ワコムを筆頭にプリンストンやゼブラ、ソニーなど多くのメーカーがスタイラスペンを販売しており、ペン先が細いものから筆圧検知ができるものまで製品スペックも多種多様。その中から一体どのモデルが良いのか、比較ポイントと併せてご紹介します。
目次
スタイラスペンとは
所謂「タッチペン」という呼称でも知られており、iPhoneやSurfaceといったタッチパネルをもつデバイスを操作できるポインティングデバイスの一種だ。
ただ本来の意味では、尖ったペン先で柔らかい素材に文字を彫るタイプの古典的なペンを指す言葉である。
これまでスマホやタブレット向けのスタイラスペンの多くは太いペン先で実用性に欠けていたが、近年ペン先が細いモデルやディスク型の視認性の高いモデルが多く登場し、再び注目を集めている。
そんな中でもおすすめのモデルを紹介していこう。
おすすめスタイラスペンを比較
STAYER FinePointProAdvance
▼評価No.1ベストバイ▼
STAYERの極細スタイラスペン。他製品と比較して断トツの口コミ評価を誇る。迷ったらこれをおすすめしたい。
ボールペンの様な書き心地で、感度調整機能があるので保護フィルムの上からでも書きやすい。
FiftyThree Pencil
▼抜群のデザイン性と高機能性▼
FiftyThreeのPencilシリーズのうちWalnutモデルがこちら。
斜めで描くことも想定した、リアルな描き心地を実現したスタイラスペン。商品名の通り、紙と鉛筆を再現することに徹底的にこだわったプロダクトだ。
シンプルで美しいデザインも魅力的。
MEKO 超極細スタイラスペン
▼1.5mmの超極細▼
1.5mmという超極細のペン先をもったスタイラスペン。
セットで7mmのラバー式のペン先(パッシブ)も付属する。シャーペンのような細さを求めるならこのプロダクトがおすすめだ。
PRINCETON PSA-TPAT
▼筆圧低めの方におすすめ▼
太くて握りやすいプリンストンのスタイラスペン。
元々転がりにくい形状だが、耐衝撃ダンパーを内蔵し、アウトドアや作業現場など負荷がかかる危険性のある場所でも安心して使える。
aibow極細スタイラスペン
▼とりあえず使ってみたい方へ▼
反応がよく文字を書きやすいスタイラスペン。
保護フィルムとの相性もよくリーズナブルな価格でコストパフォーマンスの高いプロダクトだ。
Adonit PIXEL
▼スタイラスペン定番製品▼
1.9mmの極細のペン先は、紙面のような滑り心地を実感できる。
また2000レベル以上の筆圧感知に対応し、イメージ通りの描画を実現。
Bluetoothでタイムラグと精度の改善を行っており、iPad、iPhoneユーザーにストレスフリーなドローイング体験を与えてくれるはずだ。
Wacom Bamboo Fineline2
技術力の高さが光るWacomのアクティブスタイラスペンの最新版。
ペンタブにおいてもAdobe製品との親和性が高く、本製品もAppleStoreの各種Adobeアプリで快適に動作する。
なお、たまにスタイラスペンを正しく理解していない人の酷評を見かけるが、どんなスタイラスペンでもWacomお家芸の電磁誘導式ペンタブの書き心地に敵うはずがないので、そうした期待は抱かぬように。
ATiC 充電式スタイラスペン
フル充電で12時間稼働という長時間使用が可能な充電式スタイラスペンだ。
導電繊維で快適な滑りを実現している。
オートスリープにも対応しており、長時間使いたい方にはおすすめだ。
Acase Active Sense
程よい太さと重さで書き心地のよいスタイラスペン。
iPhone7やPlusでは特に良好な反応だが、それ以外のデバイスでもし反応が悪ければ感度調整をしてみよう。
BUFFALO BSASP1BK
BUFFALOの細型ペン先のスタイラスペン。
2.6mmと極細ではないがラバー製ペン先は画面を傷つけにくく、音も大きくないので使いやすい。
2.6mmであれば7-8mmが標準のパッシブスタイラスペンよりも十分視認性が高いので、極細にこだわらないのであれば選択肢に含めてよいだろう。
ELECOM P-TPLFBK
パッシブ型で2.5mmの細さを実現したスタイラスペン。
パッシブなので、とにかく安い。
コスト重視で細型のペン先のモデルを探している方は1つの選択肢となるかもしれない。
ディスク式スタイラスペンという選択も
ディスク式スタイラスペンとは?
