5.1chスピーカーは、ホームシアターやPC、PS4などで迫力の立体音響を実現してくれます。最近では設置が簡単なワイヤレスタイプや、バータイプのものが登場し以前よりもずっと手軽になりました。今回はその選び方を踏まえた上でおすすめの機種をご紹介します。
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5.1chスピーカーとは
5.1chスピーカーはどんな時に使う?
2.0、2.1chスピーカーは音楽から映画、ゲームまで汎用的に用いられる。
しかし5.1chはもう少し用途が限られる。
5.1ch専用に録音された音楽や、テレビに接続して映画鑑賞をする、あるいは本格的にホームシアターシステムとして使うなどが考えられる。
PCやPS4などでゲームをする人にも人気だ。特にFPSでは音で方向を判断できるためニーズが高い。
つまり実際に360度から音が聴こえてくるような場面を再現したいときに使う。
なお通常の音楽は2.0chスピーカーで再生することを前提に2.0chでマスタリングされているので、5.1chで再生すると不自然な定位感や強調が発生してしまい、再生に不向きだ。
なおホームシアター向けのスピーカーについては、「ホームシアタースピーカー2つのタイプと選び方。ワイヤレスなど、おすすめ製品も比較」の記事でも紹介しているので参考にすると良いだろう。
2.1ch 3.1ch 5.1ch 7.1chと何が違う?
スピーカーの設置数によりch数が異なる。サブウーファーは増えると0.1ch増える。
chが大きいほど、スピーカー間の距離が近くなり、自然なサラウンド感と迫力あるサウンドになる。
各chの詳細や配置・設置方法は後述する。
チャンネル | スピーカー配置 |
2.0 | フロント左右2本 |
2.1 | 2.0+サブウーファー(重低音のみ再生) |
3.1 | 2.1+フロントセンター(人の声) |
5.1 | 3.1+リア左右2本 |
7.1 | 5.1+リアセンター2本 |
▲ チャンネル数とスピーカー配置の関係
5.1chサラウンドスピーカーおすすめ機種
Pioneer (パイオニア)バーチャルサラウンドシステム HTP-S767
パイオニアの本格的なサラウンドシステム。
ドルビーTrueHD/DTS-HD/MPEG2-AACなど多様なフォーマットに対応しており、さらに4K対応HDMI端子を備えているため、高精度な映画鑑賞を得意とする。
さらに本機はバーチャルサラウンドシステムとして動作し、仮想的に11.1chを体感できる。
Bluetooh接続も可能なので、ソファに座りながらモバイルの音楽を再生するのも良いだろう。その際、BluetoothはAAC/apt-Xに対応しているため高音質で伝送が可能だ。
インテリアとしても美しいトールボーイスピーカーを採用しているため、本格的な機能に加えデザイン性も求める方におすすめのモデルだ。
スピーカー間の接続は有線なので注意されたい。
YAMAHA(ヤマハ) フロントサラウンドシステム SRT-1500
機能性の高さが売り
YAMAHAのSRT-1500は、機能性の高さに驚かされる。まず本機はテレビの下に置くだけという、どの家庭でも配置に悩まないシンプルなレイアウトだ。
1箇所で5.1chサラウンドが可能なのかと疑問に思うかもしれないが、本機は壁面の音の反射を利用するフロントサラウンドというタイプのバーチャルサラウンドシステムである。
それを実現しているのはボディ中央にある、8個の2.8cm口径ビームスピーカーだ。指向性をもった音波を壁面に反射させて、リアルなサラウンド効果を体感できる。
さらに底面には2個の8.5cm大口径サブウーファーを左右に内蔵。フロント両端には4cmx10cm口径のL/Rスピーカーを搭載している。0.2chによる迫力ある重低音と、伸びのあるクリアな中高域が心地よい。
汎用性の高さも光る
そして4Kフォーマット対応のHDMI端子を装備している。
さらにWi-Fi(無線LAN)接続にも対応しており、スマホやタブレットの音楽をBluetoothよりも高音質に聴くことができる。専用アプリはネットラジオ再生にも対応している。
もちろんBluetoothにも対応しているため、iPhone/Android/PCなど多くのデバイスから再生可能だ。
さらにApple社のAirPlayにも対応しているのでiOSデバイスユーザーは簡単にサウンドを再生できる。
