サウンドカード(サウンドボード)は、その名の通りパソコンの音をより良いものにするパーツです。しかし大抵のパソコンのマザーボードにはサウンド機能がオンボードされており、5.1ch対応という製品もよくみかけます。そこで今回はサウンドカードの選び方や効果、おすすめの製品などを紹介いたします。
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サウンドカードの基本的な選び方
出力
意外に思うかもしれないが、まずチェックしたいのはスペックより、インターフェイス(出力・入力)だ。特に出力は重要で、パソコンの音をサウンドカードを通して何で再生したいかで決まる。
たとえばヘッドホンを挿すだけなら、3.5mmのステレオミニプラグがあればいいが、自分の持つオーディオに光デジタルでつなぎたいなら、光デジタルの端子が必要だし、アナログ端子(赤と白の二本ケーブル)でつなぎたいなら、アナログの出力が必要ということになる。
フロントスピーカー端子やサブウーファー端子などがあって、直接スピーカーを接続できるものもある。
入力(マイク)
入力に関しては、マイク端子は基本あると思うが一応確認しよう。これがないと、ゲーミングヘッドセットで喋りながらゲームが出来ない。加えて他のオーディオ機器から音を取り込みたいなら、アナログ入力端子や、光入力端子が必要となる。
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SN比
SN比というのは、Signal(信号)にたいしてどれだけNoize(ノイズ・雑音)が入っているかという比率をさす。簡単にいうと、数値が高いほどノイズが少ないので好ましい。折角サウンドカードを買うなら最低でも80dB以上は欲しいところ。90dBや100dBを越えているならもっと良い。
例えばSN比が低すぎると、ゲーム音や音楽のバックに「ジーー」という音が目立つくらいに響く。
サンプリングレートと量子化ビット数
サンプリングレートは「アナログ信号からデジタル信号への変換を1秒間にどれほどおこうなうか」という値をさす。凄く雑にいえば、この数値がよいものほど高音質になる。
ただ、サンプリングレートというのは音源の時点(CD音源、MP3)できまり、サウンドカードにとっては、どこまで対応できるかを表している。
オンボード(マザーボード内蔵)だと96kHzまで対応しているものが目立つが、そこそこ良いサウンドカード以上なら192kHzに対応できる。乱暴な言い方をすれば、オンボードより2倍も良い音をだせるというわけだ。
もしスペックに「量子化ビット数」も記載されているなら、あわせて確認したい。こちらも数値が高ければ高いほど良い音(繊細な音)になる。昔は16bit対応が基本だったが現在の状況で高音質を謳うなら24bit対応であってほしい。
サウンドカードおすすめ5選
CREATIVE Sound BlasterX G5 SBX-G5
外付けで高音質、使いやすいと3拍子そろった名器。
「どれを選んでいいかわからない」「内蔵でノイズが入るのは怖い」というならこれで決まりかもしれない。 S/N比は120db、サンプリングレートは出入力ともに24bit/192kHz、端子も出入力ともにミニプラグ(3.5mm)と光デジタルがあり、目立った欠点が見受けられない。
サウンドカード業界は、ビデオカード(グラフィックボード)程、技術の進歩のスピードが速くはないので、長年愛用出来る事だろう。ちなみにバーチャル7.1再生となっているが、これはヘッドホンが7.1CH対応の時に役立つ。
CREATIVE PCIe Sound Blaster Z SB-Z
内蔵のサウンドカードで高水準にまとまっているのがこちら。S/N比は116db、サンプリングレートは出入力ともに24bit/192kHz。
サラウンド機能も5.1chに対応している。 バーチャルサラウンドではないので、ヘッドホンのサラウンド機能ではなく、本当に5.1chのスピーカーなどを使ってくみ上げるなら最適。
CREATIVE Sound Blaster Play! 3
かなりコストパフォーマンスの良い外付け。S/N比は93db、サンプリングレートは出入力ともに24bit/96kHz。S/N比やサンプリングレートはごく普通だが、ハイレゾ再生が可能で、Sound Blasterシリーズならではのサウンド設定が可能になる。
オンボードで大きなノイズが入って困っている方にもおすすめ。
Sound BlasterX AE-5
サンプリングレートの出力が32bit/384kHzと超ハイスペックな内蔵サウンドカード。
ゲーム音も快適だが、どちらかというと映画や音楽に向いているパーツ。(ゲーム用としてはオーバースペックで対応しているゲームは殆どない)
ASUS STRIX RAID DLX
S/N比は124db、サンプリングレートは出入力ともに24bit/192kHz。 今も昔もサウンドカードはとにかくCREATIVE社1強に近いが、その中においてかなり良く出来ているASUSのサウンドカード。
内蔵の割にS/N比がとてもよく、ASUSらしくゲームのためにチューニングされており、バーチャル7.1chにも対応している。
サウンドカードは効果があるの?
