オーディオ好きであれば憧れる人も多い「トールボーイスピーカー」。一般的なスピーカーと比較してどんな利点があるのでしょうか。今回はヤマハを始めとするトールボーイスピーカーのおすすめ機種と選び方をご紹介します。
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トールボーイスピーカーとは
トールボーイスピーカーとは、文字とおりスピーカーの背の高い(Tall Boy)棒状のタイプのスピーカーを指す。床置タイプのフロア型とも呼ばれ、楽器屋さんなどで見かけたことがある方も多いと思うが、部屋の中に置くとかなりの存在感があるサイズ感。ホームシアタースピーカーとして使用されたり、音楽鑑賞として使用されたりしている。
一般的なブックシェルフ型とは何が違う?
ブックシェルフ型とは、その名の通り本棚に入る位のサイズのスピーカーを指す。トールボーイスピーカーとは違い床置タイプではなく、机やテーブルの上に置いたりできるのが特徴。ユニットと呼ばれる音の出る部分も1つの場合が多い。
トールボーイスピーカーが得意なこと・苦手なこと
トールボーイは低音がお得意
トールボーイスピーカーは幅・奥行きが小さい分縦長で、ユニットも複数ある。そして小口径にしては低音域特性が良い。
ウーファーと呼ばれる低音担当のユニットは、8~16cm程度の小口径のものが搭載されている。
ある程度の価格のものになると大口径レベルの低音サウンドを出すために、ウーファーをダブル駆動やクワッド駆動にしている機種もある。
複数のユニットで質の高い低音を出せるので、映画等の迫力ある効果音を出すのが得意という特性も併せ持つ。
バイワイヤリング接続でクリアな音質に
トールボーイスピーカーのもう一つの特性は、バイワイヤリング接続にも対応している点だ。バイワイヤリング接続とは、その名の通り各ch(各スピーカー)2本ずつケーブルを使う方法だ。
ブックシェルフ型によく採用されているシングルワイヤリング接続だと、接続端子が1組しか付いておらず、高域部分と低域部分の信号が干渉してしまう。
バイワイヤリングでは音声信号を分離出力できるため干渉が起きず、音質が良くなる。
定位表現が苦手
定位表現とは、例えばコンサートのDVDを見ているときに、ボーカルの位置をスピーカーのスレレオ環境で表現することを言う。
トールボーイスピーカーは前述の通り、音の出るユニットが複数あることで定位表現が苦手な傾向にある。
トールボーイスピーカーのおすすめ機種
ヤマハのトールボーイスピーカーは、5つのグレードから選ぼう
最もリーズナブルな機種だが満足度は抜群。「NS-F210」
おすすめポイント
- ヤマハのトールボーイスピーカーの中でも、最もコンパクトかつ軽量なモデル
- 2本購入しても2万円以下というリーズナブルな価格帯
- インテリアにも合うウッド調でシックなデザインも◎
トールボーイスピーカーのエントリーモデルとしての人気も高い機種。
まずは2本フロントスピーカーとして購入し3.1chを楽しみ、後からリアスピーカー用の2本購入して5.1chを構築する人も多い。
使い方や予算次第で付け足し購入できる手軽さも良い。
低音に迫力があるがうるさすぎないので、ホームシアターなど映画鑑賞にももってこいだ。
低音に厚みを持たせた上位機種。「NS-F500」
おすすめポイント
- ヤマハのトールボーイスピーカーの中でも、低音がよく出るモデル
- 黒鏡面ピアノフィニッシュ仕上げで、かなりスタイリッシュなデザイン
- ハイレゾ音源も対応
ヤマハの低~中価格帯機種と比べて、最大出力が上がり、16cmコーン型ウーファーが追加されたモデル。
スピーカーはヴォーカル帯域の質感にこだわった3ウェイ構成で、更にハイレゾ対応もしている。
またサブウーファーにもこだわり、Soavoシリーズの「Soavo-900SW」に引き続いてフロントファイアリング(前方放射)型、A-PMD振動板を採用。
ダイレクト感のある重低音を実現。エイジングが完了すると、小音量でも低域の雰囲気が出るほどの仕上がりに。