ディスク式スタイラスペンとは、
- 感度が良い
- 描く角度が固定できる
- 円盤が透明で視認性もある
というメリットがある。超極細ペンが予算的に合わない方にもおすすめしたい。
Adonit Jot Pro 2.0
▼ディスク式ベストバイ▼
Adonitのディスク式パッシブスタイラスペン。
視認性の高い透明ディスクは最適な描画角度の維持をサポートしてくれる。パッシブスタイラスペンの中では特に使いやすいモデルの1つだ。
どうしても極細モデルは基本的にアクティブ式になり、コストも高くなってしまう。予算に合わない場合はパッシブ型でも感度の良いディスク式を選ぶとよいだろう。
Dimples Excel 2in1スタイラスペン
▼2in1の高コスパ製品▼
2本組でディスク式ペン先と導電繊維式ペン先の替え芯が付属した、非常にコストパフォーマンスの高いパッシブスタイラスペン。
デバイスや利用シーンに合わせてペン先を替えたいときもあるが、このプロダクトならその課題を解決してくれる。
便利なペンホルダー
マークス ステッカーペンホルダー
ステッカータイプのペンホルダー。好きなところに貼り付けることができる。
スマホカバーが手帳型の方は特にマッチするかもしれない。開閉が面倒でなければボタンやマグネット式のベルトタイプのホルダーも良いだろう。
Jisoncase バンド式ホルダー
タブレットケースのカバーに取り付けるタイプのペンホルダー。
これは細身だが、バンド型のペンホルダーは他にも様々な種類があるので、タブレットユーザーは自身のスタイラスペンに合うサイズのホルダーを見つけやすいだろう。
スタイラスペンの選び方
筆先が細いモデルを選ぼう
結論から述べると、スタイラスペンはペン先が細いものかディスク式のアクティブスタイラスペンを選ぶべきだ。
昔ながらのペン先の太いスタイラスペンを買うのはお金の無駄でしかない、必ずゴミ箱送りになる。試し書きをしてみれば分かることだが、とても文字が書けるものではない。
ひと筆ごとにスマホ画面をピンチアウトして、ペンに隠れて視認できない線を、感覚でズレを修正しながら、時間を掛けて描画するのだろうか。それができるのは余程忍耐力があるかお愚な人のみである。
せっかく買ったものをゴミ箱に送るくらいなら、やはり視認性の高い最新のアクティブスタイラスペンを選んだ方がよい。
アクティブスタイラスペンとは
アクティブ・スタイラスペンとは、ペン本体に電源を内蔵したスタイラスペンのことだ。電源の供給は乾電池式か充電式だ。
前提として、通常のスタイラスペン(パッシブスタイラスペン)は、人のもつ微量な静電気をそのままタッチパネルに送る仕組みになっている。
この方式は十分な静電気を送るためには人の指のように広い接地面積が必要で、ペン先が太くなる傾向にある。
アクティブスタイラスペンは電池を使ってその静電気をペン内部で増幅させ、狭い接地面積でも十分に静電気を送ることができる。
つまりアクティブスタイラスペンは細いペン先を実現でき、これまでネックだった視認性の悪さやタッチのズレを解消することができる。
ただし当然電池式なので電池切れは起こるし、重量も増す上に高額になるため、手軽ではないが、パッシブスタイラスペンでは絶対に味わえない使い心地がある。
筆圧感知機能とは?
