Bluetoothヘッドセットは通話専用から音楽用まで、ソニーやPlantronicsなどのブランドから多くの製品が販売されています。機能も片耳・両耳対応やノイズキャンセリング、防水仕様などシーンに合わせて様々。その中からおすすめのモデルをご紹介します。
目次
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Bluetoohヘッドセットとは
Bluetoothは国際標準の近距離無線通信規格だ。省電力で通信を行うことができモバイルデバイスでの利用に向いている。
Bluetoothヘッドセットはこの通信規格を採用したもので、同じくBluetoothに対応したデバイス同士で簡単に音声データ送受信を行うことができる。
マイクと再生装置(イヤホンやヘッドホンといったスピーカー)が一体となっており、スマホやPCから離れた位置で通話や音楽鑑賞を行うことができる。
Bluetoothヘッドセットのメリット
Bluetoothのワイヤレスによる一番のメリットはケーブルからの解放だが、具体的に次のようなメリットが挙げられるだろう。
- 電車などでケーブルが絡んだり抜け落ちて困ることがなくなる
- 複数の機器と接続し、切り替えることも容易
- カバンに接続機器をしまったままでよい
- タブレットなど大型デバイスでも電話や音楽プレーヤーとして使いやすい
- イヤホン端子の廃止されたiPhone7でも使える
- PCやオーディオ機器の前から自由に移動できる
- 手を使わずに通話ができる
- タッチノイズが入らず快適
おすすめのBluetoothヘッドセット
PLANTRONICS M70
イヤホンやヘッドセットを得意とするPLANTRONICSのモノラルヘッドセット。
完全ワイヤレスによる軽い装着感と、11時間というロングバッテリーでビジネスシーンにはぴったりだ。
音楽再生にも対応しているが、どちらかと言えば通話メインでコスパの良いものを探している方におすすめしたい。
SONY (ソニー)MDR-EX750BT
ソニーの高音質通話が可能なモデル。
通話時は、エコーキャンセレーションとノイズサプレッション、そしてさらに通常より広い帯域での通話を可能にする高音質化技術「HD Voice」を搭載しているため、周囲に騒音があっても快適な通話が可能だ。
音楽再生時のノイズキャンセリングは搭載していないので注意されたい。
ソニー独自規格のハイレゾコーデックLDACにも対応しているので、対応デバイスであればBluetoothでもハイレゾ相当のリスニングが可能。
見た目より軽い装着感で、すっきとしたデザイン性。もちろん音質はソニーブランドらしいクリアサウンド。
音楽も通話も高品質を求める方におすすめ。
SONY純正ヘッドセット
PS4/PS3にワイヤレス接続し、最大7.1chのサラウンドサウンドを楽しみながら、スタイリッシュなフォルムに内蔵したマイクで音声通信も可能なソニー純正ヘッドセット。
有線でPS Vitaに接続することも可能だ。
手軽でソニーのデザインで統一感を得たい方はゲーミングヘッドセットとして本機を使ってみてはいかがだろうか。
SONY MDR-EX31BN
シンプルなデザインで音楽の再生も可能だ。そしてノイズキャンセリング機能搭載でリスニングに集中できる。
イヤホンは着脱可能だが通常のステレオミニプラグではないので注意。
コンパクトで音質の良い、ノイズキャンセリングヘッドセットを探している方におすすめ。
SoundPEATS Q12
スポーツ向けオーディオプロダクトを得意とするSoundPEATSのベストセラーモデルだ。
スポーツ向けであるため、装着感へのこだわりが素晴らしく、イヤーピース、イヤーフックはそれぞれ3種類ずつサイズが用意されており、キャリーケースも付属している。
イヤホン同士は内蔵の磁石でくっつくため使用していない間バラバラになることがない。
コントローラーはボタンが独立していて使いやすい。
通常のリスニング、通話、そしてスポーツに使う方にも重量がたったの15gという軽量設計がうれしい。
CSR社のCVC6.0規格に準拠しており通話音質もとてもよい。
通勤通学、スポーツ、あらゆるシーンでのリスニングと通話を楽しみたい方、リーズナブルな価格で初めに手にするにはおすすめの機種だ。