ヤマハ、低中高音文句なしの最上位機種は「NS-700」
おすすめポイント
- 低音・中音・高音ともにバランスが良く、聞くジャンルを問わない
- ハイレゾ音源も対応
- ラウンドフォルムのインテリアに馴染む高級感あるデザイン
ヤマハの最上位機種はNS-700。DC-ダイヤフラム方式ドームツィーターにより、スムースで情報量豊かな超高域再生を可能にした。
またヤマハオリジナルのアドバンスドPMD(Polymer-Injected Mica Diaphragm)を振動板に採用したA-PMDミッドレンジ/ウーファーにより、NS-700シリーズ特有のパワフル&タイトな中低音を生み出している。
量感がしっかりしており、キレも良く音場感も評価されている。
NS-F210とNS-F500とNS-700の比較
ご紹介したNS-F210とNS-F500とNS-700の比較を記載しておく。これ以外にも、中価格帯にNS-325FとNS-F500があるので、気になる方は「ヤマハのトールボーイスピーカー一覧」を参考にしてほしい。
項目 | NS-F210 | NS-F500 | NS-700 |
---|---|---|---|
概要 | アルミコーンウーファー搭載フロア型スピーカー | ヴォーカル帯域の質感にこだわった3ウェイ構成 | オールラウンドな魅力を備えた本格3ウェイ構成 |
スピーカーユニット | 8cmコーン型ウーファー×2、 2.2cmバランスドーム型ツィーター |
16cmコーン型ウーファー、 13cmコーン型ミッドレンジ、 3cmアルミドーム型ツィーター |
16cmコーン型ウーファー、 13cmコーン型ミッドレンジ、 3cmアルミドーム型ツィーター |
再生周波数帯域 | 50Hz~45kHz(-10dB)、 ~100kHz(-30dB) |
40Hz~50kHz(-10dB)、 ~100kHz(-30dB) |
45Hz~50kHz(-10dB)、 ~100kHz(-30dB) |
インピーダンス | 6Ω | 6Ω | 6Ω |
最大入力/許容入力 | 120W/40W | 160W/40W | 160W/40W |
出力音圧レベル | 86dB/2.83V、1m | 88dB/2.83V、1m | 89dB/2.83V、1m |
クロスオーバー周波数 | 8kHz | 580Hz/4.1kHz | 700Hz/4kHz |
ソニーの「SS-CS3」は、King of コストパフォーマンス
ソニー 3ウェイ・スピーカーシステム(1台) SS-CS3
おすすめポイント
- 比較的小型タイプなので、6畳~10畳ほどの部屋におすすめ
- ハイレゾ再生も対応。帯域の広さとクリアを感じる音質
- 高音と中音は上位機種にも負けない
広い指向特性がもたらす自然な音の広がりにより、クリアかつタイトな高音質をしっかり出してくれる。
1台3~5万円以上する機種と比較すると、低音の厚みは少し劣るかもしれない。
5.1chサラウンドスピーカーとしての利用にも定評がある。フロント・リアスピーカーの同一機種の効果と、センタースピーカーによる台詞の明瞭化、SWの重低音はホームシアターにぴったり。
ONKYO(オンキヨー)の人気機種
定番のD-509E
サブウーファーが不要なのではと思うほど低音をしっかり鳴らし切れるウーファーユニットを搭載。バスレフダクトに吸音スポンジを設置して低音調整を行うことも可能だ。
中高域はONKYOらしい聴きやすい耳にスッと入る音が特徴。
幅広い支持を得ており、エントリーユーザーにもおすすめできる1台。
1台1万以下のD-077Eは、サブウーファーでグレードアップがおすすめ
おすすめポイント
- 買い足しにより5.1chホームシアターシステムへ発展が可能
- スリムでコンパクト、軽量なデザイン。部屋の景観を乱さない
- 圧倒的なリーズナブルさ
単体のパフォーマンスで言うと、やはりボディに質量がないため低音が出にくいという性質はある。
AVアンプでの設定やパッシブウーファー(サブウーファー)の設置により、何倍ものパフォーマンスを出せる。
