くが、それでも本製品は同社の傑作といえる。
コストに対して非常に心地よいサウンドを鳴らしてくれる。
耳かけ型イヤホンをちょっと試してみたいという方におすすめ。
おすすめの耳かけ型イヤホン(ケーブルタイプ)
audio-technica (オーディオテクニカ)ATH-E40
<フラットサウンドを求める方に>
独自開発のデュアルフェーズ・プッシュプル・ドライバー(φ12.5mm×2)を搭載しており、相互変調を抑えた広帯域再生を実現している。
広いレンジ・音場だけでなく、ダイナミック型とは思えぬほどの解像度を有しており、独自開発ドライバーの効果が感じられる。
この価格帯で優れたスペックをもつ本機は、これからモニターイヤホンを試してみたい方におすすめのモデルだ。
モニター用途で設計されているためリケーブルが可能な点も嬉しい。
SHURE(シュア) SE215 Special Edition
<高級イヤホンにレベルアップしたい方に>
高音質イヤホンをこれから手にするエントリーユーザーにおすすめなモデル。
文字通りSHURE掛けが出来、快適なフィット感を提供してくれる。もちろんリケーブルも可能だ。
価格も手が届き安いので、これを機にイヤホンをレベルアップしてみては?
ONKYO(オンキョー) E900MB
<ハイレゾサウンドを求める方に>
デュアルBAドライバーと、6mmダイナミックドライバーのハイブリッドドライバー採用。
低インピーダンスの無酸素銅ツイストケーブルはリケーブル可能。コントロールマイクもあるので利便性も高い。
ハイレゾ音源をONKYOのクリアサウンドで楽しもう。
ONKYO (オンキョー)IE-S100CT
<SHURE掛けスポーツイヤホン>
防水仕様のスポーツ向けイヤホン。
スポーツ向けイヤホンはフック型が多いので、SHURE掛けをしたいという方にはおすすめの選択。
コントロールBOXもついているのでランニング中の操作も簡単だ。
服の中にケーブルをしまうとかなりタッチノイズの軽減が期待できる。
耳かけ型ヘッドホンという選択も
audio-technica(オーディオテクニカ) ATH-EW9
<定番の超人気モデル>
アサダ桜を使用し、大口径ドライバーを採用した高音質耳掛け式ヘッドホン。
耳に被せるオンイヤー式で、インイヤーイヤホンの様な圧迫感なくダイナミックなサウンドを楽しめる。
ヘッドホンのヘッドバンドの閉塞感が苦手な方にもおすすめしたい、間違いのない高音質なヘッドホン。
耳かけ型イヤホンの選び方
ハンガー利用タイプか、ケーブルを掛けるタイプか
それぞれ次の様なタイプの方におすすめだ。
自身の用途や好みにマッチした方を選ぼう。
ハンガー利用タイプ
- ランニングなどのスポーツで、イヤホンのズレが気になる方
- 通勤通学時などケーブルが引っ張られてイヤホンが外れたことがある方
- カナル型(耳栓型)は苦手だが、固定力は欲しい方
ケーブルを掛けるタイプ
- 本格的なサウンドやカスタマイズを楽しみたい方
- ハンガーの締め付けは苦手という方
なおこの掛け方はSHURE(シュア)掛けと呼ぶ。
SHUREという有名ブランドの人気イヤホンがこの形式を採用したためだ。
ハウジングの構造
イヤホンの最も外側の部位を「ハウジング」と呼ぶ。ハウジングには主に密閉型と開放型の2種類があり、それぞれ特性が異なるため好みのものを選ぼう。
密閉型と開放型の違い
比較点 | 相関関係 | 密閉型 | 開放型 |
---|---|---|---|
低域レスポンス | 強 | 非常に良い | 良い |
音場 | 強 | 平均的 | 非常に良い |
音漏れ | 強 | 良い | 悪い |
ノイズ遮断性 | 強 | 良い | 悪い |
快適性 | 弱 | 良い | 非常に良い |
密閉型(クローズド)
ハウジングに穴がなく、耳栓の様に使ういわゆるカナル型のイヤホンだ。
ハウジングが共鳴箱の役割を果たし低音を増幅させるため、低音の表現力は開放型より優れる。
また音漏れも小さく遮音性も高いため、インドア/アウトドアの両方で使用するのに最適だ。
耳の形状に合わせてイヤーチップを交換できるのもメリット。
開放型(オープンエアー)
開放型はハウジングに穴が空いており、メッシュやグリルでカバリングされている。iPhone純正イヤフォンはこれに当たる。