Adonit Pixelなどが有名だが、一部のスタイラスペンと、そのペンに対応したアプリは筆圧感知機能を搭載している。
原則アクティブスタイラスペン限定の機能であり、多くはBluetooth接続を行い筆圧情報をタブレットなどのデバイスに送信する構造になっている。
筆圧情報をBluetoothで飛ばすと遅延が発生しそう、角度に弱そうなど心配があるが、最近のデバイスは想像以上に高いレスポンスを発揮している。
ペンタブレット用は使えるのか
結論から言えば「使えない」が答えだ。
スマホでは静電容量方式でタッチを検知するのに対し、ペンタブ本体とペンタブ用ペンは電磁誘導方式でタッチを検知しているためだ。
ペンタブは電磁誘導方式に対応した専用のペンだけを認識することができるので、手が触れていてもご検知は発生しない。この技術をコアとするWacomは一躍業界トップになった。
スタイラスペンの注意点
書き心地
スマホやタブレット・PCのタッチパネルをペンでなぞるのは、どうしても違和感がある。
実際の紙や、ペンタブレットに近い書き心地は得られないので、その点は諦めるしかない。
特にスマホではパネル表面の強化ガラスと、実際に映像を出力している液晶面の距離を感じるだろう。
慣れるまではイメージした位置から実際に描かれる線がずれてしまう。
感じ方は人に依るかもしれないが、接地面のずれに関しては細型のスタイラスペンでいくらか改善は出来るものの、ガラスの厚みによるずれ感は慣れる外ない。
使用アプリやデバイスにも依存する
スタイラスペンの反応が悪いときは、ペンではなくデバイスやアプリに原因があるかもしれない。むしろ、大抵はその可能性の方が高い。
SurfaceProとセットのタッチペンの組み合わせなどは、誤タッチもなく快適に動作するが、同じペンでもスマホでは全く反応が異なる。
iPhoneとAndroidスマホのタッチ精度に差があるようにデバイス間の静電容量方式の検知能力差はあると思っていた方がよい。
また、タッチした先ではソフトウェアで描画処理を行うので、そこでもアプリによる処理能力の差が出る。
有名所では、noteshelfやEvernoteといったアプリがあるが、好みの書き心地を見つけるには色々なアプリを試す外ない。
例えばEvernote系は描画に遅延があるし、余り早く書くとすぐ線が切れて使い物にならない。
ただ、そもそも紙と同じような書き心地を望んではいけない。速度や角度、筆圧などタッチパネルで紙の書き心地を再現することは不可能であり、それらは全くの別物として扱わなければならない。
摩耗する
シリコンゴム製は比較的長持ちだが、導電性繊維製や、特に樹脂製のペン先のスタイラスペンは使っているうちに摩耗していく。
替え芯があるかどうかも、製品購入の際は確認しておこう。
手袋問題
パッシブスタイラスペンについては人体の微量な静電気をパネルへ送る仕組みになっているので、手袋などで静電気を遮断すると全く反応しない。
冬の電車内などでの利用を想定するなら、アクティブタイプを選ぼう。
スタイラスペンを自作という方法も
静電気をパネルに伝えることさえ出来ればよいので、実はスタイラスペンは簡単に自作が可能だ。
金属製のペンかペンにアルミホイルを巻くだけでも、一応は自作スタイラスペンの出来上がりだ。
完成度を求めると製品を購入した方が早いが、どんなものなのか試してみたいというだけであれば、自宅でも自作でスタイラスペンの感覚を体感出来るので興味のある方は試してみるといいだろう。
最後に
技術進歩で以前よりも格段に使いやすくなったスタイラスペン。
ドローイングアプリも充実している現在、イラストを描いたりドキュメントメモを残したい人にとって、とても実用的なガジェットとなった。
研究員も、リモート会議でコラボレーションツールを使う際に、共有ドキュメントに書き込みをしながら話を進めるなど、ビジネスシーンでの実用性を体感したことがある。
これを機会に使いやすいスタイラスペンを見つけて、手持ちのデバイスを使い倒そう。