結果的に低コストでのスピーカーシステムの構築が可能となる。
1台1万以下のD-077Eは、サブウーファーでグレードアップがおすすめ
おすすめポイント
- 中~高音域の音質がクリア
高音から中音の音質には定評がある。
先程のモデル同様、1本数万円するモデルと比べて少し低音は弱い印象。
サブウーファー等を追加せずに最低限楽しみたいという方におすすめだ。
DENON SC-T37-Kはホームシアターにも
おすすめポイント
- ピアノブラックで艶やかなスタイル
- ハイレゾ対応
- 奥行きを抑えたスタイリッシュデザイン
DENONらしい、繊細で歯切れの良い中高域が特長。低域はウォーミーな印象のモデル。
フロア型でスピーカースタンドも不要なため、ホームシアター用途としても敷居が低いだろう。
その他の37シリーズと組み合わせてサラウンド環境を拡張するなど出来、入門者からオーディオ好き両者におすすめ。
Pioneerのハイコスパな人気モデルはこれ
高級感溢れるS-LM2シリーズ
低価格ながらもラウンドフォルムを採用し、高級感溢れるデザインに仕上がっているパイオニアのエントリーモデル。
中高域が綺羅びやかに伸び、パイオニアのイメージにしては中低音は少し細めのチューニング。この価格帯では十分な音質をもつ。
同シリーズを揃えて5.1chに拡張することで最大のパフォーマンスを得られるだろう。
audio pro のハイコスパスピーカー
AVANTO FS-20
3ウェイ4ユニットバスレフ型のスピーカー。
際立つのはサイドに設置された203mmの大口径ウーファーユニット。迫力の重低音を鳴らしてくれる。
くっきりした音色で、JBLなどのこもったウォーミーサウンドが苦手な方にはおすすめ。
デザイン性の高さも魅力のひとつだ。
DALI ZENSOR 5
深く広がる豊かな低音が特徴的なスピーカー。ウーファーが不要なほど量感があると感じるだろう。
中高域はクリアさが特徴で、刺さらない聴きやすい仕上がりになっている。
価格以上の音質を響かせてくれるハイコスパなモデルだ。
JBL STUDIO 280
STUDIO 2はエントリーユーザーを意識した人気シリーズだ。
280はカリフォルニア州ノースリッジのJBLラボで競合製品とブラインドテストを行いながら設計されており、JBL独自のホーン技術など採用しつつも、これまでのJBLサウンドとは異なり、ユーザーニーズに沿ったサウンドに仕上がっている。
クリアでメリハリのある、昨今のホームシアター需要を満たすバランスの良いチューニングが特徴的だ。
トールボーイスピーカーの選び方
聞く音楽のジャンルで選ぶ
トールボーイスピーカーは、もちろんスペックで選ぶのも良いが、スペックが高いからと言ってその人に適したスピーカーだとは限らない。J-POP、アニソン、演歌、ライブ、ロック、ドラマ、ジャズ、クラシックなど、聞くジャンルによって、最適なスピーカーは変わる。
一般的にトールボーイスピーカーは低音が得意と説明したが、低価格帯のものは、「低音はまぁまぁで、中~高音は得意」といったものも多く見られる。このように低音をそこまで重視しない方は、低価格帯でも良い場合もあるのだ。
また、低価格帯のスピーカーでもサブウーファーを付け足せば低音を補完できる場合もあるので、選択肢に入れておくとよい。
拡張性で選ぶ
ご紹介したスピーカーの中にもあったが、ホームシアターセットやスピーカーシステムの1つのパート(フロントスピーカー)としてトールボーイスピーカーが販売されている場合もある。
次にサブウーファーやリアスピーカーなどのサラウンドスピーカーを付け足す場合に、もしあまり機器に詳しくない方であれば同シリーズの製品を選べば良いので楽だ。
まとめ
いかがだっただろうか。ご紹介した他にも海外メーカーでハイエンドかつ高品質なな製品を販売している「ダリ」や、比較的低価格帯が強いデノン(denon)、JBL、モニターオーディオ(Monitor Audio) 、オーディオプロ(audio pro) などが有名だ。予算や価格、ch数をどう展開していくかなどを含め、決めていってほしい。