場所をとらず、ヘッドホンを使って練習ができる便利な電子ピアノ。初心者は勿論、経験者でも手軽に練習したい人にも最適なピアノです。そこで今回は電子ピアノの選び方やオススメ製品をご紹介します。
初心者向けの電子ピアノ選び方
最低限チェックしておきたいのは以下の4つの項目。どれも無視できない重要なポイントで、電子ピアノの良し悪しを左右するので、購入前には確認しておきたい。
- 電子キーボードは、ピアノ初心者やピアノで場所をとりたくない人、子供の練習用におすすめのアイテムです。そこで今回は電子キーボードのメリットやデメリット、選び方やお勧め製品をご紹介します。 目次1 電子キーボードの選び方2 ...
タッチ
アコースティックピアノ(グランドピアノやアップライトピアノ)の練習用として考えるなら、打鍵のタッチ感は非常に重要。
高級な電子ピアノほど、クリック感や低音と高音での軽さの違い(アコースティックピアノは高音になるほど鍵盤が軽くなる)などを再現し、アコースティックピアノに近づけようとしている。
練習用でなくても、どうせピアノを始めるなら、なるべくアコースティックピアノに近い電子ピアノの方がいいだろう。
音質
電子ピアノの音質はサンプリング音源とスピーカーでほぼ決まる。
サンプリング音源とは、なにを録音して響かせているかということ。最高級のピアノからサンプリングしていれば、当然音も良いし、素人目にはグランドピアノさながらの音質に感じる。
そして内蔵スピーカーが高品質かつ数が多ければ多いほど、臨場感のある音になる。
「電子音なのだからスピーカーを増設すればいいのでは?」と思うかもしれないが、アコースティックピアノの代わりとして考えた場合は、ピアノ本体以外のところから音がなるのは、奇妙であり異質。違和感を感じずにはいられない。
最大同時発音数
同時に出せる音の上限数を「最大同時発音数」と言う。この値が多い程、なめらかに聞こえて良いピアノと言える。
逆にこの値が少ないと重なる音が多い曲を引くと音が途切れて滑らかに聞こえない。
同時に押した鍵盤の数だけでなくペダルによる余韻音も別でカウントされる。さらにはステレオなので2倍必要となるので、同時発音数が64個なら実際には32個しか鳴らない。
ペダル
電子ピアノ場合、ペダルが無い場合、ダンパーペダルのみの場合と、3つのペダル(ダンパーペダル、ソフトペダル、ソステヌートペダル)が揃っている場合の3パターンある。
ピアノ中級者以上はペダル必須で、できれば3つのペダルがそろっている方がいい。
オススメの電子ピアノ5選
YAMAHA ARIUS YDP-163
ピアノの世界において世界で最もシェア率が高いといわれているヤマハ。
電子ピアノの世界でも、「電子ピアノといえばクラビノーバ」といわれるほど知名度が高い。
そんなヤマハの電子ピアノ製品においてARIUSシリーズは、入門機として設計されている。
入門機と言っても、音の再現率、アコースティックピアノのタッチと質感を再現した鍵盤、3つのペダル、最大同時発音数192と基本スペックはかなり高め。
さらにはヘッドホンもARIUSシリーズ用に調整された物が付属しており、これで入門機なのかと思うほど高性能。
KAWAI DIGITAL PIANO CN27-R
世界のピアノシェア率において、ヤマハの次に高いといわれるのがカワイ。国内の知名度も非常に高く、ピアノに触れたことが無くても名前くらいは知っている人が多いだろう。
電子ピアノの入門機にはかなり力をいれており、木製鍵盤に近いタッチを再現している。
ヤマハのYDP-163と同じく、3つのペダル、最大同時発音数192となっており、ヘッドホンも付属しているので、どちらが良いかで迷う人は多いだろう。
さらにはサイズも全く一緒で、どちらかが決定的に劣っていると言う事はないので、好みによる部分も大きい
YAMAHA SCLP-6350
ヤマハと島村楽器がコラボした電子ピアノ。
中身はClavinova(クラビノーバ) CLP-635となり、ARIUSシリーズよりワンランク上のヤマハにおいては電子ピアノのベーシックモデルとなる。
鍵盤の質、音色、最大同時発音数など、全てにおいてARIUSシリーズの上を行く。
少々お高めで、サイズも少しばかり大きくなるが、操作が難しいわけではないので、最初からこちらでも良い。
Roland Piano Digital RP501
ローランドは電子ピアノ界においては老舗中の老舗。世界で始めて電子ピアノを作ったのもローランドと言われています。
鍵盤の再現率は勿論の事、音色の数にこだわりがあり、人気も高い。