ドライバー(音の出る機構)から出力された音が、反射することなく忠実に耳に届くため、音の抜けが良くなり自然で広い音場を感じることが出来る。
その代わり音漏れは大きく、周りの音も聞こえるため、室内での利用が主な用途となる。
また音場とトレードオフだが、低音再生は苦手だ。
蒸れにくく、周りの音が聞こえるので通勤通学、ランニング等スポーツに向いている。
デメリットは耳のサイズに合わない恐れがあるということ。そこでハンガーが活躍する。
防水性能を求めるか
スポーツイヤホンとして耳かけ型イヤホンを使う方はしっかり確認しよう。
スポーツシーンでは汗や雨、汚れがつきもので、防塵防水仕様は必須条件となる。
「IP」コードから防水性能を確認して、最適なものを選ぼう。
保護等級 | 内容 |
---|---|
IPX0 | 特に保護がされていない |
IPX1 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) |
IPX2 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) |
IPX3 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) |
IPX4 | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) |
IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
IPX7 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
チューニングの傾向は?
どの周波数帯域を強調しているのか、イヤホンによって全くそのチューニングは異なっており、それぞれの製品を性格付けする1つの大きな要素となっている。
主な傾向は次の通りだ。どういうったチューニングが良いか、好みや用途と相談して基準を設けておくと良いだろう。
チューニング呼称 | 意味 |
---|---|
かまぼこ型 | スペクトラムアナライザーで周波数別に音圧レベルをグラフ化した際に、低域・高域が抑えられ中域が緩やかに強調された「かまぼこ」の形状を描くためこの呼び方をされる。 クラシックや歌もの、フォークなどアコースティックサウンド向き。 |
ドンシャリ型 | かまぼこの真逆で低域と高域が強調され中域は抑えられたチューニング。 ダンスミュージックやハードロックサウンド向き。 |
フラット型 | 特定の帯域を目立って主張することなく、各帯域をなだらかで均一なレベルにしたチューニング。 原音を忠実に再現し、その曲のマスタリング時のイコライジングを再現したり、DTMでのモニタリングしたいときに最適。 どのジャンルにも向く。 |
▲ チューニング傾向一覧
ドライバー駆動方式は?
ドライバーとは音を出す機構のことでイヤホンの要である。
永久磁石とボイスコイルの電磁力によって振動板(ダイアフラム)を振動させ音を出力するユニットことを指す。
ドライバーには幾つか駆動方式があり、イヤホンにおいては代表的なものとして「ダイナミック型」「バランスドアーマチュア型(BA型)」「ハイブリッド型」などのタイプがある。
方式によって音のキャラクターが異なるので好みのものを選ばれたい。
駆動方式 | 意味 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ダイナミック型 | 最も一般的な駆動方式。マイクやスピーカーでも多く採用される。 | 安価 歪みが少なく低音に強い 再生周波数帯域が広い |
小型化すると音質が劣化 繊細さに欠く |
バランス度・アーマチュア型(BA型) | 小さなピンで振動板を振動させる駆動方式。 複数ドライバーを設け、低音域の弱さを補うことが多い。 設け方は高低域用の2ウェイ、高中低域用の3ウェイなど、多い場合6ウェイといったマルチドライバーを採用する。 数に伴い定位感や音像の表現力の向上を味わうことができる。 |
小型化に強い 音の変化に敏感 中高音域の解像度が高い |
高価 再生周波数帯域が狭い 低音域が苦手 歪み特性がある |