シンプルな設置で高音質なサラウンド効果を得たい、そして利便性も欲しい。本機はそんな欲張りな方におすすめしたい。
タイプ:バータイプ, チャンネル数:5.1ch, スピーカー構成:センター, ワイヤレススピーカー:非対応
DOLBYサラウンド:DOLBY DIGITAL, DTSサラウンド:DTS, その他サラウンド:非対応, AAC:対応, プレーヤー:非対応, チューナー:非対応
最大出力:30Wx2+2Wx8+60W, 待機電力:0.4W
デジタル音声入力:光x1, HDMI入力:1, HDMI出力:1, HDMIリンク:対応, MHL:非対応, ARC:対応
ネットワーク機能:有線LAN/無線LAN, DLNA:対応, インターネットラジオ:対応, AirPlay:対応, Bluetooth:対応, デバイスポート:非対応, アプリコントロール:Android/iOS
SONY(ソニー) リアルサラウンドシステム HT-RT5
4Kにも対応するソニーの本格派リアルサラウンドシステムだ。
フロントはバータイプの薄型スピーカーでテレビ前に置いても邪魔にならず、サブウーファーとリアスピーカーもコンパクト。
スタイリッシュなリアルサラウンドシステムを求めている方にはおすすめのモデルだ。
Bluetooth接続にも対応しているのでモバイルなどから好きな音楽を送信することも可能。なお、ソニーの高音質コーデックである「LDAC」もサポートしているので、同じくLDAC対応の機器からはハイレゾ音源が再生できる。
ソニーブランドの高音質な音響環境を手にしてみてはいかがだろうか。
YAMAHA YAS-203
5.1chよりも細やかな7.1chに対応したバーチャルサラウンドシステム。
Bluetoothに対応し専用モバイルアプリもあるので、スマホやタブレットからの操作が簡単。
大口径サブウーファーを搭載したダイナミックでクリアなサウンドに定評がある。
SONY HT-ST9
DSD(5.6MHz/2.8MHz)やWAV・FLAC(最大192kHz/24bit)などのハイレゾ音源に対応した本格的なサラウンドシステム。
各スピーカーが合計8個のデジタルアンプでそれぞれ駆動し高いサラウンド感を得られる。
BluetoothはLDACに対応しているので、対応するWALKMANなどからハイレゾ音質でワイヤレス再生が可能だ。
ゲームや映画など大迫力で楽しめるので、PS4など含めてSONYユーザーには最高に相性に良いだろう。
YAMAHA YHT-903JP
薄型フォルムでスタイリッシュに設置が可能な、リアルサラウンドパッケージ。
有線/無線LANと接続し、ネットワークオーディオプレーヤーとして使ったり、BluetoothでAppleのAirPlayを楽しめるなど、ネットワーク機能が充実。
リーズナブルなセパレートタイプのシステムで、次世代機能を搭載したモデルを選ぶなら本機がおすすめ。
YAMAHA YAS-107
最新のバーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」に対応した同社YASシリーズのニューモデル。フロント、リア、左右だけでなく上下の音場も再現するのが特徴。
またHDMI端子は4K/60p3映像伝送、HDR映像伝送 、HDCP2.2に対応しており、Ultra HD Blu-rayなどの高画質コンテンツも立体感ある音場で楽しめる。
ソニー ホームシアターシステム HT-IV300
リアルサラウンドで低価格帯を狙うなら、おすすめの商品。5.1chとはいえ、各スピーカーが小型なためそこまでの場合もとらない。
5.1chスピーカーの選びかた
置き方/配置の仕方
5.1chスピーカーは、テレビやスクリーンを正面としたときに、
- フロントスピーカーを左右に置く(正面基準に左右30°程度が理想)
- テレビの後ろ(フロントスピーカーの中央)にフロントセンタースピーカーを置く
- リアスピーカーを左右、若干後ろの方に置く(正面基準に左右115°程度が理想)
- サブウーファーはお好みで置く
以上の手順で配置すると良いだろう。なお、設置角度は目安となる。製品によって推奨角度があれば、そちらに従って欲しい。
6.1chの場合は、1~4にプラスしてサラウンドバックスピーカーを真後ろに置く。
リアスピーカーの高さは?