なおスポーツシーンでのイヤホンが気になる方には、「ランニングなどスポーツにおすすめのBluetoothイヤホンをご紹介」の記事も参考にされたい。
Jabra CLASSIC
MP3プレーヤーやヘッドセットの開発を得意としているJabraの人気ヘッドセット。
コントロールは出来ないが音楽再生にも対応しており、9時間という長時間バッテリーを有している。
年齢性別を問わないシンプルなデザインも評価ポイントだ。
ONKYO (オンキョー)W800BT
Φ8.6mmダイナミックドライバーを採用し低域から高域まで厚みあるクリアなサウンドを実現している。
専用ケースは充電器も兼ねているので、電池切れの心配も少ない。
完全ワイヤレス型にリッチな低音を求めるな本機がおすすめだ。
Bluetoothヘッドセットの選び方
形状で選ぶ
完全ワイヤレスのイヤホンタイプ
一切のケーブルから解放されたいコードレス派の方におすすめだ。
ワイヤレスイヤホンの中では最小の型となり、小型設計を優先する方にも最適。
両耳タイプと片耳タイプがあり、前者ではステレオサウンドをどのように左右のイヤホンで再生するかは各社異なってくる。
ネックバンド型のイヤホンタイプ
ネックバンド型は後ろ型にケーブル類を回しているタイプだ。
スタイリッシュさを保ちながら、大容量バッテリー、ノイズキャンセリング機構などを搭載しやすく、音楽鑑賞可能なBluetoothヘッドセットとしては最も主流となっている。
ペンダント・クリップタイプ
ペンダントやクリップ型のBluetoothヘッドセットは初期から存在する型式だ。
多くはレシーバーにバッテリーやコントローラー、アンプなどを内蔵しており、有線のイヤホンを接続して使う。
有線イヤホンは大抵は取り外し可能なので、手持ちのお気に入りの有線イヤホンを使うこともできるというメリットがある。
ペンダントとケーブルが邪魔になるデメリットはあるが、好きなイヤホンをワイヤレス化できるメリットも大きい。
ヘッドホンタイプ
ヘッドホンでもマイク内蔵のものが多く販売されている。
イヤホン型よりも音質面ですぐれており、高音質な音楽鑑賞を行いたい、またゲームを楽しみたい、サラウンドサウンドを実現したいなど、よりハイレベルな音響を求める方におすすめだ。
必要な機能は?
自身の利用シーンを想定して、どのような機能が必要か考え、優先度をつけてみよう。
防水機能
軽いジョギングからランニング、さらにはスイミングなどスポーツシーンでは汗や雨など水滴がつきもの。
水滴や洗浄が必要となる場合は防水仕様のモデルを選ぼう。
製品のスペックを確認し、防塵防水の国際標準規格「IP」コードの記載から防水性能を判断することができる。
「IP56」などの表記で表されるが、「IPX6」といった様に始めの数字にXが表示されているものは防塵検査はされていないものとなる。
最低でも、汗や水しぶきに耐えるIPX4以上のものを選んでおくと安心だ。
完全に水に浸かる可能性のある方は、迷わずIPX8準拠のモデルを選ぼう。
保護等級 | 内容 |
---|---|
IPX0 | 特に保護がされていない |
IPX1 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) |
IPX2 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) |
IPX3 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) |
IPX4 | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) |
IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
IPX7 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
▲ 出典:Wikipedia
通話品質はどうか
CSR社の規格であるCVC6.0(ClearVoiceCapture6.0)*というエコーキャンセル規格に準拠しているものを選ぶと安心だ。
*6.0は執筆時点で最新バージョン
