密閉型との違いは?開放型ヘッドホンのメリットとおすすめ機種を紹介

AKGQ701 オープン型ヘッドホン

音漏れや低音の響きが気になりなかなか手を出せない開放型ヘッドホン。実際どんな点で密閉型と違いがあるのか、その特徴や選び方を解説しながら、おすすめの開放型ヘッドホンをご紹介します。

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開放型ヘッドホンのメリット

開放型ヘッドホンのメリットは何と言っても広く端の見えない音場感。

自然な音の抜けは、まるでコンサートホールで音楽を聴いているかのような感覚を味あわせてくれる。

一度開放型ヘッドホンの自然なサウンドを味わってしまうと、どんな高級な密閉型ヘッドホンにも閉塞を感じてしまうかもしれない。

おすすめの開放型ヘッドホン

AKG(アーカーゲー) Q701

出典:www.amazon.co.jp
AKG
アーカーゲー
Q701
リファレンスクラス

AKGで人気の開放型ヘッドホン。イヤーカップが大きく、存在感のあるデザイン。

恐ろしく繊細で丁寧な音作りが特徴だ。ホールに響くような広がりあるサウンドだが音のまとまりもよく、中高域のヌケ感がすごい。低音も開放型ながら弱くなく、かといって主張しすぎないバランスの取れたチューニング。

見た目以上に軽くイヤーパッドも締め付けが強くないので、想像以上に疲れを感じない。安価ではないが開放型ヘッドホンに興味がある方、またグレードアップを図りたい方におすすめのモデルだ。

なお出力を要するのでヘッドホンアンプ経由の再生が推奨だ。

AKGQ701 オープン型ヘッドホン

▲ 実際の装着イメージ(ポタフェス2016での試聴の様子)。大きめのカップが耳全体を包み込むが閉塞感はない。

SENNHEISER (ゼンハイザー)HD598

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SENNHEISER
ゼンハイザー
HD598
トップエンドモデル

クラシックなデザインと最高の音質、最高の装着感がラグジュアリーなサウンド体験を創り出す、そんなゼンハイザーの完成度の高い開放型ヘッドホンだ。

フラットな特性で透明感のあるサウンドはオーケストラや歌もので光るだろう。重厚なサウンドを求める方にはマッチしないかもしれない。

優しいベロア素材のイヤーパッドと厚みのあるヘッドバンドで装着感は抜群だ。音質、デザイン、装着感、全てを得たい方はこのモデルがおすすめだ。

SENNHEISER (ゼンハイザー)HD559

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SENNHEISER
ゼンハイザー
HD559
オープン型

前述のSENNHEISERよりも価格を抑えたコスパが高い機種。ハイエンドモデルが多いブランドだが、安かろう悪かろうではなくゼンハイザー品質が維持されつつ、シンプルにまとめて一品だと言えよう。

これからオープン型を試してみたい人にもおすすめだ。

audio-technica ATH-AD500X

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audio-technica
オーディオテクニカ
オープン型ヘッドホン
ATH-AD500X

価格重視で選ぶならオーディオテクニカもおすすめ。ご紹介した他のモデルよりは品質が劣るが、気軽に開放型を楽しみたい人にはうってつけ。

高耐入力のCCAWボイスコイルφ53mmドライバーで美しい中高域を再生。アルミニウム製ハニカムパンチングケースを採用し強度と軽量化を両立させている。

beyerdynamic DT990PRO

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beyerdynamic
ベイヤーダイナミック
DT990PRO
業務用モデル

ドイツの誇る名門オーディオブランドbeyerdynamicのロングセーラーヘッドホン。

驚くほど広い音場と、ローの効いたドンシャリサウンドは、ハードロックなどで優れた臨場感を生み出してくれる。

先のAKG Q701より低音が欲しく、より無骨なサウンドが好みだと思う方はこちらがおすすめだ。

ハイインピーダンスなのでヘッドホンアンプの利用をおすすめする。

ULTRASONE PRO2900i

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ULTRASONE
ウルトラゾーン
PRO2900i
スタジオヘッドホン

