iPhoneやiPadの音楽をスピーカーで再生したいとき、ワイヤレス型が便利です。Bluetoothスピーカーも魅力的ですが、さらに接続が簡単で高音質なAirplay対応スピーカーのおすすめモデルをご紹介します。
目次
Airplay対応Wi-Fiスピーカーとは
Apple社が開発したAirplay規格に対応したスピーカーを指しWi-Fiスピーカーの1種だ。
Airplayとは、Wi-Fi接続を利用して、iPhoneやiPadなどの再生機器と対応するスピーカーやモニターを簡単に接続し、音声や映像のストリーミング再生を行うApple社独自技術だ。
Airplayのメリット
高音質
Airplayでは「Aplle Lossless」エンコーディングという可逆圧縮方式エンコーディングでデータ伝送を行うため、無線を経由することによる音声劣化が殆どない。
Bluetoothであれば例え高音質なapt-X、AACコーディングに対応していたとしても、そもそもBluetoothは可逆圧縮に対応出来るほどの通信帯域もないため、必ず劣化が発生する。
Wi-FiはBluetoothの何十〜何百倍もデータ伝送量が多いため、Airplayではその特性を活かして高音質化を実現している。
接続が簡単
同じワイヤレススピーカーでも、Bluetoothタイプのものは「ペアリング」という手間が必要となる。
尤も、30秒もあれば確実に完了する作業なので大した手間ではないが、スピーカー側でペアリングを記録できる台数は限られており、複数デバイスを登録できず、毎回ペアリングの手間が発生する、という事態にもなり得る。
Airplayはペアリングを必要とせず、単純に同じWi-Fiに繋がっていれば直ぐ様ストリーミング先として選択できるというストレスのない仕様となっている。(先の図の様に出力先の選択が可能だ)
イヤホンで音楽を聴きながら帰宅、そしてシームレスにスピーカーにストリーミングを切り替え、というリスニングを中断しない音楽環境が手に入るのだ。
Apple機器ユーザーは、スピーカーを手に入れるならBluetoothだけでなくAirplay対応のものを選んでこのメリットを享受されたい。(Windowsも一部アプリで利用可能)
おすすめのAirplay対応Wi-Fiスピーカー
harman/kardon AURA PLUS
ハイファイオーディオの名ブランドharman/kardonのAirplay対応スピーカー。コンパクトなボディでありながら、クリアな高音と豊かな低音の再現を実現。
また無指向性であるため室内のどこにいても高音質を体感できる。美しいフォルムはそれだけでインテリアに優美さが加わる。
Airplay以外にもBluetooth/DLNA対応なのでAppleデバイスユーザー以外にもおすすめ。SpotifyのHi-Fiサウンドを流してみるなどいかがだろうか。
Bowers&Wilkins Zeppelin Wireless
英国の高級スピーカーブランドB&Wの美しくスタイリッシュなAirplay対応スピーカー。
BluetoothもaptX/AACに対応しており高音質。Spotifyコネクトに対応しているのでHi-Fiサウンドストリーミングに最適なモデルだ。
高いインテリア性とともに実績ある高品位なB&Wサウンドを愉しもう。
JBL Authentics L16
ウォルナットの木目が美しい、300Wの出力を備えた本格派スピーカー。
Bluetooth、NFC、AirPlay、DLNA、光デジタル、アナログ入力と入力方式が多様。レコードプレーヤーを接続するのもう良いだろう。
アコースティックでインテリアに映えるデザイン性、そして高出力なHi-Fiサウンド、多様な接続方式による利便性。
どこをとってもJBLのこだわりが体現されている本プロダクトで、本格的なオーディオシステムを構築しよう。
Bang&Olufsen A9 MKII
デンマークの高級ブランドB&Oより、洗練されたデザインのAirplay対応スピーカー、A9を紹介したい。
MoMAのコレクションにいくつものプロダクトが選ばれているB&Oのハイセンスなデザイン性。落ち着きと存在感を兼ね揃えたスタイリッシュなフォルムが特徴的な本機にも同様に反映されている。
デザインだけではない。特許取得技術で作り出したスピーカーシステムでワイヤレスでありながらパワフルな低音域が響き渡る。
各種ワイヤレス接続にUSB端子やアナログRCA接続も対応し、様々な接続方式で音楽再生を楽しむことができる。