自動伴奏機能もついているので、練習しやすく便利なのも特徴。
CASIO CELVIANO GP-500BP
CASIOの電子ピアノというと手軽サイズのイメージが強いが、こちらのGP-500BPはドイツの有名ブランド「ベヒシュタイン」と共同開発した高級機で非常に評価が高い。
電子ピアノでありながらベヒシュタインを再現することをコンセプトとしており、タッチ感や音色などすべてが高品質。
他のおすすめ電子ピアノと比べてもお値段がグンとお高めだが、最高品質を求めるなら選択肢に入れてもいいだろう。
特にベヒシュタインが好きなら虜になるはずだ。
まとめ|5万円前後が初心者の目安
5万円前後が手が届きやすい初心者の目安となるだろう。この価格帯で言うと、他のメーカーはKORG等がある。
電子ピアノにあると便利な機能
なくても電子ピアノとして成り立つが、あれば便利な機能も紹介しておこう。
録音機能
電子ピアノによってはUSBポートがあり、自分の演奏を録音できたりする。自分で奏でた音源をパソコンで編集したい場合、バンドサウンドに組み込みたい場合などには必須と言える機能だろう。
自動伴奏機能
自動伴奏機能があると、自分のサウンドにあわせ、ギターやバイオリンなど別の楽器による伴奏が加わる。ポップスやジャスにピアノを組み込みたい人、そういったジャンルに興味がある人は、伴奏付のほうがよいかもしれない。
ガイド機能
曲を弾くのにタイミングよく鍵盤が光り、次にどこを押せばいいのか教えてくれるガイド機能付きモデルもある。楽譜を読まずに練習できるため、簡単に演奏を楽しみたい人、初心者の練習用には助かる機能だ。
ただし、あまりにガイドに慣れてしまうと、楽譜を読むテクニックが身につかないので、注意が必要。
ネットワークによる拡張
Wi-FiやUSB接続、Bluetooth接続により、パソコンやタブレット、スマホと連携できるモデルもある。楽譜や伴奏をダウンロードしたり、タブレットに譜面を表示させたりできるので、便利性はかなり増す。
豊富な音色数
電子ピアノはピアノ音源だけでなく、シンセサイザー、オルガンなどの他の鍵盤楽器、ギターなどの弦楽器、ドラムなどの打楽器の音色まで内蔵されているモデルもある。すくなくとも、他の鍵盤楽器の質がよければ、鍵盤楽器としての表現力が増えるので、非常に楽しい。
電子ピアノのメリットとデメリットを知ろう
電子ピアノのデメリット
電子ピアノ最大のデメリットは、音質がアコースティックピアノに劣るという事だろう。音源が録音や仮想音である電子ピアノは、実際に音を出すアコースティックピアノには遠く及ばない。くわえて未だ発展途上なので、数年ごとにより進化した新しいモデルが出るため、半永久的に使えるとは言えない。
電子ピアノのメリット
しかし、電子ピアノはメリットもかなり多い。
まず、ヘッドホンを使えるので近隣の迷惑を気にしなくて良い。防音室の無いマンションでも使えるし、夜間でも練習できる。むしろアコースティックピアノを設置しても問題ない環境のほうが少ないだろう。
さらにアコースティックピアノと違って調律が必要ないので、調律師を呼ぶ手間を省ける。
また、機構的にコンパクトに設計できるため、高さと奥行きがあまりなく、部屋に設置しやすい。
電子ピアノと他のピアノの違い
項目/種類 | 電子キーボード | 電子ピアノ | アップライトピアノ | グランドピアノ |
---|---|---|---|---|
価格 | ◎ | 〇 | △ | × |
大きさ | × | △ | 〇 | ◎ |
重さ | ◎ | 〇 | △ | × |
音質 | △ | △ | 〇 | ◎ |
ヘッドホン対応 | 〇 | 〇 | × | × |
デジタル/アナログ | デジタル | デジタル | アナログ | アナログ |
電子キーボードと電子ピアノの最も大きなメリットは、場所をとらないことと、価格、そしてヘッドホンを使えることだ。
ヘッドホンを使えば近所迷惑を意識しなくていいし、夜間でも練習できるので様々な家庭、環境にフィットさせやすい。
グランドピアノよりは省スペースなアップライトピアノも、音が小さいわけではないので、防音環境が整っていないと使いづらい。
電子ピアノと電子キーボードの差は、電子ピアノのほうがピアノに近く鍵盤数やペダル有無はピアノと似ている。しかし移動させづらく、殆どアップライトピアノと同等の配置スペースが必要となる。
持ち歩き可能と言えるのは電子キーボードだけで、専用のケースやスタンドをオプション品として購入できる機種が多い。