ドイツの高級オーディオ機器ブランドULTRASONEのスタジオヘッドホン。

PRO2900のマイナーチェンジ版であり装着感などを改良しより長時間のリスニングに適したスタイルに。

このヘッドホンはAKGのようなリニアな周波数レスポンスをもつ機器とは、まるで正反対の性格をしている。

低域はエンドまで非常に深くディティールが際立ち、高中域も非常に鋭い特徴的な特性をもっており、決して万人受けはしないだろう。

しかしこのユニークで低音と高音の再生能力に長けた唯一無二のヘッドホン、聴く曲と聴く人を選ぶがハマるとやめられないサウンドである。

GRADO SR60e

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GRADO
グラド
SR60e
エントリーモデル

ニューヨークでピックアップを始めとしたハンドメイドオーディオ機器を扱うGRADO。

そのGRADOサウンドを手軽に手に入れられる同社のエントリーモデルのヘッドホンがSR60eだ。

ニューヨークという都市で洗練されたデザインと、中低音のクリアな再現性で、しっとりと音楽を愉しんでみてはいかがだろうか。

SHURE SRH1540 

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SHURE
シュア
SRH1540
プレミアム・スタジオ・ヘッドホン

40mmネオジムドライバーを採用し、クリアーで伸びのある高域とウォームな低域を伴う広大なサウンドステージを実現。

アルミ合金とカーボンファイバーによる軽量かつ堅牢なデザインに加え、Alcantara製のイヤパッドでこの上なく快適な装着感と遮音性が人気。

YAMAHA 開放型ヘッドホン HPH-200(BK)

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YAMAHA
ヤマハ
開放型ヘッドホン
HPH-200

シンプルなデザインと低価格で人気のヤマハの開放型ヘッドホン。

ユニットの背面側に通気孔を設け、低重心かつ開放的な鳴り方を追求したヤマハオリジナルの大口径40mmドライバーを採用。

110度まで回転するスイーベルタイプのハウジングで、長時間の音楽鑑賞でも疲れにくい設計となっている点も嬉しい。

SONY フルオープン型ヘッドホン MDR-MA900

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SONY
ソニー
フルオープン型ヘッドホン
MDR-MA900

音の開放感を売りにしたSONYのフルオープンエア型インドア用ハイエンドモデル。

大口径70mm新開発ドライバーユニットを採用する事で高解像度・広ダイナミックレンジの音を再生。195gと軽量でかけ心地が良いのも評価されている。

PHILIPS ヘッドホン Fidelioシリーズ X2

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PHILIPS
フィリップス
X2
Fidelioシリーズ

周波数帯域は(L):5Hz, 周波数帯域(H):40000Hzとハイレゾイヤホンとしては一般的だが、高出力のネオジウム磁石が使われた50mmドライバーが本製品の魅力。

抑えられた低音、透明感のある中音域、洗練された高周波域など、音楽の細部をすべて再現してくれる。

開放型ヘッドホンとは

ヘッドホンには大きくかけて開放型と密閉型の2種類のタイプが存在する。半開放型(セミオープン)なども存在するが、まずはそれぞれの特徴・違いを押さえよう。

開放型と密閉型の違い

密閉型と開放型ヘッドホン

▲ 左)密閉型ヘッドホンと 右)開放型ヘッドホン 密閉型と開放型の相関関係は下表の通りだ

画像引用元:http://www.sweetwater.com/
比較点 相関関係 密閉型 開放型
低域レスポンス 非常に良い 良い
音場 平均的 非常に良い
音漏れ 良い 悪い
ノイズ遮断性 良い 悪い
快適性 弱  良い 非常に良い

密閉型(クローズド)

密閉型ヘッドホンは音を増幅する部分であるハウジング(イヤーカップ)に穴がないものを指す。ハウジングが共鳴箱の役割を果たし低音を増幅させるため、重低音の表現力は開放型より優れている

弦楽器を見てわかる通り、音の増幅には共鳴箱が必要で、高音から低音になるほどそのサイズは大きいものが要求される。ヘッドホンにおいてもハウジングの密閉空間は重要な増幅機構の役割を果たすのだ。

またハウジングが閉じていることで音漏れも小さく、環境ノイズの遮音性も高いため、インドア/アウトドアの両方で使用するのに最適だ。ノイズキャンセリング機構を搭載したヘッドホンもこの密閉型に多く、騒音環境であれ静音環境であれ、深いベースレンジを感じながら没入感を得ることが出来る。

開放型(オープンエアー)

開放型ヘッドホンは一般的にハウジングに穴が空いており、メッシュやグリルでカバリングされている。密閉型と異なり、ドライバー(音の出る機構)から出力された音が、反射することなく空気を伝搬して忠実に耳に届くため、音の抜けが良くなり広い音場を感じることが出来る

頭上のヘッドホンからというよりは、部屋に設置したスピーカーからの音を聴いている感覚に近い、自然な音場と没入感が最大の魅力だ。クラシックを聴けば、まるでホールで聴いているかのような端の見えない広い音場に驚かされる。この点において密閉型よりも圧倒的な優位性をもっており、室内用ハイエンドモデルも多くはこの開放型ヘッドホンだ。