通話におけるエコーキャンセリングだが、これは一般に言われる音楽ノイズキャンセルとは異なる。
自分の発した声が、相手方のマイクで拾われ、自分のスピーカーに返ってきて反響する現象を「音響エコー」と呼ぶ。通話を前提としたマイク付きイヤホンにおいては、ノイズキャンセリングの中でもこれを防ぐためのエコーキャンセル機能を搭載しているものが望ましい。
通話性能を確認する場合は、エコーキャンセル機能搭載の表記をチェックするか、CVC6.0準拠の表記をチェックすると良いだろう。
なおCVC6.0の主な機能は次の通りだ。
- 自動音量制御
- 送受信イコライザー
- ノイズ快適化
- ハウリング制御
- 非線形処理
- 音声適応イコライザー
- 省電力機能
- 補助ミキシング
- 周波数強化による音声明瞭化
ノイズキャンセリング機能
音楽の集中したい方はノイズキャンセリング機能搭載のものを選ぼう。先のエコーキャンセルとは違い周辺の環境ノイズを遮断するものだ。
これは専用にプロセッサーが必要となるためイヤホン内部にはその機構が収まらず、ネックバンドの一部であったり、ペンダントとしてなど、イヤホン外部に機構を搭載し、重量も増す点はデメリットだ。
サラウンド対応
5.1ch、7.1chなどサラウンドサウンドをヘッドセットでも体感したいというニーズもあるだろう。
AV機器用であれば専用デコーダーが必要で、PC用であれば専用ソフトウェアを必要とする。
映画鑑賞用に使いたい方、もしくはゲーミングヘッドセットとしてFPSなどをよりリアルに楽しみたい方はサラウンド対応のものを選ぶと良いだろう。
イヤホンやヘッドホンでもサラウンド対応モデルが出ているので別記事「有線型からワイヤレス型まで。おすすめのサラウンドヘッドホン8選」の紹介内容も参考にされたい。
音楽再生時の音質は?
Bluetoothのコーデック
親機であるPCやスマホから、子機であるイヤホンへBluetoothでデータを転送する際、データの圧縮が行われている。
その圧縮方式をコーデックと呼び、コーデックによって圧縮率・遅延時間が異なり音質が変わる。標準のSBCは圧縮率も高く音質が悪い。
どんなに子機側で高音質コーデックに対応していても、親機側が準拠していなければ使用できないので、しっかりと親機のスペックも再確認しよう。
最近はapt-X HDというハイレゾ相当音質のコーデック対応機器が増えている。できるだけ高音質のものを選ぼう。(apt-X HDは大衆向けDAP・スマホでは普及率が低い)
コーデック | 内容 |
---|---|
AAC | iTunesでお馴染みの高音質圧縮方式。Apple社製品は勿論全て対応している。Apple以外でも対応している機器は多い。 |
apt-X | CD音源に近い音質での転送が可能なコーデック。英CSR社開発。 |
apt-X HD | apt-Xのハイレゾ対応版。英CSRが新開発。対応機器が増えつつある。 |
LDAC | 96kHz/24bitのハイレゾ音源対応。ソニーが開発し、ソニー機器同士限定の規格。 |
SBC | Bluetoothの規格上で必須項目なので、全ての機器に対応しているが、圧縮率が高く音質は悪い。 |
▲ Bluetooth対応コーデック一覧
バッテリーの仕様は?
連続再生時間
宅内でも外でも頻繁に充電が必要となるとストレスになる。
重量とのトレードオフになるが、バッテリー容量の多いものは音圧も高く長時間再生できるので、自身の利用時間をイメージしてスペックを確認しておこう。
bluetooth4.0対応イヤホンで省電力化を謳っているものも在るが、再生時間には殆ど影響していないので気にする必要はない。
充電時間
外ではなかなか電源を確保できない場合が多いので、急速に充電できると嬉しい。宅内でも電池切れの際に、リスニングを中断しているストレスを軽減するにも充電時間は短い方がよい。
充電方法
Bluetoothヘッドセットその形状によって様々な充電方法がある。
microUSBケーブルで接続して充電するものや、専用のドックに設置してワイヤレス充電できるもの、または小型のものはケース兼充電ドックに収納することで充電を行うものなどがある。
充電しながらでも使いたい方は、ケーブル形式がおすすめだが、一度の使用時間があまり長くない方はドック式のものが便利だ。
フィット感は?