結論からいうと、大いにある。
「選び方」のサンプリングレートでも紹介したとおり192kHzに対応しているなら相当音は良い。さらにSN比が高ければ雑音がグッと減るだろう。そのため、「オンボードで光端子があるなら、わざわざサウンドカードで光端子で繋ぐ意味はない」ということは決して無い。
また、使い勝手の話になるが、全面のベイにヘッドホン端子やBASS、音量のツマミをもってこれるタイプは、ヘッドフォンを抜き差しする人間にとってとっても楽だ。
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サウンドカードの選び方~後半戦~
ミックスができるか(ステレオミックス)
ミックスとはPCゲームの音や音声チャットの音声などPC上で再生されている音を録音できるかどうかを表す。
単にゲームを良い音でプレイしたいなら無視してかまわないが、ゲーム実況動画などを作ってアップしたいなら、重要となるのでミックスできるサウンドカードを選ぼう。
カードのサイズやセット内容を確認しよう
たとえばスリムなPCだとロープロファイル(コンパクトなサイズ)のサウンドカードでないと内蔵できないかもしれないので、PCケース内のサイズは確認しよう。
そして初心者が失敗しやすいのがセット内容だ。
たとえば「サウンドモンスター」というサウンドカードがあったとして、製品のラインナップには「サウンドモンスター(1万円)」と「サウンドモンスターX(1.5万円)」と「サウンドモンスターDX(2万円)」があったとする。
この場合、値段だけみると2万円もするサウンドモンスターDXが最も高音質な高級機で、サウンドモンスターは音質が劣っているようにみえるが、実際にはサウンドモンスターXが手元のコントローラー付き、サウンドモンスターDXは手元のコントローラーとフロントベイ(3.5インチベイ・5インチベイ)に装着できるコントロール&端子ユニット付きで、サウンドモンスターはメインとなるサウンドカードだけという場合が多い。
スリムなPCやコンパクトなPCの場合、フロントベイがない、もしくは空きが無く折角手に入れたパーツを装着できないということになりかねないので、製品のセット内容は必ずチェックしよう。
取り付け方(内蔵or外付け)を選ぼう
まず、ノートパソコンなら内蔵出来るわけないので、USBの外付けタイプを選ぼう家にPCが何台もあって、その時々で使いたい端末が変わる場合も外付けが好ましい。
1台のパソコンしかつかわなく、取り付けるスロット、ベイが確保出来ているなら内蔵を選んだ方がコンパクトで美しい。
ただし、内蔵する位置が電源やHDDと近いとノイズが入りやすい。外付けの場合でもUSB端子の側にノイズの原因となるものがあるとノイズが入る。
とはいえ、内蔵に比べれば外付けの方が明らかにノイズが入りにくいので、初心者は外付けのほうが扱いやすいかもしれない。
一方で外付けに欠点がないわけでもない。
外付けは音の遅延がおこりやすいためにメモリを多く消費するし、手ごろな高級機が少ない。
10万円を超えるような機器があるが、これはゲーム用ではなく音響職の人のためのものだ。
ゲーミングヘッドセットやスピーカーのch数
手持ちのスピーカーやゲーミングヘッドセットにサラウンド機能が「5.1ch」や「7.1ch」、「9.1ch」なら、サウンドカードもそれらに対応していないと、スピーカーやヘッドセットの性能を活かしきれない。どの程度のch数が必要かはあらかじめ確認しておこう。
対応できるch数が多くて困ることはないので、今後どうなるかわからないというのであれば、「5.1ch」や「7.1ch」に対応している方が良いだろう。
ただし、スピーカーやヘッドセット、サウンドカードが「7.1ch」対応でも、ゲーム側が5.1chまでなら5.1chでしか再生はされないので、どんなものでも最高のサラウンド機能が発揮できるわけではない。
イコライザ設定ができるかどうか
イコライザ設定は、簡単に言えば「低音を響かせる」「高音重視」「中音(ボーカルの音)が良く聞こえる」など、低音・真ん中・高音を細かに設定できる機能だ。
ゲームだけに限ってでも、低音重視にしたら、爆発音が激しく聞こえるし、逆に爆発音が邪魔なら低音を抑えることで対応できる。
FPSをやっていて、爆発音がでかすぎて、仲間の声がよくきこえないなんてときもこれで対応できる。勿論、音楽鑑賞や映画鑑賞にも役立つし便利だ。
設定が難しそうにきこえるかもしれないが、サウンドカードのイコライザ設定は、音楽関係の仕事をしている人のための機能ではなく、ゲームや音楽をより楽しむためのものであって、特にむずかしくない。
自分で細かく設定しなくても、「ゲーム用」「音楽用」などとプリセットで簡単設定してくれるタイプもある。