その代わり、音漏れは大きく、環境ノイズも許してしまうことになるため、室内での利用が主な用途となる。周囲の人の話し声も聴き取れる。

なお軽く蒸れにくいといった装着面での特性もあるため、夏場や長時間のリスニングにも向いている点も覚えておきたい。

一方でハウジングでの低音の増幅が出来ないため、強い重低音はあまり期待できない。この点は広い音場による臨場感とトレードオフだろう。なおハイエンドモデルでは大型ドライバーで弱点を克服しているものもある。

開放型ヘッドホンの選び方

音質

一重に音質と言っても、その切り口と好みは人それぞれだ。ここでは幾つか選定のために注視したいポイントを紹介する。

音場感

音場の広さという開放型ヘッドホンの最大のメリットをどれだけ体現できているかは大変重要だ。

ただこれにも好みがあり、音像のまとまり感が欲しい場合、例えば高音域のハイハットの残響が膨らみ過ぎては逆にリアリティに欠くと感じるかもしれない。

ヴァイオリンの響きなど、伸びるべく所で伸びてくれる音場感こそが理想だと言えよう。

こればかりは個人の感覚も強く反映されるので視点のひとつとして記憶しておいていただきたい。

解像度

細かな音をクリアに聴くことが出来るかはとても重要だ。

開放型ヘッドホンにおいては弱点である低音域での表現力を特に注意して確認すると良いだろう。

ベースラインのアタック音をいかに緻密に捉えられるかはグルーヴ感の再現に直結するはずだ。

音圧感度

のスペックに「dB」単位で示される音圧感度という項目がある。一般的なヘッドホンは90dB~110dB前後だ。平たく言えば音圧感度が高いほど音は大きくなる。厳密にはここからさらにインピーダンス(≒抵抗)の大小に最終的な音の大きさが変わってくる。ハイエンドモデルは低音圧感度でハイインピーダンスであることが多いが、その場合に音量を出すためにはヘッドホンアンプが必要となってくる。

開放型ヘッドホンはハイインピーダンスのものも多く、ヘッドホンアンプの利用がおすすめだ。どうしても出力が確保できないポータブルデバイスでの再生環境などであれば、音圧感度が高く、インピーダンスは高くないヘッドホンを選ばれたい。でなければデバイス側で大きいサウンド出力が必要となり、あっという間に電池が切れてしまう。

フィット感

イヤーカップの形状

大きいイヤーカップは、眼鏡を着用しながら長時間装着すると、ヘッドホンの側圧でこめかみへ負担をかけてしまう恐れがある。

心配であれば、耳を包み込まず乗せるだけのオンイヤー型という形状もあるので、開放型にはあまり多くはないが候補に含めてみるといいだろう。

イヤーパッド

先の通り、メガネやサングラス着用とヘッドホン着用の相性が悪い場合があるが、柔らかく厚手のクッション素材でイヤーパッドが構成されていれば負荷を緩和しストレスなくリスニングすることも出来得る。

またよく見かけるイヤーパッド素材として人工皮革が挙げられる。こだわりたい方にはレザーのモデルを試してみてもよいだろう。ただ夏場の使用で急激に劣化が進む恐れもある。イヤーパッドがボロボロに剥がれてしまう経験をしたことがある方も多いはずだ。

そんな際は、汎用的なイヤーパッドカバーが販売されており、メッシュ系素材やベロア素材といった様々な製品が流通している。イヤーパッドの劣化を防ぎながら蒸れを解消する優れものだ。ヘッドホンの寿命を伸ばしつつ自分なりのカスタマイズもできるため、併せて入手を検討するとよいだろう。

メーカーを絞る

メーカー、ブランドによって得意とするジャンルは異なり、低音遍重でかつ密閉型のヘッドホン設計を得意とするブランドもあれば、開放型を得意とするブランドもある。

AKG(アーカーゲー)は手頃な価格で高品位な開放型を生産しているし、SENNHEISER(ゼンハイザー)もハイエンドな開放型《密閉型もだが)生産をしている。

開放型の選択において国内メーカーはあまり芳しくないのが実情だろう。国内ではaudio-technicaはラインナップが多い方だろう。

最後に

開放型ヘッドホンは安価な入門機はすかすかの低密度なサウンドを出力しかねないため、高級ブランドの入門機か、著名ブランドの中級機以上、もしくは開放型を得意とするブランドのモデルを手に入れよう。

最終更新日:2018/10/05