最高のデザインと、パワフルなサウンドで自宅をミュージアムに変えてしまおう。
GGMM M4
ドイツのレッドドットデザイン賞の受賞プロダクト。
クラシカルで高級感のある木製ボディ、手作業で貼り合わせされたレザー、これほど持ち運ぶことに喜びを覚えられるスピーカーがほかにあるだろうか。
接続方式もAirplayは勿論、Bluetoothにも対応しており様々な機器で、音楽/動画/ゲームなどいつでもどこでも楽しむことができる。
8時間の連続再生が可能なのでピクニックやバーベキューなど、アウトドアシーンでも安心できる。
M4をレザーストラップで肩から提げて出かけにいこう。
Airplay対応Wi-Fiスピーカーの選び方
バッテリー駆動か
Airplay対応スピーカーはワイヤレスというロケーションフリーのニーズに合わせて、バッテリー駆動に対応しているものもある。
充電池式を選んで、時には固定箇所で、時には机の上で、どこでも楽しみたい場合は、連続再生時間/充電時間の長さも確認しておこう。
使用周波数帯域はなにか
ほぼ全てのプロダクトが汎用的な2.4GHz帯使用の仕様となっているが、5GHzを利用できる仕様で、かつ自身の無線LANルーターも5GHzに対応している場合は5GHz対応スピーカーを選ぶと、より周囲の電波に影響されにくく安定した再生が可能となる。
音質はどうか
スピーカーの再生周波数帯域に注目しよう。
ただAppleLosslessEncoding(通称ALAC)自体は一般的なハイレゾ以上のクラスに対応しているのだが、Airplayでは48kHz/16bitというレートにダウンサンプリングされるため、どんなにスピーカー側がハイレゾ対応していても、CDよりも少しばかり良い音質でしか再生できないので、48kHz以上のハイレゾ再生は諦めよう。
接続方法は何があるか
Androidスマホやwalkmanとの有線接続やBluetooth接続を行いたい場合もあるだろう。
Airplay以外にどの接続形式に対応しているかも確認しておくと、今後のリスニング環境のスケールにも柔軟に対応できるはずだ。
Airplay利用時の注意点
接続機器全てが対応しているか
Airplay対応機器同士は、Apple社開発のBounjourというプロトコルでやり取りをしている。
プロトコルの意味ついては詳細を割愛するが、機器がお互いを認識し合い、共通言語でデータを送り合う仕組みだと簡単に認識してもらえればよい。
Apple社製品は勿論、各社のAirPrint対応プリンタ/スキャナなど、どれも基本的にこのプロトコルに対応している。
しかし通信の中継地点である「無線LAN(Wi-Fi)ルーター」側でAirplay/AirPrintを止めてしまう場合がある。
Airplay/AirPrint対応機器が互いを認識しない状況は、安価な無線LANルーターや、企業内でルーター上でセキュリティ制限をかけている場合に発生しやすい。
またBonjourは企業向けのハイエンド無線LAN機器でない限り、原則別のネットワークに抜けることは出来ないので、家庭内でルーターを2つ以上経由してAirplay対応機器を接続している場合も互いを認識しない。
折角手に入れたのに使えないということにならないように、自身の接続環境をしっかりと確認しておこう。
またスピーカー側で有線LAN接続を必要とするモデルもあるので、完全無線を求める方は注意しよう。
無線の干渉源がないか
AirplayはWi-Fiを利用して接続するが、多くの製品が2.4GHz帯の通信帯域を利用して接続する。
Wi-Fiは2.4GHz帯と5GHz帯、どちらかの電波を利用して通信を行う。執筆時点現在では2.4GHz帯の電波は、使用機器は非常に多く、電波干渉が発生しやすい。他のWi-Fi対応機器全て、Bluetooth、電子レンジなど様々だ。
周りに干渉源が多いと確実にデータロスが発生して音質が劣化するため、強い干渉源のの少ない所でAirplayスピーカーを使用することが望ましい。
また、その状況を避けるべく各社注力している5GHz帯対応製品を利用すればこれは緩和される。なお携帯電話のキャリア通信は1GHz以下を利用しており干渉に影響しないので安心されたい。
最後に
いかがだろうか。ワンタッチですぐに音楽をスピーカーにシェアできるAirplayは一度使うとやめられないほど便利で最先端の技術だ。
高品質なAirplay対応スピーカーを手に入れて、ストレスのない自由な音楽ライフを楽しもう。
※本記事のワイヤレス関連技術情報は、専門資格を有するディレクターによる監修を受けたものです。