フィット感はとても大切だ。完全ワイヤレス型イヤホンなどはフィット感が悪ければ使いものにならない。
長時間の利用の疲労軽減や、ずれ防止などの目的で装着感を向上させるアイテムが販売されているので、参考にされたい。
低反発ポリウレタン製のイヤーチップ。
サイズが合わないという課題を解決するだけでなく、完璧なフィット感でこれまで聴こえなかった音が聴こえるようになり、低音も一層響くという音質面での効果も高い、一度使うとやめられないプロダクト。
伸び率最大280%で様々なヘッドホンにフィット。吸湿・速乾性に優れた国産生地「テンセル」を採用。
Bluetoothヘッドセットの注意点
Bluetoothのプロファイルを確認しよう
実はBluetoothヘッドセットには通話しか出来ないものと、通話とサウンド再生の両方に対応したものがあるので注意しよう。
Bluetoothにはプロファイルと言って、その機器にどんな通信をさせるか定めている規格がある。Bluetoothは音声だけでなくファイル送受信やプリンタとの接続、FAX送受信など様々な用途で使われるため、プロファイル単位で実装することができるのだ。
機器スペックを見ると対応プロファイルの記載があるはずだ。以下を参考に自身の用途にあったプロファイルが書かれているか確認しよう。
プロファイル | 意味 |
---|---|
HSP | Headset Profile。音声入出力用を行える。 |
HFP | Hands-Free Profile。音声入出力と電話発着信を行える。 |
A2DP | Advanced Audio Distribution Profile。ステレオサウンドを再生できる。 |
AVRCP | Audio/Video Remote Control Profile。AV機器をリモコンで操作できる。 |
▲ Bluetoothのプロファイル(抜粋)
なお、HFPはHSPの上位規格で、電話の発着信に対応している。ゲームデバイスなどでは必要ないため対応していないこともある。
電波干渉を受ける
Bluetoothは2.4GHz帯の通信帯域を利用して接続する。
2.4GHz帯はライセンスフリーの国際標準帯域なので、電子レンジなどこの帯域を利用する機器が溢れかえっており、Wi-Fiにおいても現在最も使われている。
同じ周波数帯を使う限り電波干渉は確実に引き起こされ、そそのノイズによりデータロスが発生するので音質は劣化する。
そのためBluetoothヘッドセットを使う際は、できるだけ干渉源のの少ない所で使用することが望ましい。なかなか機器同士が繋がらない場合、電波が密集している可能性もある。
なお携帯電話のキャリア通信は1GHz以下を利用しており干渉に影響しないので安心されたい。
距離の制限がある
ワイヤレスでデータ通信を行う状態は互いに通信可能な距離に位置しており、間に防電磁性の遮蔽物が存在しないことが条件となる。
Bluetoothの場合は一般的には離れたとしても10m以内が再生圏内だと考えておこう。classによって変化はあるが、近距離無線通信規格に長距離を期待するのは間違っている。
Bluetoothのバージョンの真実
Bluetoothバージョンが高いほど高性能で、下位互換性があるという情報を見かけるが、それは全くと嘘であるので注意されたい。
Bluetooth4.0は、それまでの3.0とは別モノで下位互換性はない。
Bluetooth4.0のBLE(BluetoothLowEnergy)仕様は省電力通信を実現しているが、これはBLE対応機器同士での話だ。
ただデュアルモードといって下位バージョンを一緒に組み込んで動作させている機器もある。音楽用のBluetoothイヤホンはこれが多いが、ヘッドセットは下位互換を完全に排除しているものもあるので、バージョンには注意しよう。
最後に
いかがだろうか。Bluetoothヘッドセットは以前よりもずっと製品数が増え、どれを選んでよいか悩んでしまいがちだ。
本記事で紹介した商品や選び方が、お気に入りのモデルを見つける助けになれば幸いだ。
これを機会にBluetoothヘッドセットを手に入れ、よりストレスフリーなライフスタイルに近づこう。