ハイブリッド型 | ダイナミック型とBA型を組み合わせたマルチドライバー方式。 双方の長所を組み合わせ たサウンドを得られる。 |
中低域が厚い 中高域の解像度が高く繊細 |
基本的に高価 |
▲ 各駆動方式のメリット・デメリット
BA型とハイブリッド型はドライバー構造が複雑化するほど値段が高くなり、音色の多様性も増す傾向にあるので予算と相談されたい。
またダイナックドライバーはその口径の大きさに比例して低音の量や表現力が増すので、近しいスペックのモデルを比較する場合は口径にも注目しよう。
ハイレゾ対応かどうか
ハイレゾイヤホンを求める場合は、一般的なハイレゾ対応イヤホンの最大再生周波数帯域である30,000~50,000Hzをカバーしたものを選ぼう。
またハイレゾロゴ(ハイレゾマーク)の有無も1つの基準となる。ハイレゾロゴには以下のような特徴がある。
- 日本オーディオ協会から認証を受けたメーカーが生産した製品に付くマーク
- 40kHz~の周波数帯域の再生性能を持つアナログ系機器のみに付く
- 厳しい音質の審査に通過したもののみに付く
ハイレゾを十分再生できる周波数帯域を持っている機種でも、デザイン等の都合上ハイレゾマークがないものもあるので、必須条件とはしなくともよいだろう。
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Bluetooth対応にするか
耳掛け式のワイヤレス事情
Bluetoothによるワイヤレス接続に対応するものは、耳かけ型イヤホンではあまり数が多くない。
タイプとしてはヘッドバンド式イヤホン/ヘッドホンを選択肢に含めるとよいだろう。
または無線レシーバーを利用するという手段もある。
Bluetoothイヤホンを選ぶなら
Bluetoothは、親機から子機であるへデータ転送する際、データの圧縮が行われている。
その圧縮方式をコーデックと呼び、コーデックによって圧縮率・遅延時間が異なる。
標準のSBCは圧縮率も高く音質が悪いので極力高音質のコーデックを選ぼう。
コーデック | 内容 |
---|---|
AAC | iTunesでお馴染みの高音質圧縮方式。Apple社製品は勿論全て対応している。Apple以外でも対応している機器は多い。 |
apt-X | CD音源に近い音質での転送が可能なコーデック。英CSR社開発。 |
apt-X HD | apt-Xのハイレゾ対応版。英CSRが新開発。対応機器が増えつつある。 |
LDAC | 96kHz/24bitのハイレゾ音源対応。ソニーが開発し、ソニー機器同士限定の規格。 |
SBC | Bluetoothの規格上で必須項目なので、全ての機器に対応しているが、圧縮率が高く音質は悪い。 |
▲ Bluetooth対応コーデック一覧
なおBluetoothなどワイヤレス対応を基軸に検討している方は以下のエントリーも参考にしてみてほしい。
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リケーブルするか
イヤホン部とケーブル部を別々にできるリケーブル対応機がある。SHURE掛けするタイプに多い。
イヤホンとケーブル間の接続端子はMMCXという規格が主流で、同じMMCXに対応したケーブルと交換したい場合に、リケーブル対応イヤホンを選ぶことになる。
より音質にこだわりたい方は、これによって好みの素材のケーブルにグレードアップし、カスタマイズを楽しむことができる。
さらにバランス接続対応のケーブルに替えることも出来るので、対応ポタアンとの併用でさらなる高音質化も実現できるだろう。
本格的なリスニング環境を整えたいなら、スケーラビリティを考慮してリケーブル対応機を選ぶと良いだろう。
本格モデルを中心に探している方は、次のエントリーも併せて読んでみて欲しい。
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最後に
耳掛け式イヤホンは主にスポーツ、そして高級イヤホンを中心に機能性から音質面まで様々な特徴をもった製品が多く流通している。
利用シーンから重視するポイントをよくイメージし、その中から自分にマッチしたモデルを選んで欲しい。
本記事がその参考になれば幸いだ。