リアスピーカーは、高い位置に置いた方がサラウンド感が増す。目安は座った時の頭の位置より少し上あたりだ。そのため5.1chスピーカーシステムはトールボーイスピーカーを採用しているものも多い。
サブウーファーの位置は?
サブウーファーは低音のみを再生し、基本的に無指向性のサウンドであるため、極端でなければ左右にずれてしまってもかまわない。理想はフロントセンターの足元だろう。
そしてサブウーファーは高所には置いてはいけない。重量があり落下すると事故を引き起こす恐れがあるため、飽くまでも足元に置こう。
なお、ホームシアターシステム導入について2.1chスピーカー以外にも包括的に知りたい方には「ホームシアターの作り方完全版。初心者向けおすすめホームシアターセットも」という記事でも紹介しているので参考にされたい。
リアル/バーチャル/フロントサラウンドで選ぶ
リアルサラウンド
リアルサラウンドは、5.1chなら6本、6.1chなら7本、そのままスピーカーを置いて音を鳴らすことを言う。バーチャルサラウンドよりも迫力ある音を楽しめるので、本格派に是非おすすめしたい。
バーチャルサラウンド
バーチャルサウンドとは、一言で言うと、少ないスピーカー数で”多くのスピーカーで鳴らしたかのような音”を出す技術だ。例えば、2.1chや3.1chなど、前方に置いたスピーカーだけで、5.1chや7.1chスピーカーを表現する。
仕組みを端的に言うと、”音源の方向がわざと間違って聞こえるように”音を前方のスピーカーから出し、聴覚の錯覚で後方から聞こえるようにしている。人間は同じ音が大きく聞こえると、近づいてくると錯覚する、そんな原理だ。
もちろん、バーチャルサラウンドは完璧ではなく、スピーカーの位置によって、上手くサラウンド感が出ないこともある。手軽にサラウンドを楽しみたい人向けだ。
フロントサラウンド
フロントサラウンドもバーチャルサラウンドと同様、スピーカーの音を変化させるが、大きく違うのは「壁面反射」を使う点だ。視聴位置に左右されないため、フロントサラウンドの方がサラウンド感が強い。
スタイリッシュに設置できる上、最近ではテレビメーカーの純正スピーカーがこの形式を採用しているなど、主流になりつつある。
接続方法
主流であるHDMI入出力端子を備えているか確認しよう。4Kテレビに接続する場合は、HDMI端子も4K対応である必要があるため、対応フォーマットにも注意されたい。
ゲーム機やオーディオ再生機器と接続するなら光デジタル端子や、アナログ端子も備わっているか確認しておくと、幅広い用途で使えるだろう。
また、BluetoothやWi-Fiなどワイヤレス接続ができると、iPhoneやAndroidなどモバイルデバイスの複数接続が容易となるため、対応機種を選ぶのも良いだろう。
機能・仕様
昨今ではハイレゾ対応も重要な要素だ。ただし、ハイレゾ音源を再生されたい場合は、どのフォーマット(FLACなど)が再生可能か確かめておこう。
またドルビーのサラウンド規格などの対応フォーマットも注意しておきたい。DVDでは非対応の、Blu-rayなど次世代ディスク向けサラウンドフォーマットが存在する(Dolby TrueHDなど)。サウランドスピーカーがそれに対応していない場合、そのBlu-rayを再生しても本来のサラウンド感は得られない。
最後に
いかがだろうか。
想像以上にサラウンドシステムが手軽で身近なものに感じたのではないだろうか。
外部音響システムを前提としたテレビも多いので、手始めにサラウンドシステムを導入するには2.1chスピーカーからスタートしてみてはどうだろうか。